忙中閑あるかな? 黄紺の日々


トルコのこと、キプロスのこと、こんなことを主に、日々思うこと。ときどき、韓国のこと、 日本のことも混じるかも? 仕事に忙しくっても、頭のなかは、トルコのこと、キプロスのこと考えてる。 頭のなかは、いたって長閑。それが、、、、、、

黄紺、なのさ。



2010年 4月 6日(火)午後 11時 8分

  大阪府守口市(18)〜大阪市東淀川区写真集

 今日は、お休みの日なのですが、朝6時に目が覚める悲しい性。ゆっくりと家の用事を済ませ、11時前にお出かけ。外は、とても暖かい。「守口市」駅前で、お昼を済ませ、ウォーキングに取り掛かりました。今日は、ウォーキングのあと、七芸で映画を観ることにしてましたので、淀川を渡り、最終的には阪急京都線のいずれかの駅に到達できればと考え歩き始めましたが、実際には「相川」駅が終点となりました。詳しいコースを書くと、次のようになります。京阪「守口市」駅〜日吉公園〜大阪府立守口高等職業技術専門校〜淀川パークハウス〜豊里大橋〜大宮神社〜豊里中央公園〜大阪府立視覚特別支援学校〜豊里さつき公園〜コスモザ・パークスィート2〜瑞松寺〜松山神社〜江口商店街〜南江口橋〜江口橋〜北江口橋〜相川遊園地〜阪急京都線「相川」駅。今日は、とてもいいお天気のうえ、気温が急上昇。前回まで、陽のあたる道を選んでいましたが、今日からは逆。桜も、まだもっています。少しだけ散りかけてるかなという具合なので、満開とは、今のような頃合いのことを言うのでしょうね。なかでも今日一番の桜は、神崎川沿いの桜並木の桜でした。公園や学校を、地図でたどりながら歩くと、必ずといっていいほど、桜を見つけることができます。それが、この季節のウォーキングのこつですね。
 「相川」から、次の予定地七芸のある十三までは、阪急京都線で簡単に移動。七芸では、今、韓国映画特集を組んでいますので、その内の一本を観ようというものです。黄紺のような時間のある者をターゲットにしてるのでしょうか、一日に三本ずつ上映しているにも拘わらず、三本目が終わるのが4時半頃となっています。今日、黄紺が観たのは、「ビバ!ラブ」という映画。いわゆるアジュマ(おばさん)と若いイケメンのお兄ちゃんとの恋という凄いものが取り上げられました。なんでも、材料にして、エンターテイメントにしてしまう韓国映画の力強さみたいなものを感じさせる映画です。ただ、このアジュマが恋をしたのは、自分の家が経営している下宿人。アジュマには、夫もいれば、妙齢の娘もいる。更に、驚きの設定は、恋をした二人の間に、子どもまでできてしまう。夫は慌てます。他に女を作っているのですが、自分のことは棚に上げ、家族の崩壊の危機を感じます。親と折り合いの悪かった娘も、家族の崩壊の危機とばかりに家に帰ってきます。ですから、一つの家族の物語にもなっているのです。そして、この映画の採った結論がおもしろい。家族を維持しつつ、妻の男の存在を認め、一回り大きな家族として生きていくというものでした。ちょっと常識をずらした展開を見せますから、ところどころに、現実か らすると滑稽なシーン、台詞が出てくるのが楽しい映画です。ただ、自分的には残念なことなんですが、序盤のところで、ウォーキングの疲労でダウンをしてしまったために、アジュマと青年が、なぜ惹かれあったのかを示す場面の記憶がないのです。この映画には、結構重要な部分かと思うところが飛んでいるというのは、痛い話です。主役のアジュマを演じるのは、キム・ヘスク。「ファム・ファタール」「天国への扉」などに出ていたかわいいアジュマ役の似合う女優さんです。
 十三から梅田経由で、南森町に移動。夜は繁昌亭です。今夜の繁昌亭は、「忘れないでね笑子〜落語ローバル〜グローバルなネタ特集」が行われました。笑福亭笑子が、シンガポールに移ることになり、明後日の出発を前に繁昌亭で自分の会を持ったのでした。普段、笑子と交流の深い噺家さんが、笑子のリクエストに応えたネタを披露してくれました。番組は、ぽんぽ娘「十徳」、たま「憧れの人間国宝」、染雀「宗論」、笑子「グローバルな腹話術」、あやめ「義理ギリコミュニケーション」、(中入り)、鶴笑「グローバルな鶴笑ワールド:西遊記英語版」、全員で座談会(司会:三金)「世界を笑わす芸人とは?」、笑子「ザ・宿替え」というものでした。たまのネタは久しぶり。死体に、お囃子入りで三番叟を踊らせるというのが入ってきました。人間国宝認定式では、天皇の口振りまで入れるサービスぶり。言葉がうまく出ない師匠からの聞き取りは、程よい長さ、混ぜっ返しのパターンの工夫は聞きやすいものとなっていました。笑子の腹話術は、今回はスタンダップで。人形はマイケル・ジャクソン。最後は、釣り竿に釣って振り回すという鶴笑顔負けの仕掛けが用意されていました。染雀とあやめは、鉄板ネタ。染雀の「宗論」を聴く度に、マクラの陰陽の話は、キリスト教を出す場合には合わないだろうと、いつ聴いても思ってしまいます。鶴笑が、ついに英語版を披露してくれました。言葉の工夫や、英語版にしか入れないくすぐりがあったりして、とっても新鮮。世界で受け入れられるのは、目先のおもしろさだけではないということが、よく解りました。トリネタは、かなり改作。笑子自身の家庭を思わせる、国際結婚カップルの「宿替え」でした。日本マニアのゴンザレスが、長屋に引っ越すという設定でスタート。この改作のバタ臭さは、笑子らしいところと言っていいところまで、持ってきました。帰国当初の感性の違いからすると、格段の進歩です。爽やかな口舌も、然りです。おもしろいキャリアを持ち、且つ、色物としても貴重な笑子が去っていくのは残念と思っていたら、5月の繁昌亭の昼席に笑子の名前が。このくらいのペースで帰ってきてくれるのなら、OKっていうところです。




2010年 4月 6日(火)午前 0時 40分

 今夜は、久しぶりのというほどではないのですが、韓国から帰ってきてからは、初の芝居でした。場所は、ABCホール。劇団公演というのではなく、伊藤えん魔プロデュース公演と銘打たれ、縁の美津乃あわや国木田かっぱという役者らに加えて、赤星まさのり、宮部謙次という、他の劇団の看板俳優を加えての公演。「モテハン・オンライン」という題名の芝居で、見終わったあとの満足感は、頗る付きのいいものでした。バーチャル空間の中に、現実の人間、ゲームのプレーヤーが入り込み、自分が作り出したキャラとともに、敵に立ち向かうという物語ですが、この芝居のユニークなところは、現実にいる人間を、プレーヤーのいいようになるようなキャラに変えてくれ、仲間とともに、経験値を上げていったり、ジョブ変換をしたりで戦いを進めていくというのが一つ。更に、戦いを進めていく中で、頼りないプレーヤーが、経験値が上がっていく中で、人間としての成長を遂げ、他者との関係が向上していく点、そして、敵というものを、ゲームソフトに仕込まれた敵ではなく、コンピューター・ウィルスとするという発想がおもしろく、キャラ同士の戦いではなくなったこと、となると、誰が、どうして、どえらい敵を倒すのかとなると、勇者の役割を果たしていた男が、実は、ウィルスバスターだったというわけです。一回しか使えない、このシテュエーションを思いついたのが、この芝居を成功に導きました。また、台本を書いた伊藤えん魔は、コンピューターに精通しているのでしょうね。その辺の知識が、ストーリー展開に奥深さをもたらしています。引っ張って引っ張ってしていく材料を持ち合わせているというのはすごいです。エンターテイメントとして、最高の部類に入れていいほどの楽しさいっぱいの芝居でした。




