2007年 6月 23日(土)午前 10時 52分
はや1週間が経った。職場にも、週半ばからクーラーが入り、いよいよ夏本番という雰囲気。1年の中で、一番きついときに入ってきています。ただ、この1週間ほどは、疲れた分、その分は睡眠がとれた週でもあった。体の具合を考えると、それが十分だとは言えないが、寝れなかった時期を想い出すと、ありがたい話だと思っている。そんな週を、振り返っておこう。
まず、日曜日からだ。この日は、映画デイとした。京都新京極にある旧弥生座、現新京極シネマリーベに、4時間半近く閉じこもっていた。ここの映画館は、「永遠と1日」「アララトの聖母」という名画を観たところ、時々、こういった映画をやってくれる地下の映画館、この日は、ドイツ映画「ドレスデン、運命の日」と韓国映画「アパートメント」を観た。丁度、この2つが連続して観ることができる時間帯を選んでのお出掛けであった。ホラー映画の「アパートメント」は、韓国映画フリーク化している黄紺も、外そうと考えていたのだが、その直前に観たい映画があったので、ついでに観たってところで、実際観たあとも、やっぱ、ついでの感覚で良かったと思えるB級映画だった。一方、「ドレスデン、、、」は、いろんな意味で良かった。まず、ドイツ映画として、空襲を受けるという被害者の立場から描いた珍しいもの。その空襲の様子が、CGをうまく使ってるのでしょう、随分と生々しく再現されている。更に、空襲により苦しむのは、ドイツ人だけじゃなくて、敵国イギリス人も、ユダヤ人もという描き方、その視点に、制作者の心配りが現れる。人と人との出逢いとか、そんなところに難点がないわけではないが、それを昇華させてしまう注目点がある映画だ。いつまでも、この映画の余韻が残りました。「アパートメント」は、余計だったね、ちょっと欲張りすぎました。
翌日は、繁昌亭のざこば一門会。この会に行く基準は、都丸が出るかどうか、前回は出ず、今回は出るということで、今回は覗いてみた。今回の出番決めは、あみだくじ。それが、とてもいい出番を生んでしまった。結果的に番組は、そうば「?」、都んぼ「秘伝書」、ざこば「一文笛」、(中入り)、ちょうば「昭和任侠伝」、都丸「はてなの茶碗」ということで、そうばのネタを思い出せないのです。飛び切りの秀逸が、都丸の口演。都丸での「はてなの茶碗」は初物だったが、これは、このネタの最高傑作じゃないだろうか? 油屋さんの天然系の悪気のないその辺の人、これが見事に出てる。だから、そんな話はないやろ、そやけど、こんなおっさん、そこいら辺におるでぇの感覚を、客に持たせ、この噺に納得感を与えてしまうのだ。いいものを、しかもトリで出してくれたものである。次に気に入ったのは、ちょうば。なぜ、この人が、このネタを持っているのか分からないままだが、あっさり口調での、やくざのマネのデフォルメが利くのだ、この人。確かに、語り口が得をしている、デフォルメの仕方がしつこくないのがいいのか、不思議な感じがしてしまいます。一方、「一文笛」は、やったぁのガッツポーズを入れたんだけど、なんでだろ? 緊張感が持たなかった? 終盤まで緊張が持続しなかった? そうなんでしょうね、すとーんと決まるべき落ちが、どよよんと落ちたって感じがしたのは、そういうことだったのでしょうか?
翌日も、繁昌亭。この火曜日と、次の水曜日は、仕事が立て込むだろうという予測で、夜遊びの予定は入れてなかったのだが、前日の仕事の進み具合で、急遽、ざこば一門会に行ったときに前売り券を買ったのだった。で、この日の繁昌亭は、「仁福・仁扇 二人会」だったのだが、仁扇は聴く機会の少ない噺家さんということで、これを狙ったが、いろいろとブログ探検をしていると、この日の「出没!ラクゴリラ」がすごかったらしい。やはり、正攻法で選ぶべきだったと思っても、あとの祭りだ。繁昌亭に戻って、番組は、扇平「子ほめ」、仁福「住吉籠」、仁扇「天狗裁き」、(中入り)、仁扇「尿路結石体験記(仮称)」、仁福「寝床」だった。振り返ってみると、地味な会です。仁福は、あまり自虐ネタをふらず、わりかし健気にネタ中心。「住吉籠」は、酔っぱらいのところで、おしまい。「寝床」は、最近よく接する町内周りの報告カット版。仁扇は、どう言えばいいんでしょうか? 弁舌は流れるんだけど、なんか、客席の感性との温度差を感じてしまう。二人会で、漫談はあかんよね。扇平って、かつて、昆松・せん平の1人ですよね? 落語を聴いたのは、初めてです。なかなかセンスはいいと思うのですが、、、。
翌水曜日は、仕事日。夜遊びをしてくるよりは、帰宅は、当然早いのだが、ダウンするのは呆気ない。この頃、夜遊びをしてこないで帰ってくると、簡単にダウンしちゃうんだよね。時間があると思うと、ダウンしやすいみたい。そんなで、翌木曜日は、五条通からちょっとだけ南に入ったところにあるお寺での地域寄席「養蓮寺寄席」に行った。京都であること、主宰者が仁智だということで、よくおじゃまをする会だ。この日は、雀三郎が出るからか、常連さんが遠征したりと、超満員となった。番組は、今井克紀「仕舞:邯鄲」、三幸「初恋」、右喬「平の陰」、仁智「老女A」、雀三郎「船弁慶」だったが、この後の2つが控えた会は、重厚としか言いようがない。そんななかで、右喬の口演が、マクラから気に入ってしまった。天然系のキャラの右喬のボケ・ネタ、要するに、字が満足に読めない体験を疲労した上での無筆物は、ちょっと出来すぎくらいのマクラ。それが、ネタにそのまま移行の雰囲気で、快演となった。うしろの二人の高座は、期待して期待を裏切らないネタだし、また、口演なのは、当たり前って感じがあるので、終わってみると、やたら記憶に残るのが、この右喬だった。そうそう、最後の抽選会で、久しぶりにハンカチだったんだけど、当たりました。
そして、昨日、迷ったんだよねぇ。繁昌亭で、「たまのお囃子のお噺」があったんだけど、番組を見て、今年、2度は聴いたネタばかりだったので、止めたのです。替わりに、雀のおやどであった「桂米二つるはし一夜の宿の会」に行ってきた。「百人坊主」が出るということが、この会のポイントだったが、番組を書いておくと、二乗「道具屋」、米二「持参金」、こごろう「くやみ」、米二「百人坊主」だった。終わってから、感じがいいんだよね、米二の安定感って、オーソドックスなネタをオーソドックスに演じる、その安心感、それを得たいなら米二を聴け、特に、この日の「持参金」が、その典型。展開の妙にアクセントを付ける、ちょっとした声の変化がくすぐりになる、そんな技が冴えるのだ。黄紺は、ごく最近まで、米二が「百人坊主」を手がけてるとは知らなかったのだ。これで、米朝、都丸、雀太に次いで、4人目となったはずだ。おもしろい展開なので、手がけられていいと思うのですが、、、。
週末に入っている。幸い、今週末も、仕事なしということで、いろいろと計画している。体調もいいようなので、楽しい土日を過ごせたらと思っているところだ。
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