2007年 3月 3日(土)午前 10時 35分
時間がないので、振り返りだけ書いておく。
日曜日に、前から計画をしていたことを実行に移した。別に、この日だけではなく、これからも、こういった時間があれば、何度もやってみたいことなのだが、ワッハの展示室市長ルームにある音源・映像に触れるということだ。しかも、週末だと、内部の小演芸場で、ミニ演芸会が行われているので、一石二鳥となるわけだ。この日は、福矢が「子ほめ」、文鹿が「はてなの茶碗」を出してくれた。まさか、「はてなの茶碗」のようなネタが出るとは思ってなかったので、めっちゃお得感満載です。文鹿も、上手だったしね。それが終わってから、お時間に合わせて、音源ばかり聴いた。そのラインナップは、6代目松鶴「誉田屋」(1970.3.31 朝日放送)、2代目春団治「明礬丁稚」(不明 日本クラウン)、初代森乃福郎「長持」(1988.7.6 NHK)、3代目染丸「源兵衛玉」(日本ビクター)だ。最後の「源兵衛玉」は、時間の関係で、途中切り上げだった。6代目の若々しい声に、ちょっとした感動で、こんな普通に、口が回ってたんだと、ちょっとジ−ンときてました。ただ、サゲ近くで、落としどころを探ってる感じがあって、6代目らしいと思うと、また、ジーンときてました。2代目春団治ものは、朝日放送が数多く音源を持っているはずだが、これは、そうじゃなさそう。ただ、ノイズがすごくて、聴いてられない状態です。「長持」は、初物中の初物。福郎らしい珍品だが、珍品であるわけがはっきり判りました、おもろない、これに尽きます。よくある話ですが、、、。
お時間に合わせて出たというのは、この夜の繁昌亭の口演に間に合うようにという意味だ。この日は、「天神寄席」。トリに、「鳥屋坊主」が出るのと、メンバーがいいというのが、この日、繁昌亭へ行った理由。たま「刻うどん」、あやめ「コンパ大作戦」、松喬「寄合酒」、(中入り)、対談「あやめ&里見英子(白山病院副院長)」、団六「鳥屋坊主」が、この日の番組。たまの口演、これは、またしても、やられたの感じ。声の大小の使い分け、徹底したオーバーアクション、ツボが、とてもはまってる。あやめは、得意ネタで、ベリーグッド。それにも増して、この日の秀逸は、松喬。この軽い、聴き慣れたネタで、ここまで湧かせるかと思う絶妙の口演。特に、どもりの男を登場させる型なのか、型でないのか、それも判らないけど、そして、危なげな口演であるにも拘わらず、いいもの聴いたというものが残った。惜しかったのは、最後の団六、この人、こんなだったかなぁと、聴く度に思ってしまう。もっと、覇気を持ってやってほしいな。
月曜日は、普通の繁昌亭の夜席だ。文太が、昼間、初めてのトリを務めたその日の夜席だ。大ネタを打ってくれるんじゃないかという期待が膨らんでの会となっていた、自分的に。番組は、佐ん吉「狸賽」、銀瓶「宿題」、坊枝「阿弥陀池」、小米朝「くっしゃみ講釈」、(中入り)、米左「ふぐ鍋」、文太「小倉船」だった。やはり、文太は、やってくれました。この賑やかで、変化に富んだ、いかにも上方落語というネタを出してくれました。ましてや、浦島の登場場面で、舞踊を入れるなど、独自の工夫まで入れてである。これだけで、この会に行った値打ちがあった。次に、めっけものは、「宿題」。まさか、古典一筋だった銀瓶が、三枝作品を手がけてるとは、、、。また、出来がいい。坊枝は、ちょっとテンポ落とし目なんだけど、よく受けていた。若旦那のくっしゃみの声と、それ以外の声が違うのがおかしく、米左は、ちょっとしつこめだった。文太は、最後に、金属たわしを投げ入れるというサービスをしていました。ちょっと遅すぎた文太、初トリの日でした。