2010年 4月 4日(日)午後 11時 16分

 今日は、とってもいいお天気。絶好のお花見日和でしたが、花見を前日に済ませた黄紺は、今日は、昼前からは文楽、夜は繁昌亭と、古典芸能に親しむ日でした。文楽は、空いている夜に行くものと決めているのですが、入れ替えなしの通し狂言の場合は、昼の部に行かざるをえません。今回の通しは、「妹背山婦女庭訓」。昼の部は、「初段 小松原の段・蝦夷子館の段」「二段目 猿沢池の段」「三段目 太宰館の段・妹山背山の段」が上演されています。ここでの話は、蘇我入鹿が、父親の蘇我蝦夷を落とし入れ権力を手中に入れ、権勢を奮うところです。そして、その中で、二人の若い男女が犠牲になります。それは、まるで「ロメオとジュリエット」です。二人の男女というのは、久我之助と雛鳥。二人が出会い、あっという間にいい仲になるのですが、二人の家は宿縁の間柄という「ロメオとジュリエット」なのです。その間に竿を差して、二人をし死に追いやる話がクライマックスというのが今日のハイライト。それに、采女伝説が絡みます。猿沢池に身を沈めた能「采女」の話です。その采女が、藤原鎌足の娘という設定が、何やしら後半の展開と関係がありそうです。また、鎌足の息子淡海が父親から勘当されていたのが、天智帝に許されるという「猿沢池の段」が挿入されているのも気になります。どうやら、後半の主役は、藤原淡海で、入鹿を征伐する話へとなるようなのです。更に、三作石子詰めの話も大きく取り上げるようで、なんか奈良関係の有名逸話がてんこ盛りです。話は戻りますが、本日のハイライトは、当然、久我之助と雛鳥の死ですが、ここが、なるほど、この狂言を有名にしているという納得の段です。「妹山背山の段」です。背山側が久我之助の館、それとシンメトリーな位置にあるのが妹山。こちらが、雛鳥のいる館です。この二つを、吉野川が分けているというめっちゃ解りやすい設定。それが、舞台で表されます。しかも、太夫さんも、常の位置のシンメトリ?なところにもう一つ太夫さんが出ます。こちらもヴィジュアル的に、対置した位置に据えられるものですから、余計 に、ロミオとジュリエットになります。そして、太夫さんが、片や住太夫、もう一方は綱太夫。これも、すごい配置。しかも、満開の桜です。そして、場所は、奈良と和歌山の県境。山桜が、今を盛りと咲き乱れている中で、なんとも悲しい展開となります。ですから、余計に二人のせつなさ、悲しさが際立つ舞台です。文楽、やってくれます。後半も楽しみにしておきます。やっぱ、有名な演目って、何やらそれなりの舞台になってるものです。
 文楽のあとは、日本橋駅上のネットカフェで、2時間近くの時間調整。あと30分あれば、通常のウォーキングを入れたのですが、今日は、自粛です。そして、夜は繁昌亭。今夜は、「レスキュー遊方〜訳あって引越、何かともの要りな遊方に愛の手を!〜」がありました。出演者全員が、遊方作品を口演するという、とっても魅力的な会です。その番組は、たま「マッシュルーム」、花丸「GORO」、三風「戦え!サンダーマン」、遊方・染め弥「蔵出しうちわ話」、(中入り)、鶴笑「パンチ!パンチ!パンチ!」、あやめ・染雀・三金・邦正「遊方出世大作戦!」、遊方「憧れのひとり暮らし」というものでした。遊方作品を、他の人が演じるという試みって、とってもおもしろいものがありました。遊方からすると、受ければ嬉しい反面、作者であると同時に演者でもある遊方にとっては、演者としての力量を問われている雰囲気になるようで、微妙なところだったようです。特に、たまと花丸は、下げを変えてしまってたので、人一倍気に病む性格の遊方は、いじられる材料にされていました。鶴笑のネタも、遊方の代表作の一つ。鶴笑は、それを40枚の紙芝居に仕上げました。1枚1枚の絵は、線画でしたが、40枚というのは大変なこと。よくやってくれます。この中で、「マッシュルーム」と「憧れの一人暮らし」は、初遭遇じゃないかな。「GORO」というネタは、聴いていて、昔、茶臼山時代に、やりにくそうに喋り出した遊方を思い出しました。たまにせよ、花丸にせよ、三風は止めておいた方がとは思いますが、この二人は、遊方からもらって、自分の持ちネタにすればいいのにと思うほどの出来でした。そして、トリを務めた遊方は、噺が終わると、見台を、横に回し、会場に対し、更に噺家仲間に対し感謝の言葉を述べたあと、45歳にして結婚することを報告して、会場からやんやの大拍手を受けていました。そんなで、とっても楽しくて、いい気分にさせてもらえた会でした。




2010年 4月 4日(日)午前 7時 19分

  大阪市遊歩(46)写真集

 昨日は、午後をワッハのライブラリー活用の日にしようという計画を立てていましたので、午前中にウォーキングを済ませ、スムーズにワッハに移動できるようにとの計画を立てました。ウォーキングのコンセプトとしては、花見とドッキングを考えて、今を盛りと咲く桜を楽しみながら歩こうと考えました。そないななか、人混みを厭わず、大阪城を目指すことにしました。詳細なコースは、次のようになりました。京阪「千林」駅〜旭大宮郵便局〜旭消防署〜西大宮橋〜旭高校〜御幸南児童遊園〜高倉中学校〜大阪市立都島屋内プール〜東都島福祉会館〜京橋グリーンハイツ〜都島区民センター〜JR東西線「大阪城北詰」〜片町橋〜地下鉄「大阪ビジネスパーク」駅〜新鴫野橋〜大阪城公園〜地下鉄「森ノ宮」駅。「千林」から「京橋」当たりに到着したときには、もう1時間を、そこそこ越えており、大阪城内に入り、何を勘違いしたのか、すぐ近くまで行きながら、大阪歴史博物館横には出られないと考えてしまい、また、森ノ宮方向に引き返すという恥ずかしい行動を取ってしまい、結局、地下鉄「森ノ宮」駅到着が、ジャスト2時間ということになりました。大阪城というところは、花見の名所と聞いていましたが、そういったことからでしょうか、初めて、桜の季節に、城内を歩きましたが、そないに言うほど多くないなの実感でしたが、さすがに、人出は大変なもので、外国人の顔も、随分と目にすることになりました。外国の人からすると、大阪城って、どのように見えるかななどと考えてみたのですが、天守閣がコンクリート造りなのはともかく、でも、大規模な石積みは、かなりのインパクトはあると看ました。堀端の石積みは、黄紺の目にも、驚きの規模です。なんとも魅力のあるポイントであることを再認識しながらのウォーキングとなりました。
 「森ノ宮」からは、堺筋本町経由で日本橋に移動。ワッハに向かうときは、大概このコースです。具合のいいネットカフェがあり〜のに、食堂があり〜のなのです。昨日、昼間にワッハに行ったのは、資料館での視聴覚ライブラリーを見るのが目的です。黄紺は、それを、上方亭のライブに、お気に入りの噺家さんが出るときにすることにしています。これからは、時間があるので、もうちょっと利用する機会は増えていくはずですが。昨日の上方亭ライブは、吉の丞「遊山舟」、吉坊「崇徳院」というもので、吉の丞は、お囃子の入るところを、うまく台詞の言い換えで乗り切りました。吉坊のネタが長くなりそうと、たっぷりのマクラを含めて、22分で降りました。吉坊の「崇徳院」は聴き物。非常にきれいに流れ、メリハリもついており、非常にいい出来。冒頭の若旦那とのやり取りで、熊はんの脳天気ぶりが、しっかりと描かれることの大切さを思い知りました。ここが、どれだけ自然に、客の頭の中に描かれるかにより、後半の行動をわくわく感で見られるか、いやそうでないかの分かれ道なんでしょうね。それが、この日の吉坊は、きっちりと仕上がっていたということなのです。このライブの前1時間を使い、「枝雀寄席」の映像資料を視聴。ゲストのミヤコ蝶々との対談に続いて、「仔猫」の視聴。めちゃくちゃうまい枝雀に、唖然です。顔の表情の、僅かな変化で、状況の変化、心情の変化を察知させます。まさに名人芸です。おなじみのネタを、今後、枝雀で再チェックしてみようとの意欲が湧いてきました。上方亭ライブ後は、NHKの映像資料から、春野百合子「新釈南部坂」、天龍三郎「三河屋甚兵衛」を視聴。そのあと、再び落語に。読売テレビの映像で、橘ノ円都「掛け取り」を視聴。更に、時間の関係で、最後までは見ることができなかったのですが、林家染丸「お紺殺し」を視聴しました。昨日のハイライトは、浪曲はさておき、橘ノ円都。橘ノ円都の映像資料が残っていることを知らなかった黄紺には、宝物となる映像でした。橘ノ円都89歳の映像なのですが、およそそないな歳とは思えない口演で、且つ、「掛け取り」というネタの原型を残してくれています。やって来る借金取りは、順に、@浄瑠璃好きA唄好きB喧嘩好きC洒落好きというもので、最後の洒落好きのところで、すとんと落としてくれました。このままの原型を受けつぐ噺家さんがいてもいいんじゃないかとも思う内容で、決して古臭いと感じさせられないものです。染丸の「お紺殺し」は、未遭遇なもので観てみました。講談からの移植ものなんですが、染丸だったからかもしれませんが、落語でもいけるじゃないかと、いや、落語だから、怪談のクレッシェンドが可能だと思いながら聴いておりました。クライマックスに差し掛かったところで、お時間となりましたので、次回は、続きからです。で、浪曲。毎回、春野百合子の資料を、1つずつ観ることにしています。「新釈南部坂」は、講談の「雪の南部坂」とは構成が違います。講談の方では、内蔵助が帰ったあと、陽成院は、連判状を見て決意を知るとなっていますが、浪曲では、その部分がなく、討ち入り後の寺坂吉右衛門による報告部分が入ります。浪曲は、エッセンスを掻き集めるというのが特徴ですが、このネタは、上記のような形で掻き集められたということです。「新釈」と着いていますから、ノーマルな「南部坂」が、浪曲にはあるのでしょうか? 春野百合子の口演は、もう冒頭部分の荘重な節に、もう痺れっぱなし。ホントにすごい浪曲師さんです。黄紺が見た映像資料は、NHKの東西浪曲名人会のもの。他の出演者に、天龍三郎が入っていましたので見てみました。この人の軽妙さが気に入っているのです、最近。90歳代に入って、軽妙さに関心を持たせる人なんだから、70歳代の前半と思しき映像だとという期待で見てしまいました。こちらも期待通り。次回は、天龍三郎の他の映像資料も探してみます。
 そして、夜は、楠葉で、昔の同僚と呑みました。一つの節目を迎えると、それを契機に呑む機会が増えています。おまけに、家でも呑みますから、ちょっと調子がよくありません。呑みすぎに注意です。ですから、日曜日の朝のお酒は慎んでいます。




