チャウダルヒサル写真館





キュタフヤからウシャック方向へ、バスで小1時間行くと、チャウダルヒサルという小さな町を通過する。ここに、古代ローマ時代の古名アイザノイの遺跡が遺っている。日本で紹介されたこともなく、でもとっても素晴らしいものが遺っているところである。黄紺が、その存在を知ったのは、初めてキュタフヤの博物館に行ったときである。ウル・ジャーミの横にあるこぢんまりとした博物館に掛かる写真、そこにはえらく立派な古代神殿跡が映っている。それこそ、アテネのパルテノン神殿を彷彿とさせる堂々とした形が、そのまま残っている。その写真に見とれていると、博物館の人が寄ってきて、それが、チャウダルヒサルのゼウス神殿だと教えてくれた。あまりにも立派なものだったので、そこへ行けるのか、行くには、どうすればいいかを尋ねると、簡単に行ける、バスも頻発しているという。そりゃそのはず、ウシャクからイズミルへ抜ける幹線道路沿いにあるとまあ、今だから容易く言えるのだが、初めて尽くしの頃だったもので、言われるがまま、でも恐る恐る行ったものである。キュタフヤを出ると、やけに殺風景な光景が続いた記憶がある。そして言われたとおりの時間で到着。そして言われた方向に歩き出す黄紺の前に現れたゼウス神殿に、ただただ呆然。こんなにも立派なものが、こういった内陸部にと驚くばかりでした。更に、神殿のみならず、神殿跡の横にはメデューサ像、スタディアム跡、その中央には祭壇跡らしきものも遺っている、そしてその向こう側には、古代劇場跡と、ひとしきり古代都市に必須のものが揃っている第一級の古代遺跡なのである、ここは。




チャウダルヒサルのもう1ついいところがある。それは、数は、そんなに多くはないが、田舎の伝統的家屋群が残っていることである。ゼウス神殿跡から、穀物取引所跡を抜けると、急にトルコの田舎の風景へと一変する。そこから幹線道路までのスペースに、その伝統的家屋群がある。何百年も、アイザノイの古代遺跡群を見続けてきたであろうオスマン時代の人たちのものであろう家屋群。2階の窓からは、干したピーマンがぶら下がっていた光景が忘れられない。褐色の木の柱の色、漆喰壁の家、それにピーマンの黄色に近い色合いが、黄紺の目に鮮やかに蘇らせる夏の陽射しが懐かしい。2002年の夏、大学生になった息子を伴って2度目の訪問をした。この日も、夏の陽射しは強かった。幹線道路の向こう側は、はっきりと新しく変わっていったが、アイザノイ遺跡のある側は、以前のままであった。伝統的家屋群の数は、黄紺の記憶よりかは、随分と少なかった。単なる黄紺の記憶違いだったのだろうか? それとも再訪までの年月の間に消えてしまったものだろうか? 息子は、古代ローマ遺跡は、初のお目見えだったこともあり、えらく感動しておりました。そりゃそうです、あんな立派なものを、初めて見たときに見てしまうと、そうなるというものです。



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