翌火曜日は、なんでやねんという「三枝・松枝 二人会」。同門でもなく、同期でもなく、所属先も違う二人の会、繁昌亭ならではのものだ。松五「つる」、松枝「袈裟御前」、三枝「良心」、(中入り)、三若「?」、松枝「三枚起請」、三枝「くもんもん式学習塾」、これが、この日の番組。前半が、競演という感じで、後半が共演という感じかな。松枝の「袈裟御前」は、自分自身で作り上げたというオリジナリティ溢れる古典作品だということからでしょう、この競演イメージ。しかも、客席参加型という三風ばりのことを、両者でやってくれた。「良心」は、客席に問うて、異なった結末が用意されてるのだろうか、気がかりのままなんだけど、、、、。後半は、全く異なった二人のキャラが出たから、おもしろい。ただ、「三枚起請」は、なんか、パターンが同じで、物足りなさがあった。三枝のこのネタ、有名なわりには、初物。この人の着想は、やっぱ、すごいわぁ。学習塾とやくざ、ありえない組合せを、組み合わさるところを洗い出し、それを飾りあげる力は、すごすぎます。
水曜日も、繁昌亭で、無事5日連続繁昌亭を達成。この日は、「ドミニカへ行くの会」。国境なき芸能団の公演だ。代表が、鶴笑だから、パペット落語を観れるという楽しみのうえ、ドミニカに同行する姉キンが出るということで、これは、楽しみな会だった。まず、幕が上がると、テムズ河畔で、風邪に向かって歩く男の静止パフォーマンスをしている姿を見せ、この会の趣旨を説明。それから、会がスタート。番組は、呂竹「寄合酒」、染雀「金明竹」、あやめ「義理義理コミュニケーション」、(中入り)、鶴笑「紙切り+西遊記」、姉様キングスだった。鶴笑のパペット落語は、10数年前に観たときと、基本的には同じだったが、だけど、アイデア満載で、めっちゃ楽しい。姉キンは、なんかグレードアップした感じ。あやめも短い三味線を持って現れ、実際に弾いていた。バラライカ版は、どうなってんでしょう? このあと、2日も、完売という情報が流れています。3日が完売をして初めて、飛行機代が出るということでした。帰国後には報告会もあるということなんで、それも、楽しみにしておこうと思ってます。
翌木曜日は、福笑の会のチケットを買えなかったので、替わりに、映画「ルワンダの涙」を、テアトル梅田に行った。ルワンダものは、2つ目だ。あまり、虐殺ものは観たくないと思っていたのだが、去年、「ホテル・ルワンダ」を、招待券で観たのが大きかった。アメリカ映画なんだけど、静かに、大仰ではない描き方に、そそられてしまった。今回も、それを着たいしてたんでしょうね、自分的に。だけど、このイギリス(制作的にはドイツと合作)映画は、その部分では裏切られました。「ホテル」は、こうじゃなかったんだけどなぁと、何度も思いました。だけど、この映画、あんな終わり方をさせる映画だとは思ってませんでした。それが、怖くて、ドキドキしてしまいました。エンディングが、いいリハビリ時間だったんだけど、落ち着いて考えると、やっぱ、ヨーロッパ人によるアフリカ映画だったといわざるを得ません、残念ながら。
翌金曜日は、仕事でダメかと思っていたのだが、幸い、アフター5の時間が取れ、「TORII講談席〜2007年講談 風・林・火・山〜」に行けた。南青「武田信玄の初陣」、南湖「上杉謙信の塩送り」、南海「山本勘助」、(中入り)、フリートーク「大河ドラマてどうやねん」、南海「川中島大合戦」が、この日の番組。今年の大河が「風林火山」だということで、今年の「TORII講談席」は、これに便乗しようということらしい。3人とも、達者ですね。南海さんも、ちょっと間が空いてましたが、グレード・アップしてますねぇ。皆さん、すごいわぁ。講談を聴くことって、日本史音痴の黄紺には、ちょうどいい豆知識を得られる機会やと思っています。また、こういった機会を生かしたいです。南湖の会は、狙ってはいるのですが、それ以外の講釈師さんの会も、追っかけてみようかな。昨日は、幸い、南海さんの手ぬぐいをもらえました。
そんなで、週末になりました。これから、また、お出かけです。この土日は、気楽な週末なんで、お出かけ予定で詰まってます。
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