2010年 4月 3日(土)午前 3時 28分

  大阪市遊歩(45)写真集

 今日は、3日間勤務になってから、初めて働かなくていい日。これから、そういった日は、家の片付け、ウォーキング、それにお楽しみのお出かけの三つに使いたいと考えています。今日は、お出かけが、午前中の映画、この時間帯にしかないという映画でしたので、ちょっと変則的にタイムスケジュール。映画のあとにウォーキング。そして、夕方には家に戻り、片付けに勤しむという設定にしました。まず行き先は、十三の七芸。今朝は、こちらで、台湾映画「海角七号」が上映されました。京都や大阪で上映されてきていたのですが、うまく時間的折り合いがつかず、今日に至っていたところ、まだ七芸で上映しているということを知ったのです。ストーリーは、二つの話が展開していきます。一つは、現代の話で、町おこしに、地元の人間でバンドを作ろうと考える町の顔役、それに見いだされた人たちの活動ぶりに、プラス、そのイベントにかんでいる日本人女性スタッフとバンドメンバーの恋の行方、これが一つ。もう一つは、主役の男が、郵便配達をしているのですが、その中の郵便物を開けてしまい、その中味というのが、太平洋戦争中、台湾にいた日本人男性が、台湾に残していった恋人にあてた60年ほど前の手紙でした。その手紙の朗読が、当時の再現場面が入りながらなされる場面が、時々挿入されていきます。これが二つ目です。ですから、この二つが、どのように絡んでいくのか、それが気になる映画です。何か、現代の人物たちが、時空を超えた存在なのかと、そないなことまで想像を巡らしたのですが、そうではありませんでした。もっと単純なもので、バンドの本番の直前に、手紙の宛名の女性の居所が見つかり、手紙を届けるというだけで、二つの話が絡むというだけでした。でも、この手紙の話が入ることにより、B級映画的雰囲気に、ちょっとした深みが出てきて、街おこしと恋物語という話自体も、なんか気になってしまうです。不思議な雰囲気を持つ映画でした。
 映画が終わると、十三で食事。当然ながら、そのあとのウォーキングは、十三を起点にスタートです。あまり十三などというところをスタート地点にする機会はありませんので、コース設定を考えたのですが、今日は、西淀川区に向かい、少しだけ尼崎に入ってみようじゃないかと考えてみました。詳しいコースは、次のようになりました。第七芸術劇場〜十三フレンドリー商店街〜八丁橋交差点〜御幣島東公園・西淀川区民ホール〜歌島公園〜神崎大橋〜左門橋〜阪神電車「杭瀬」駅〜後野公園〜小田南公園〜辰巳橋〜阪神電車「千船」駅〜千船大橋〜神崎大橋南詰〜千舟2丁目交差点〜JR東西線「御幣島」駅。最後は、帰りのことを考え、「御幣島」駅にしたかったために、阪神電車「大物」駅のそばまで行きながら異なったコースで、「御幣島」へ戻ってきました。この地域は、海に近いところということで、川が枝分かれしながら走っています。今まで、テレビでしか知らなかった、防災対策が施されているのを見るにつけ、怖ろしくなっていきます。神崎川の堤防の高さ、潮の逆流を防ぐための大防潮システム、こんなのを、間近に見たことのなかった黄紺にとっては、ただただ驚きです。あまりの規模の大きさにです。このあたりに住んでいる人からすると、このくらいあれば大丈夫だろうでしょうが、そのへんのかげんの解らない黄紺にとっては、そういった施設を見るだけで、そこへさして大きいものですから、たじろぐばかりです。そんなのを見るのが、自分的には珍しいものですから、工場と倉庫街なんですが、このあたりを歩くのが好きな黄紺なのです。




2010年 4月 2日(金)午前 7時 2分

 31日(水)は、午前中、ウォーキングをしてから、お昼頃に、前の職場に最後の出勤。そして、夜は、この2年間、同じ部屋で働いた方たちと、ミニ食事会。夜10時頃までお喋りをしていました。それに先立つウォーキングの記録は、次のようなものです。アップのし忘れです。

  大阪府寝屋川市(19)〜高槻市(1)〜摂津市(2)写真集

【ウォーキングの記録 31日(水)】  天気は、あまり良くありませんし、相変わらず気温が低く、手袋が欲しくなるほどでした。コース的には、久しぶりに、摂津市内を歩こう、淀川新橋を渡ってみようという漠然とした構想で歩き始めました。詳しいコースは、次のようになりました。京阪「香里園」駅〜寿商店街〜太間北交差点〜新日之出橋〜太間橋〜太間天満宮〜西王寺〜淀川新橋〜柱本交差点〜鳥飼高校〜鳥飼仁和寺大橋〜摂津市立鳥飼図書センター〜さくら公園〜一津屋交差点〜摂津市立味生公民館〜モノレール「南摂津」駅。「香里園」から歩き出して、「南摂津」駅まで、一応、頭の中でコース設定をしていたのですが、一方で、毎度のことながら、自分的には欲張ったかなと思いつつ歩いていたのですが、実際には、一津屋交差点までで、1時間半ちょっとで行けました。「香里園」駅から柱本交差点までが、45分くらいで行けるので、こないな結果になるのでしょうね。柱本は、高槻市内です。すぐ横に、鳥飼高校がありますから、てっきり、橋を渡ったところは、摂津市内と思い込んでいました。で、柱本交差点だったので、ちょっとびっくり。高槻から柱本には行ったことはあるのですが、淀川の対岸との位置関係がわかってないということが、このウォーキングで判りました。それにしても、鳥飼高校って、あと一歩というところまで、高槻市に近づいていたのですね。柱本は懐かしいところです。昔は、建物も少なく、すかすかだったのにと、僅かに残っている記憶にたどり着いていました。

 そして、昨日から、新しい職場。前夜、したたかにワインを呑んでいたのだが、夜中に目が覚め、僅か2時間の睡眠で、新しい職場に。昨日から、新しい世界が始まりました。週3日だけ働くことになりました。夜は、繁昌亭。今夜は「福笑と異常な仲間たちVol.3〜アブノーマル人物伝〜」がありました。この会は、3回目となりますが、ここまで皆勤です。今回は、懐かしい加川良を迎えて、繁昌亭でライブをやってもらおうというもの。番組は、たま「くっしゃみ講釈」、福笑「刻うどん」、(中入り)、加川良ライブ、福笑「宗教ウォーズ」というものでした。たまの「くっしゃみ」は久しぶりでしたが、またまたグレードアップ。前半のからくりのところを長めに取り、実態的に、八百屋での奮闘が、相当な時間を要したことを納得させてくれました。そして、長くなれば、たまからすると、くすぐりを挿入する機会が増えるということ。それが、楽しみになるくらいのたっぷり感が生まれるほど堪能させてくれました。後半の講釈の場面も同様。唐辛子を買ったあとの、ギャラリーとの交流が傑作。ちょっとしたマイムで笑わせてくれました。これは、素晴らしい「くっしゃみ」となりました。福笑の「刻うどん」、初物のはずです。たまのオーバーアクションは、師匠伝来のものだったことが判明。もうやりたい放題っていうところです。「宗教ウォーズ」は、実に久しぶり。もうマクラから、日本人の宗教感覚を笑い飛ばすところから始まったのですが、ネタに入ってからも、神社とお寺の遺恨試合が、延々を続きます。まるで、ヤクザの抗争です。もちろん、それに擬せて噺を展開していくのが、福笑の手法。もう堪能しまくりの会でした。もちろん加川良のステージを含めてですよ。




