トカト写真館



トカト2004年版へ


 トルコに行き始めて、少し様子が分かってきた頃、黄紺の頭の中に幾つかの地方都市の名前がメモされた。例えば、ムーラ、ギレスン、ニーデ、アルトヴィンなどなど。それらは、人づてに聞いたものもあれば、自分で本を読んでいるときにインプットしたものと、頭の中に入った経緯はいろいろだが、そこを目指して行こうなんて考えていた時期がある。何があるか分からないが、地域の中心的な役割を与えられているから行ってみよう、何かあるかもしれないとか、何やら残ってるらしい、あまり日本では取り上げられないけれど、まあ行ってみようなんていうのもある。その何やらが伝統的家屋だったというのが、トカトである。どれほどの規模かは分からない、でもあるらしいという、行くまではその程度の知識であった。このあたりを研究されている方からすれば、なんとも心得違いをしていたものだと、今となっては思うが、実際行くまでは、こんなものであった。息子とトルコを回ったとき、チョルムからアマスヤを経由し、この町に入った。丁度シワスに抜けるのにも、好都合な位置にある。アマスヤからシワスに抜ける道というのは、結構緑も多く、そんなに大きく日本と違った雰囲気はないが、但しあまりないと言っても、あくまでも程度の問題で、他と比べたらという意味だが、そんな環境になれてきた目に、この町は、あまりに異質だ。奇岩とも言えそうな岩肌に見下ろされた街並み。中心部のジャーミーあたりから周りを見渡すと、ただ茫然と立ちつくしてしまう。茫然度は、トルコの中でも、間違いなく頗る高い。そして、お目当ての伝統的家屋は、いやーほんとにてんこ盛りだ。






伝統的家屋

メインストリートを少し内に入った一角、更にメインストリートを両脇から挟み込もうかという岩肌の山というより丘陵に向かって、坂を上っていくと、そこは、何か時間が止まったように、伝統的家屋が残っている。周りの空気も止めてしまってるかのような雰囲気が、そこにある。何か足を踏み込むのが躊躇われるほどの、極々普通の日常生活が営まれ、日常の時間が流れているために、逆に通過する者を躊躇わせる空気がある。ただ、通過する者である黄紺にとっては、奇岩と言っていいほどの岩山を目の当たりにし、なおこの伝統的家屋に触れると、もうたまらないのである。







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