町の中心にカレがある。平地に、しかも、町の中心部にカレがある。その中は、チャルシュになっている。すぐ裏手に、この町一番の賑わいを誇る本格的なチャルシュというか、繁華街がある。その横には、カパル・チャルシュも残る。更に、そのカパル・チャルシュの一角に、最も古そうなチャルシュの中のチャルシュがある。実は、この一番古くからあったと思える一角は、なかなか気付かなかった。黄紺は、2回目のカイセリ入りから、そのすぐ近くで泊まっていながら、気付かなかったのだが、それが、「新しいチャルシュの裏手に潜む古いチャルシュ」↓と記したところだ。まるで、時が止まったかのような空間が、裏手の方に潜んでいた。何か、今後も、カイセリは、地理的な特異性から訪れることが多いと思うのだが、まず、黄紺の足が赴くところは、間違いなく、ここだ。時が経っても変わらないことを祈りつつ、定点観測をしてみたいという誘惑に捕らわれる一角だ。
基本的に、この町は豊かだと感じてしまう。アタテュルク像の前にある大スクリーンに映る映像は、ヨーロッパのそれだ。街中の大通りを横切るために、エスカレーターが設置されたり、そして、1部リーグに、同時に2つのクラブが加わったりと、それを示す指標となるものがある。郊外の精糖工場が、多くの労働者を吸収する役割を果たしているという話を聞いたことがある。その一方で、歴史的建造物が、街の中心部に、でーんと控えている。ジャーミー、カレ、メドゥレセなどなど。それらが、調和しているかどうかは、議論の分かれるところだろうなと思いつつ、分かれてもいい、それが、今のカイセリなんだと思わせるエネルギーのようなものを感じさせる魅力を、この町は持っているのである。 |