2010年 3月 30日(火)午後 10時 25分

  京都市遊歩(11)写真集

 今日も、有給休暇を取り、のんびりと自分の時間に使いました。午前中は、家事をして、午後からウォーキング。今日は、京都を久しぶりに歩いてみました。特段狙いがあったわけではなく、近くに所用があったので、それに合わせて歩いてみたというわけです。大きな通りでは、十条通・旧千本通・御前通・五条通を利用しました。五条御前から京阪「五条」駅までの間隔を、頭の中で計り損ね、所要時間は、1時間17分となりました。詳しいコースを記すと、次のようになります。京阪「伏見稲荷」駅〜勧進橋〜鉾立公園〜近鉄「十条」駅〜十条旧千本交差点〜羅城門遺祉碑〜京都九条病院〜蓮華寺〜西七条架道橋〜円光寺〜梅林寺〜安養寺〜松尾神社御旅所〜西蓮寺〜網敷行国衞天満宮〜京都市立病院〜京都回生病院〜中堂寺交番〜長圀寺〜寳蓮寺〜勝光寺〜京都市地下鉄「五条」駅〜京阪「五条」駅。今日は、寒いです。3月の末とは、到底思えない寒さです。でも、歩いていると温もってきます。その温もり方は、こないに寒くとも、真冬のそれではないですね。ウォーキングのあとは、一旦、家に戻り休憩です。夜の部は、京都ですから、ネットカフェではなく、自宅で休憩となったわけです。
 夜は、ホントに久しぶりに狂言会です。京都文化芸術会館で、「第127回狂言三笑会」があったのです。「三笑会」というユニットは、茂山家の高弟三人の会です。網谷正美、丸石やすし、松本薫の三人です。更に、文化芸術会館の開館40周年を記念する会でもあり、超稀曲「松脂」の上演が行われました。番組は、素囃子「三輪〜白式神神楽〜」(笛:森田保美、大鼓:谷口有辞、小鼓:曽和尚靖、太鼓:前川光範)、狂言「松脂」(松脂の精:正邦、亭主:茂、太郎冠者:童司、立頭:逸平、立衆:島田洋海・増田浩紀・井口竜也・山下守之・松本薫)、狂言「吹取」(男:宗彦、何某:千三郎、女:鈴木実)、狂言「連歌盗人」(甲:丸石やすし、乙:松本薫、何某:網谷正美)というものでした。「松脂」は、当然、お囃子が、そのまま残り入ります。また、「吹取」の笛も、専門家がいますから、森田保美が務めました。「松脂」は、予想していたように、祝言曲だと思えば、いいんじゃないかな。だから、観ていておもしろいというものではありませんから、途絶えていたのでしょうね。また、「松囃子」という習慣自体が忘れ去られるなかでは、曲自体の意味が通じなくなったからでしょう。ストーリーは、松囃子を囃していると、松脂の精が現れ、薬煉(くすね)になろうと舞い納めるというものです。「吹取」は、御夢想のお妻もの。妻乞いをするときに笛がアイテムとして使われるというのが特徴。笛の吹き手が必要ですから、これも、なかなか出会えない曲。お囃子が入る会特有のものです。笛の教え手が、笛のことをすっかり忘れて、風流に浸るところがおかしいですね。千三郎が、その辺、うまいです。「連歌盗人」は、1時間近い大作。盗みに入る男二人が両シテと言っていい曲。網谷さんが引いて、丸石・松本の二人に譲った配役。盗人が、盗みに入ったことを忘れちゃわけじゃないでしょうが、盗みに入った場所で、発句を披露し合う風流がおかしいです。ただ、外が寒いからでしょうか、このあたりになってくると、会場内は、かなり高温に。かなり目にきつく、喉が渇きました。




2010年 3月 30日(火)午前 8時 30分

  大阪府枚方市(8)〜寝屋川市(18)写真集

 韓国に行く前に、2度ほど呑み会がありました。そないな関係で、韓国へ行く前に、こちらへの書き込みはお休み状態。なんせ、お酒が弱くなり、簡単に寝てしまいます。2回の呑み会も、呑んでる途中で寝てしまいました。実は、その呑み会は、ともに黄紺が主役的位置なのにです。と言いますのは、3月でもって、今までの職場を離れるため、同じような人がもう一人いますから、同じ部署で働いていた者同士、帰り道に一杯となったのが1回。もう1回は、前の職場の人たちが、一つの区切りを迎える黄紺のために用意していただけた会なのです。にも拘わらず、寝てしまったのです。そんな酒が溜まったままで、韓国に行きましたから、旅行中は、基本的には酒断ちですから、いい酒抜きになったということです。20日(土)は、職場を去るための荷物の整理に1日使い、21日(日)〜27日(土)が韓国、28日(日)は、息子に車を出してもらい荷物の移動。新しい職場に荷物を持っていくと、日曜日なのに、前の職場の元同僚が出勤して、お仕事をしてはった。もし、そういったことがあったらなぁと思っていたら、正に、そうなりました。前の職場の人たちには、ホントに世話になり放しの黄紺です。閉まっている部屋を開けてもらい、無事、荷物を搬入できました。こういった荷物の搬出・搬入というときは、息子は、ホントに、よく動いてくれます。いいやつだと、また思ってしまいました。
 そして、29日(月)です。昨日のことです。昨日は、もう、これまでの職場には用はないので、有給休暇を取り、繁昌亭三昧の日としました。その前に、これも、定番のウォーキング。ウォーキングの前に、ちょっとだけ、枚方で所用があったため、ついでにということで、枚方市駅を起点に、コースを設定しました。ただ、昨日の午前中は、驚く天気の変わりようで、まさかの雨に遭い、それも、束の間に晴れ渡り、もう大丈夫かと安心していると、再び黒雲が覆い出すという具合でした。そして、それに伴う気温の変化もあり、なかなか気難しい天候の下でのウォーキングとなりました。で、最終的なコースは、次のようなものとなりました。京阪「枚方市駅」〜北大阪労働基準監督署〜枚方市立南部生涯学習市民センター〜京阪バス「香里橋」停留所〜ピーコックストア「香里ヶ丘」店〜京阪バス「新香里」停留所〜京阪バス「香里ヶ丘」停留所〜成田山不動尊〜成田公園〜国松北口交差点〜新報国橋〜大阪府寝屋川保健所〜京阪「寝屋川市駅」〜寝屋川右岸道路〜友呂岐緑地〜京阪「萱島」駅。ウォーキングを続けていると、季節の変化を、しっかりと認識できます。今は、五分咲きくらいの桜です。桜を見かけると、ついつい写真を撮ってしまいます。成田公園や友呂岐緑地の桜が、今日は、印象に残りました。今度の週末が、見頃なんでしょうね。ちょうど気温が、かなり低くなっていますので、うまい具合に、桜の方は、長持ちをしてくれるでしょう。
 京阪「萱島」駅からは、京阪で北浜へ。谷町線が不通だとか、朝のテレビで言ってましたので、念のために北浜から南森町に向かいました。ちょっと早すぎるかと思いながらやってきたのですが、そんなに早すぎるというものではありませんでした。昨日は、福笑がトリということで、昼席に行こうという気になったのでした。その番組は、福丸「東の旅・発端」、歌之助「桃太郎」、文昇「紀州」、ワンダフル佳恵「奇術」、純瓶「いらち俥」、米二「貧乏花見」、(中入り)、鶴笑「紙切り」、勢朝「佐々木裁き」、風喬「大安売り」、福笑「はははぁ家族」となりました。福丸がトップということは、入門から3年が経ったということです。繁昌亭では初遭遇。初々しく、「発端」で登場とは嬉しい。歌之助のこの位置は、入門時期を考えると、通常の位置。昨日の客層は、地方から、しかも、年齢が高いからか、歌之助の仕込みに、鈍い反応。むしろ、マクラよりかネタの方に、笑いが高いものがありました。文昇の仕込みの方が、客にはわかりやすいみたい。自分的には、この人の瓢逸としたところが、わりと好きで、「紀州」っていう地語りで推移しながら、軽いわかりやすいギャグを割り込ませていくっていうのが合ってますね。純瓶も定番、舞台裏を一周してくる演出は、毎度、大受けです。だから、こればかりに当たっちゃいます。そのあとに上がった米二はやりにくそう。でも、安定して口演に、ぐいぐいと引き込まれます。くすぐりに、シナモンなんかが出てきて、ドキリとさせられました。こういうのが、生のおもしろさ。季節感溢れるグッドタイミングのネタ選びに、大満足です。鶴笑は、昨日は「紙切り」だけ。「浦島太郎」「ミッキーマウス」「似顔絵」の三つという、こちらも定番だが、鶴笑のしゃべりに酔わされました。勢朝は、鶴笑とかぶるキャラを避け、昨日は、立派過ぎる本格派の顔。「佐々木裁き」のベストの一つになるだろう勢朝の口演は、お時間に合わせて、小さく刈り込みながら進行しました。風喬は、勢朝の高座の空気を変えるかのように、大きめの声で軽めの噺で、トリの福笑にバトンタッチ。久しぶりの「はははぁ家族」に当たり、月曜日を選んだ効果が出ました。ただ、聴いていて、「はははぁ家族」を、以前に聴いたときとは、だいぶと違う噺のように聴こえてしまいました。単に、黄紺が忘れてしまったからなのか、検証することはできませんが。いずれにしても、不眠症の噺なのですが。終盤の、眠気を喚ぶ祈りを、いろんな宗教で試みるというハチャメチャさは、福笑ならではの天衣無縫さであり、福笑の知性なんでしょうね。昼席は、繰り返しは、ある程度覚悟の上で、でも、10組の出演者の皆さんの見本市的な楽しみがあるので止められません。
 繁昌亭昼席が終わると、夜席に備えて、いつもの南森町のネットカフェで、時間待ち。昨日は、この時間帯を使って、GWのお出かけ情報収集に勤しんでおりましたが、あまりいい成果は残せませんでした。ところで、昨夜の繁昌亭の夜席は、「雀松・市馬 二人会」がありました。ビッグな二人会が企画されたものです。番組は、雀五郎「刻うどん」、雀松「般若寺の陰謀」、市馬「大工調べ」、(中入り)、市馬「長屋の花見」、雀松「愛宕山」というものでした。予めネタ出しをされていたのは、「大工調べ」と「愛宕山」の二つだけ。もう、それだけで、飛びつくには十分な情報でした。トップの雀五郎は、珍しく落胆させる出来。噺が小さいし、動きも小さ過ぎました。うどんを隠して食べる素振りをするところ、うどんを食べるところ、台詞回し、いずれをとっても、縮こまった感じでした。雀松の「お楽しみ」は、想定外の「般若寺」。新作物でくるとは思っていなかったのです。主人公の坊主は、何者だったのでしょうね。それを明かさないで、謎を深めるだけ深めておしまいにするという着想が秀逸です。軽く軽く流れる雀松の口演にはうってつけの作品です。ところが、その流れに流れる口演が不発に終わったのが「愛宕山」。序盤の野がけのところは、テンポを落として、陽の温もりを感じされて欲しいし、かわらけ投げ以後は、表現に濃さがあって欲しかったなの印象です。雀松らしい口演だと思う一方で、うまくフィットしないネタじゃないかなと思わせられました。市馬の方は、「大工調べ」が、奉行が出てくる前に切られてしまいました。ネタの長さからすると、致し方のないことと思いますが、そこで切られると、大家さん、棟梁、与太郎の三人しか出てきません。この噺の暖かさの半分は行ったかなで、お時間の関係とはいえ、残念な切り上げでした。棟梁の立て弁がいいですね。ここで、急にテンポが崩れます。そこに、棟梁の怒りが、真正面から出てくる仕掛け、市馬のいいところでしょうか? 与太郎物を好きではない黄紺ですが、ここでホッとしてました。東京物の与太郎物、これで、ちょっと引き気味になってしまうのです、黄紺は。「長屋の花見」は、昼席で、米二の「貧乏花見」を聴いていますから、丁度いい比較ができました。まして、茶柱が立つところで、両者とも切り上げましたから、解りやすい比較ができました。「長屋の花見」の方は、大家が主宰するんですね。でも、しぶちんで、お茶けだし、たくあんの卵焼きだしと、、、これが、おもしろくないですね。長屋の者で行くから、いいかげんなものしか用意できない、それが合理的な展開というものだと思ってしまいました。ですから、「貧乏花見」の方がえげつない、それは、理の当然というものです。終わってみて、一番気に入った口演は、「般若寺」だったかな? 「大工調べ」が、最後まで聴ければ、また違ったでしょうが。




2010年 3月 16日(火)午後 9時 48分

 暖かいです。どんどんと春になっていっています。今朝は、いつもより出勤時間が30分も早くなった日。通勤時間が長い私には、なかなかきつい。替わりに、勤務時間は、30分早くなるんだけど、30分早くなっても、夜遊びに行くためには早過ぎるので、結局、職場で時間つぶし。アホみたい。で、今夜のお出かけは、「第191回天満講談席」。先日、ご自分の会で、丸札を出された南華さんも、声の調子を半ば快復されて出演されました。番組は、南舟「雷電の初相撲」、南海「親鸞上人一代記」、南華「赤穂義士外伝〜山岡覚兵衛の妻〜」、南鱗「鼓ヶ滝」というものでした。南舟でこのネタは、3回目くらいになるんじゃないかな。手の動きなども、とっても自然になってきて、相変わらず上達の一途をたどっています。本日の目玉として出かけたのが、南海さんの高座。宗教関係の偉人伝的なものは、自分的には初物だったことに加えて、やはり南海さんだったら、おもしろいものにまとめてくれるだろうの期待がありますから、楽しみにして出て行って、ここでダウンをしてしまったのです。伏見の日野の出であるとの出自に関する話しか記憶がないのです。原因は、南海さんがおもしろい試みをしたからだと思います。フラットなメロディーっぽいものをつけて、全編読み通したからです。昔の宗教法話は、こんなだったとの注釈をつけての口演となり、これは、まことにもって心地よい眠りを誘ってしまいました。南華さんのネタは、先日の会と同じもの。今日も、いい話だと感慨にふけっていました。夫婦間の問題に、毒のある言葉でコメントを付けるところが、南華さんの口から出てくるたびに、笑ってしまいました。タイムリー過ぎます。「鼓ヶ滝」は、落語にも取り入れられているネタ。もちろん、講談が先にありきのネタです。今日の南鱗は、珍しく危なっかしい場面が数カ所。肝心要の歌のところで間違ってはいけません。一睡の夢であったという趣向は、講談としては珍しいんじゃないかなぁ。




2010年 3月 15日(月)午後 10時 36分

 今日も、ハードな一日でした。なんせ3時過ぎに起きてから、あまり寝てないものですから、きつくってきつくって。夜遊びも自粛かと、自分的にも納得だったのですが、やはり夕方になると、むずむず。なんてことで、今夜は、徳徳亭であった「とくとく寄席〜左(the)らくご〜」に行ってまいりました。たまの会が、近くであったのですが、最近よく聴いているネタを出してましたので、徳徳亭に回りました。番組は、團次郎「狸賽」、米左「宿屋仇」、(中入り)、米左「百年目」というもので、長講二席が売りの会でした。團次郎は、自分的には初物。期待をかけていい素材との評価が、ネットなんかに流れていましたので、楽しみにしていました。確かに聴き終わってみて、納得の噂です。間合いがいい、テンポもいい、自然なくすぐりがいいと、なかなか楽しみな人であることは間違いありません。いろんなネタを聴いてみたいと思わせる噺家さんになりそうです。米左の「宿屋仇」が、とっても良い出来。まず、こないな当たり前のことを、誰もやってこなかったなと思わせたのが、宿屋に入ってくるなり、兵庫の三人連れはやかましいのです。部屋に入ってから騒ぎ立てるやつって、いつもやかましいという当たり前のことを、米左は見せてくれたのでした。なんか落ち着きのない三人。こういった男たちだったら、迷惑も省みずやっちゃうだろうなの雰囲気、とっても合理的です。敢えて注文を言うと、侍に、もうちょっとわけありげな重たさがあればと思いました。それに対し、「百年目」は、するりと過ぎていった感じかな。冒頭の番頭の小言の陰と、そのあとの花見の陽が、一つの対比にはなってないっていう感じなのです。「宿屋仇」で見せた人の本性のようなものが、番頭を通じて、あまり感じられなかったのです。むしろ旦さんの優しさ、暖かさは、よく理解できました。番頭の本性がはっきり出たという感じがないので、終盤の旦さんの言葉に、素っ頓狂な声で応対させるしか、米左には仕様がなかったのだろうなと思ってしまいました。桜ノ宮の花見の場面も、張られた幕の外から花見をしているようでした。米左が、マクラで、「春のぬくもりでも出れば」と言ってましたが、「宿屋仇」では、おつりが出そうなものを感じましたが、残念ながら、「百年目」では、そういうわけにはいきませんでした。




2010年 3月 15日(月)午前 5時 00分

  大阪市遊歩(44)写真集

  昨日は、気温も上がり、明るい一日。昨日も、ウォーキングは、午前中に設定しましたが、絶好のウォーキング日和となりました。昨日は、先週同様、午後からの行動を考え、西区方向を目指して歩き始めました。詳しいコースは、次のようになりました。京阪「淀屋橋」駅〜地下鉄「肥後橋」駅〜中国南方航空〜地下鉄「本町」駅〜阿波座南公園〜台湾料理店「味軒」〜日生病院〜大渉橋〜松島公園〜伯楽橋西詰〜大阪ドーム・大阪ガス発祥の地碑〜岩松橋北詰〜大阪ドーム岩崎港〜辰巳橋交差点〜中国料理店「ハルビン飯店」〜波除公園〜安治川大橋〜西法寺〜西貫島架道橋〜住吉神社〜グッティー此花商店街〜四貫島中央通商店街〜森巣橋〜鶉宮〜阪神なんば線「伝法」駅。先週は、松島公園に行くまでに、1時間くらいのコース設定だったのですが、昨日は、約40分で到達。念願の安治川大橋越えを再現できました。安治川を越えてから、「千鳥橋」駅まで行ければ十分かと思っていましたところ、それでも、時間にゆとりがあるようでしたので、「伝法」を目指しました。ほんの僅か2時間を越える時間で、このコースを歩くことができました。絶好の天気でもあり、いいウォーキングができました。
 「伝法」駅から、阪神なんば線で、駅三つ移動。「九条」駅で降り、シネ・ヌーヴォで開催されてる方の「大阪アジアン映画祭」に行ってまいりました。こちらでは、「追悼ヤスミン・アハマド監督」と題し、先般亡くなったマレーシアの女流監督の作品、また役者として出演した作品が上映されています。彼女の作品は、2年前でしたか、集中的に上映された際、幾つかは観ていますので、今回は、昨日の午後の一本としました。ただ、前に観たときに感じたのは、とにかく時間の流れがゆったりとしているというか、それに解りにくいというか、そないな映画なもので、ウォーキングのあとに観るというので、とにかく不安を抱えて行ったところ、その余計な不安が当たってしまいました。幸い、終了後、この映画のプロデューサーを迎えてのトークが設定されていましたので、中身が判ったという次第です。高校生の女の子が妊娠をした、堕胎するのかしないのか、その辺のいざこざから、女の子とその友人を、三人で殺してしまい、自らも、オートバイの 事故で亡くなってしまうという結末と言えばいいかな。ふとした入れ違いが、大変な悲劇を生んでしまうという映画だと、あとのトークで言ってましたので間違いないと思います。それが当たっていたとしても、そんなのっておもしろいとは思わないよなと、軽く突っ込んでしまいました。そんな感じかなという思いで行き、まあ、マレーシアだということで喜んで次へと急ぎました。
 「九条」から、今度は地下鉄で、「恵美須町」に移動。今度は、「in→dependent theatre 1st」であった「MASTER:D#3.6 」という劇団の芝居を観に行きました。映画のあとトークがあった関係上、幸い時間調整の必要なく、ちょっと買い物をしただけで、直で芝居へと行くことになりました。「バットスプリングハズカム」という劇団は、初めてですが、関西の小劇場界で、結構名の知られた役者さんが客演として、出演されてましたので、新しい劇団開発の観点で行こうという気になったのでした。芝居は、三本の物語が、ほんの僅かずつ絡みながら進みます。むしろ、三本は別々の独立した話で、かする程度に、話の頭と最後に絡むと言えばいいかな。そして、それぞれに客演の役者さんを配するという仕組みになっていますので、客演の役者さんとの稽古がしやすいように構成されていると言えばいいでしょう。三本の話は、「眠るということに問題を抱える作家と医者」「臭いの専門家を利用する麻薬の密売人」「強盗と職人技を身に付けた鍵職人」という具合で、狂言回し役で、事件性のある話では、特に出番が増える二人の刑事となっています。三つの話には、全く連関性があるわけではありませんから、余計に役者のスケジュールに合わせたなの印象ばかりが残り、ちょっと不快。おまけに、テレビのギャグっぽいのを入れて楽しませようというところまで見えてくるので、余計に不快感を感じてしまいました。次回公演の告知までありましたが、五分五分ですね、良く言って。
 実は、この週末の予定が、変化に富んでいたので期待が高かったのですが、どうも、自分の失敗も含めて消化不良のきらいがあります。期待が大きすぎたのかな、そないなところかもしれません。この週末で、一番の満足は、三喬の「鹿政談」を聴けたこと、これは間違いありません。




2010年 3月 14日(日)午前 6時 12分

  大阪市遊歩(43)写真集

 年度末も、押し詰まってきました。自分的には、最後の1週間を残すところとなりました。そのあとは、日本を1週間離れ、息子に車を出してもらい、荷物の整理を手伝ってもらったらおしまいです。4月からは、全く異なった立場で、仕事が続きますが、その場所は、どこなのでしょうか。その場所も、日本を離れる前に判っているはずです。そないななか、また、鬱陶しい天気のなか、昨日も、午前中にウォーキングを持ってきて、午後からのお楽しみに備えました。昨日も、午後に行くところを考えてのコース設定。一つの目玉として、大阪城公園の中を抜けてみようという、とってもベタな計画を立てました。で、実際に歩いたコースは、次のようになりました。京阪「森小路」駅〜新森小路橋〜北関目公園〜興勝寺〜今福商店街〜三郷橋稲荷社〜新喜多橋北詰〜(寝屋川右岸)〜京橋〜大阪城公園(北外堀・桃園・旧ウルトラマーケット・砲兵工廠跡碑)〜ピース大阪〜森ノ宮ピロティホール〜中道4北交差点〜サンクス・ホール〜丸一橋〜地下鉄「今里」駅。途中、小雨のぱらつく鬱陶しい天気。一時、本格的に降り出す気配すら見せてくれました。しかも、それが、大阪城公園内ということで、なかなか遮るものがなく、かなりあせってしまいました。なんとか、本降りにはならず事なきをえました。大阪城公園内を、ウォーキングのコースに組み込むのは、初めてのこと。やはり活用しなければならない気分の晴れるところです。もっと、天気のいい日に、どんどんと活用していきたいものです。これは、寝屋川沿いに歩くときも、同様です。最初の計画では、地下鉄「玉造」駅が適切な終点かと考えていたのですが、ごく僅かですが、時間が余りそうだったもので、「今里」駅に行くこができ、思惑通りの時間内に到達することができました。季節感という観点から言えば、大阪城公園の中の桃園の桃が満開でした。桃の満開などというものを、この方見たことがありませんでした。いや、桃園と書いてあるから、桃だと判ったのだと思います。形状を見て、正直、桃と桜の区別がつかない恥ずかしい黄紺です。ただ、季節的に、桜は早いだろうってことで、桃かなっていう感じでしょうね。いいものにお目にかかれました。
  「今里」から、移動は、地下鉄で3つ。日本橋で降り、食事をしてから、ワッハに向かおうというわけです。ところが、日本橋でご飯を食べている途中に、大変なことに気づいたのです。全く、自分の動きが1時間遅いことに気づいたのです。ワッハの公演の時間は、きっちりと押さえているのに、計画がずれてしまっており、ここまで気づかないという低汰落だったのです。そのワッハであったのは、「柳家喬太郎・笑福亭三喬 二人会」というビッグな会。補助席も、いっぱいいっぱい出る大入り満員の会。それを、序盤の40分を逃すという、とんでもない失態です。番組は、喬太郎「反対俥」、鯉橋「宿替え」、三喬「鹿政談」、(中入り)、喬太郎「お節徳三郎」、三喬「まんじゅう怖い」というものでした。渡されたプログラムだと、「ご祝儀」として鯉橋が記されていましたが、喬太郎がトップで出たようで、それは、聴けませんでした。なんてことなんでしょう! 黄紺が会場に入ったのは、鯉橋の口演の途中。大阪版を聴き慣れていると、濃さが足りないというか、それが東京スタイルなんでしょうね、どうしても物足りなさを感じてしまいます。ここまでボケ倒す噺は、大阪弁でないと似合わないですね。三喬の「鹿政談」が、なかなかの出来栄え。素噺的要素の強いネタ、そこに、どれだけしょーもないくすぐりを解説的に入れたり、我に返させたりする、そういった手腕は、三喬にとってはお手の物だけに合うのでしょうね。最初は、お奉行さんの出てくるネタって、人に合ってるかなぁなんて思ってたのですが、そうじゃないところで、上手に運びます。今聴ける「鹿政談」ベストじゃないかなぁなんて思いながら聴けました。むしろ、「まんじゅう怖い」の方が、いなされた感じがします。こちらの方が合ってるんじゃないかと思ったものですから。さすが、「お節徳三郎」のあとに、これを置くのはきついらしく、「お節徳三郎」のあとに、「小中入り」をとっていました。三喬の「まんじゅう怖い」は、徹底的に軽いというのが特徴でした。嫌いなものシリーズでも、軽く軽く運びます。おやっさんの「怖い話」まで軽いのです。ここまでで軽重がつくと、光ぁんが出てくるまでに、たっぷり感があるのが、このネタ。それがないのが、三喬の「まんじゅう怖い」でした。ですから、余計に「お節徳三郎」の前にするべきでしょうと思ってしまいました。で、お目当て喬太郎の「お節徳三郎」。大きく三つに分かれます。序盤の丁稚とのやり取り、中盤の刀屋の場面、そして終盤のお節徳三郎二人の死への道。このなかで、バツが悪いのかなぁ、それとも、サービス精神旺盛なのかなぁ、丁稚とのやりとりで、この噺の枠を示すところで、ベタのボケギャグを入れました。これは、気に食わなかったなぁ。徐々に、丁稚が口を開いていく、それだけを楽しめばいいんじゃないかなぁ、そないに思ったのです。刀屋の場面では、徳三郎は、「殺す」と思ってるわけです。どうしても、序盤の残滓に支配されてしまい、そこまでの緊迫感を感じさせないのです。従って、思い詰めた二人の再会での緊迫性が薄まってしまいます。一旦は戻れと言う徳三郎ですが、一緒に逃げます。そこの熱さを表現する言葉が欲しいですね。「手に手を取る」、この一言で雰囲気は変わると思います。心中の場面に美を感じました、これは、喬太郎のツボなんでしょうが、それに、華を持たせるために、二人の熱さを感じさせて欲しいなと思ったのです。「お節徳三郎」なんてネタを、大阪で聴ける幸せを噛みしめながら、自分の低駄落が情けなくってねぇ。
  ワッハのあと、千日前のネットカフェで、小1時間の時間調整。そして、南森町経由で、ABCホールに向かいました。「大阪アジアン映画祭2010」が行われているからです。今回は、他の予定との関係上、ABCホールでの上映会は、昨夜だけ行くことができました。昨日の夜の部は、インド映画「デーヴ D」の上映がありました。裕福な家に育った男が、一つの噂を信じたために、最愛の恋人を失い、デリーで刹那的な生活を送り、もう一人のヒロインである娼婦と出会うという物語です。ストーリーは、至って単純。インドでの大ヒット作品で、且つ、インテリ層に受け入れられたというヒット作だそうです。確かに、今までのインド映画の、歌って踊っての場面が、突如入るというおおらかさはありません。歌と踊りが、筋立てに、うまくはまるように入っています。娯楽性の高い映画では、初遭遇です。ただ、あまりにも、筋立てが単純です。そして、主人公の男の行動が、単純すぎます。あんなので、別れてしまうのと、人物の描き方も単純すぎます。なのに、なぜ、これが、インドでヒットしたかというと、インド人の既成観念が揺さぶられたからでしょうね。自転車に乗って、男と密会する女、ドラッグをする人たち、娼婦館、禁制の酒場という具合で、それを映像化したというのが、原因なのでしょうか。それに加えて、音楽と映像の組合せの新鮮さでしょうか。インド映画を変える可能性のある作品ということですの、インド映画好きの黄紺としては、その辺を見守っていきたいと思います。




2010年 3月 13日(土)午前 5時 59分

 昨日は、仕事が遅くなり、予定していた繁昌亭の開演時間をだいぶと過ぎてから、職場をあとにすることになりました。昨夜の繁昌亭夜席は、「五代目 桂文枝一門会」があったのです。毎年、文枝の命日に合わせて開かれる会です。繁昌亭に着くと、ちょうど、かい枝がネタに入ったところ。あとから出てきたきん枝によると、出番を予定されていたのは、五代目文枝門下の15人(三枝、文珍、小枝、枝曽丸、こけ枝を除く15人)。その15人で、お茶子を含めて、何らかの形で、抽選を行った模様。それで決まった出番に基づく番組と言っても、判るのは、3人目から(お茶子は阿か枝)。その番組を記すと、かい枝「お玉牛」、(中入り)、きん枝「孝行糖」、文喬「天神山」となります。かい枝の「お玉牛」は、以前に聴いたことがある。だたけものらの戯言が、土の香りがするいい雰囲気で描かれます。長閑で、からっとした空気が流れています。なかなかの出来栄え。かい枝の実力が伺える好演でした。きん枝は、定番ネタ。トリに当たっていても、これじゃないかと思うと、ちょっと寂しい。きん枝のあとに現れたお茶子は、文福。白塗りをして、女鬘をかぶって現れる、文福らしいご愛嬌。一門会らしい雰囲気が流れます。文喬は、マクラで、自分の病気を言い出したので、「研修医山田一郎」かと、がっくりときたのですが、実際のネタは、「天神山」。一門会のトリに相応しい、また、この季節に相応しいネタです。そして、これがめっけものの口演でした。胴乱の安兵衛が、狐狙いの男に出会う場面が、とっても気に入りました。しゃべり続ける安兵衛が、天然なのである。糸が切れたように、頭に閃いたことを、何ら、頭の中の他の回路を通さずに、すぐに口から出てしまうという雰囲気が、素晴らしいのです。ですから、狐を捕まえた男に、「さあ、喋れ」と言われても、何も残ってないのが、とっても納得できるのです。今日の満足度一番は、文喬の演じたこの場面でした。終わったのは、9時を、2〜3分過ぎていました。その時間になり、ようやく晩ご飯を食べることができました。




2010年 3月 12日(金)午前 0時 25分

 今日も、肩こりからくる背中の痛みが出るほど、一日中、パソコン三昧の仕事。ちょっと離れている体力勝負の仕事が懐かしい。で、今夜は、ワッハの4階であった「第49回南湖だんご〜旭堂南湖話術研究会〜」に行ってまいりました。2日連続の講談会です。南湖は、この日曜日から、四国のお遍路の旅に出ますので、その前の最後の会じゃないかもしれませんが、少なくとも、黄紺が聴けるのは、今日が最後となります。そないなことで、今日の南湖は、何かに憑かれたように、講談を4席も演じ続けました。いつもは、用意したネタ以外にも、近況報告や社会的な出来事をネタにマクラを、ふんだんにふるのですが、今日は、そないなものは、かなり抑え気味に、講談を読み続けました。その4席とは、「坂本龍馬」「拝領の首」「赤穂義士銘々伝〜木村岡右衛門・前〜」「出世の纏」。この中で聴いたことのあるネタは、南湖自身で聴いた「出世の纏」のみという新鮮なもの。ただ、これはと思うおもしろいネタは、「赤穂義士」の物語。「銘々伝」「外伝」と、なんとおもしろい物語が詰まっているのでしょう。この「木村岡右衛門」も、そないに知られた義士ではありませんが、話としては、おもしろい。今日の話は、赤穂で、初めて、大石が仇討ち話をしたメンバーに入っていた木村岡右衛門が、酔った赤穂藩の侍になじられ、刀まで抜かれたために斬り殺してしまうという事件を起こしてしまう。大事の前ということで、木村岡右衛門をかばう同士、父の仇ということで、木村岡右衛門を付け狙う実子との緊迫したやり取り。また、潔く討たれるべきと考える木村岡右衛門を、大事の前ということで、これを押しとどめる同士の緊迫したやり取りと、聴かせどころが多く、かなり楽しませてもらえます。後編では、討ち入り成功直後に、仇と狙う息子と木村岡右衛門が再会するようです。登場人物の価値観には、到底着いてはいけませんが、それを了解事項として聴けば、ホントにおもしろい。「坂本龍馬」ということで、今日読まれたのは、龍馬の人生そのものとか、業績に関わるものが語られたというものではありません。土佐藩で、上級武士と下級武士の対立の中で起こったトラブル、殺し合いに関し、龍馬が武士道を説く物語と言えばいいかな。簡単に、殺し合いが起こり、簡単に腹を切ります。武士道を説いて、その不条理を収める、後味がよくありません。「拝領の首」は、福島正憲の家臣で、非常に臆病な侍の物語。戦場では、草むらに隠れているので、ご主君が、自分で刈ってきた首を、その侍にあてがうと、よせばいいのに、その臆病者が自慢げに話したがる。となれば、ばれるというのが定番というもので、小品です。「出世の纏」は、奔放な細川の殿さんが、銭湯で見つけたいい男を、細川家の纏い持ちにして、その格好の良いところを見せて喜んでいる。殿さんに可愛がられると、一方で妬みも生まれる。このいい男は、ふんどしを切られる。あられもない姿で街を歩いたために、殿さんは、自分のお抱えのものが、そのような姿で歩くということは、自身が恥をかかされたと考える。どこまでも、自分勝手な考え方。ここも、ついていける話ではない。お手討ちとなるところ、最後の言葉で、殿さんが目覚めることにより、救いが待っていますが、そこまでいかないと解らないのかとの突っ込みを入れたくなっちゃいました。




2010年 3月 10日(水)午後 9時 27分

 昨日は、家に直行。そして、熟睡。かなり疲れがたまっているようです。自分の熟睡度で、疲労の具合が分かります。今日も、昨日同様、お目めがかすむほど続くデスクワーク。まいりました。一つの仕事は片付いたのですが、新たにたいそうな仕事が回ってきました。ま、予定通りなんだけど、これは、気の重い仕事。てなことで、今日も、かなりのお疲れ模様。そないななか、天満橋駅近くのビルの一室で行われる「旭堂南華 はたちの会」に行ってまいりました。番組は、「赤穂義士銘々伝〜山岡覚兵衛の妻〜」「曽我物語、その4」と発表されていました。「曽我物語」を続けられてからは、初めておじゃましたことになりますから、少なくとも、ここ3回は行ってなかったと確認しました。この会は行きたいんだけど、開催の情報を掴めなかったり、また、掴めても、そんなに前じゃなく、既に他のチケットを買っていたりのパターンです。そないで久しぶりとなったわけです。ところが、今日の南華さんは、風邪をひき、声を完全につぶしていました。客よりも、ご本人の方が気にされており、また、実際にも、途中から呟き講談にならざるをえなかったため、今日は、「曽我物語」はやらないで丸札となりました。こういった事態は、初遭遇。噺家さんにせよ、講談師さんにせよ、よく喉の管理に気をつかわれているという話は耳にしますが、口演を続けられないほどという事態に陥ったというのに遭遇するとは思ってもいませんでした。そう言えば、黄紺自身も、風邪が完治しておらず、他人事ではありません。「山岡覚兵衛の妻」というネタは、初めて聴くものです。それもそのはず、南華さんによると、旭堂の一門で、このネタを手がけるのは、ご自分だけとか。山岡覚兵衛は、義士一党に加わりながら、討ち入り前に病死してしまう気の毒な人。だが、遺品を整理していた妻(片岡源吾衛門の妹)が、討ち入りをするつもりだったと知り、自分も加えてくれと、大石に直訴をする。ちょうど、大石が、遊里で遊びまくった時期である。あまりの真剣さに、大石も、腹を割った話をして、吉良の屋敷に側女として仕え、屋敷内の地図を手に入れることを求め、また、山岡の妻も、それに応えていく。最後は、討ち入り当日の話となり、当人の活躍が主に描かれます。このネタ、なかなか聴ける話です。演じ手がいないということに不思議な感じがしてしまいました。




2010年 3月 9日(火)午前 5時 8分

 昨日も、仕事をめいっぱいして、もう目がかすんでしまうほど。今日までに、今の仕事にメドを立てないと、明日には、また、新しい仕事が入ってきてしまう。1週間前には、あれほど時間があったのに、うまくいかないものです。で、昨夜は動楽亭。「第50回できちゃったらくご!」があったものですから外すわけにはいきません。出番は、毎回恒例のジャンケン。その結果に基づく番組は、次のようになりました。なお、昨日は、福笑が特別出演。新作のネタ下ろしの場所は、こちらと決まっているようです。三金「日米相撲場風景」、あやめ「大奥出世物語」、たま「美女と野獣」、福笑「素人板場」、(中入り)、南湖「透視眼鏡」、遊方「ルーキーズ・スリル」、三風「ジェネレーション・エレジー」というものでした。三金は、東京で行われた「円丈一門vs三枝一門三題噺対決」で作ったネタのリニューアルということで、トップの出番に。三つのお題というのは、「普天間基地・朝青龍・JAL」だったそうで、昨日は、JALは外しますと言ってから始めました。普天間基地問題を、日米相撲対決で話をつけようというものですが、アメリカ代表が、曙らで引退メンバー、日本代表がモンゴル勢ということで、なんかぼやけている。また、相撲対決ではなく、クイズ対決だったりで、それもぼやけてしまっており、実際の対決は、結果だけ伝えられるということで、そこでも、ぼやけているということで、ちょっとおもしろみに欠けました。あやめのネタは、大奥二作目。今度は、大奥で働く、一番身分の低い女性が、上様のお目に止まっていくというストーリー。当然、それに対する嫌がらせがありのと、らしい話が出てきて、どのようにまとめるのかと思っていると、「半ばです」と言っておりました。続けるつもりなんでしょうか。だったら、期待しちゃいます。たまは、「美女と野獣」を上演するミュージカルで、客寄せのために、いろいろと舞台上で起こる惨劇を楽しむという趣向と言っていいかな。前半は、「美女と野獣」というミュージカルの説明に、随分と時間がさかれていました。その前半と後半のつなぎが、ごちゃついた感じがして、なんかもったいない感じ。劇団四季の演じるミュージカルや落語ネタを応用したくすぐりなんかが、タイミング良く決まったりでおもしろく聴いていたので、ごちゃつきを、なんとか整理して欲しいですね。福笑の新作は、前半がお好み焼き屋の場面。ここで、主役の二人が、意地を張り合い暴れます。これが傑作。後半は、店を変えてしまいます。魚をさばかせたいのでしょうね、福笑は。こちらに来ると、言葉尻を捉えるボケ合戦、突っ込み合戦になってしまいます。ちょっとベタなボケが続き、かなり食傷気味。お好み焼き屋が、めちゃくちゃおもしろいものですから、なんとかならないかなぁ。この新作を生かすも殺すも、後半にかかっています。南湖作品が、本日の一のお気に入りです。「誕生日」「コアラ」に次いで、胸キュンものです。甘酸っぱさの残る小品です。雑誌でいかがわしく宣伝してある透視眼鏡を買った高校生が、自分の好きな彼女を透視眼鏡で見ようと、エッチなことを考える。そして、実際に、それをしようとしたのですが、何も見えないことを知っている彼女は、ある素っ頓狂な行動をとるというもので、なんか、青春の雰囲気が出ていて、気に入ってしまいました。遊方作品は、スリのビギナーが、師匠の許しも得ずにスリ行為を行ない捕まってしまう。痴漢と間違えられた男は、スリの方がましな犯罪として、スリをしようとしていたと自白、だが、なかなか信用してもらえなく困っているところへ、保護者を名乗り、スリの師匠が現れ、「実は、こいつはアホなんです」と言い出し、警察も、それまでの男の不思議な行動を看て納得していきます。この辺の流れに、正直、「与太郎」的扱いが出てきて、不快感上昇の一途でした。ここは、なんとかしてほしかったな。三風作品は、まるで、「寝床」です。部下に信用されない中年課長。自分の誕生日のパーティには、誰も現れない。それを、言い訳めいた感じで伝える係長の物言いは、まるで、「寝床」だと言うのです。そこへ、一人、その課長の働きぶりがいいとして、このパーティ会場に現れる人物がいます。一人、起きている「寝床」の丁稚を連想させます。課長も、気に入り、お付き合いを願うのですが、、、。ここで、ひっくり返す下げとなります。やっぱ、「寝床」です。こうして考えてみると、この日の出来栄えは、南湖に軍配が上がります。本人は、「エロ講談」だと言ってましたが、とんでもございません、青春賛歌です。あやめの作品が、どう出来上がるのかは見たいし、たまの作品に、魅力を感じつつ、整理整頓が必要かと思ってしまいました。




2010年 3月 7日(日)午後 11時 9分

  大阪市遊歩(42)写真集

 今日は、朝から風邪気味で、やたらと体が重く、節々が痛い。昨日あたりから、喉も痛かったので、間違いなく風邪。おまけに二日酔いで、そちらの方からも、頭が痛い。ウォーキングのコース探しも、雨じゃないとき用には用意していたのですが、雨が降ると、淀川越えなどはやりたくない。ちょっと、体調のことを考えて、止めるという選択肢も考えたが、昨夜は、かなり自分としては、多めに食べ、呑んだという意識があるものですから、ウォーキングをして、酒の毒気を払いのけようと、ウォーキングに出かけました。午後は、繁昌亭の昼席に行くことになっていましたので、終点を、JR東西線「海老江」駅と決め、昨日に続き、アーバン・ウォーキングを試みました。詳細なコースは、次の通りです。京阪「天満橋」駅〜韓国料理店「海鮮」〜OSAKAしごと館〜葭屋橋〜インド料理店「Bhojan」〜タイ料理店「Bootsarin」〜ハワイアンショップ「Hula」〜中国銀行〜地下鉄「四ツ橋」駅〜地下鉄「西大橋」駅〜地下鉄「西長堀」駅〜伯楽橋〜河村瑞賢紀功碑〜安治川地下トンネル〜JR環状線「野田」駅・地下鉄「玉川」駅〜地下鉄「阪神野田」駅・阪神「野田」駅〜JR東西線「海老江」駅。「天満橋」駅から「西長堀」駅で、1時間かかり、その後のコースを、どのようにとるか、歩きながら考えていました。一時は、伯楽橋を渡らないで、中之島の西端部に向かおうかとも考えたのですが、それは、余りに消極的と排除し、とにかく伯楽橋を渡り、安治川大橋は、さすがに避け、安治川トンネルを利用すれば、「西九条」駅がすぐですから、とにかく環状線や阪神電車のいずれかの駅に行けるだろうと判断し、安治川トンネルに向かいました。環状線だと「天満」駅から10分歩けば、繁昌亭に行けますし、また、阪神電車だと、梅田に出て地下鉄に乗り換えれば大丈夫との判断です。ところが、地図を見ると、安治川トンネルの西九条側入口からJR環状線「野田」駅に行く近道を見つけたのが大きく、最終的には、東西線「海老江」駅へ、ジャスト2時間で行くことができました。此花区を、少しは回ろうと すると、スタート地点を、もっと西に持っていかないとダメですね。日曜日で、表を歩いている人は少ないうえ、寒空で雨模様という、なんとも寂しいウォーキングでしたが、ウォーキングが終わると、風邪は吹っ飛んだ感じ。体の内から、体のだるさを吹き飛ばした感じです。
 「海老江」から東西線で三つ目が、早くも「大阪天満宮」駅。余裕がありすぎる到着となったため、お昼を食べたあとは、輪茶輪茶庵で、雨をしのいでいました。今日は、吉の丞が、繁昌亭大賞輝き賞をもらった記念の週。中トリ前に出るのがお目当てで行ってまいりました。番組は、まめだ「寿限無」、竹丸「相撲場風景」、達瓶「狸賽」、TASUKU「パフォーマンス」、吉の丞「七度狐」、枝三郎「僕たちヒーローキッズ」、(中入り)、米平「立体紙芝居:西遊記」、福郎「アメリカ人の恋」、三若「一人静」、春之輔「質屋芝居」というものでした。まめだのまともな落語を聴いたのは、初めてとなります。ひやひやしながら聴いていましたが、無事、笑いをとるところでは、笑いを取っていました。竹丸は、相撲に関する蘊蓄を語り、ネタに入るとさらりと下りていきました。子どもを肩車する親、キセルの火玉を飛ばした人、背の高い人に困ってる人、この3つが演じられました。達瓶の途中あたりから、今日はあやしくなりました。ただ、今日は、飛び飛びにといったところ。この後、枝三郎、福郎と、ダウンの時間は飛んでいきます。なんか、こちらの気が現れているみたい。達瓶という人は、なかなかお目にかかれない人ですが、なんか、噺家さんという雰囲気じゃないですね。TASUKUは、マジックがベースに、ジャグリングやバルーンショーをする人。顔を風船に入れて、その風船を膨らまし、ついには割ってしまうという、ぎょっとするパフォーマンスを見せてくれました。お目当ての吉の丞は、この位置に出てきても、全然、遜色がありません。大きく見えました。ただ、このネタは、黄紺は評価してないのです。前に聴いたときも感じたことを、今日も思いました。パンパンに張ってる風船みたいな元気よさ、勢いがありすぎるのです。針でも持っていって、ぷしゅっと空気を抜きたいくらいです。枝三郎のネタは、三弥の、よく出すネタとして、頭に入っているのだけど、全然、何のネタか判らなかったのです。要するに、それだけダウンしていたということ。「立体紙芝居」は、前口上から片づけまで、全て仕込まれていて、それを聴くのも楽しいです。ネタは言うことなしでおもしろい。福郎のネタは、モルガンお雪をベースにした噺とか。三若は鉄板ネタ。春之輔には、びっくり。こういった型を披露しなくてはならない芝居噺をするとは、全くノーマークでした。ただ、芝居を演じるときの体の動きが、とっても頼りない。最近、やりだしたのでしょうか? 吉の丞のおかげで、思わぬものに遭遇できました。
 繁昌亭がはねると、今日も、南森町のネットカフェで、1時間余りの時間調整。夜は、心斎橋で韓国映画「悲しみよりもっと悲しい物語」を観ました。題名からして、韓国映画臭が濃く、主演がクォン・サンウ(「美しき野獣」「恋する神父」「天国の階段」など)でなければ、まあ映画館では観なかったかもしれません。でも、見終わった今、言えることは、わりかしめっけもの的感覚を覚えています。終盤に入るまでは、不治の病ものという韓国映画らしい、やっぱり臭い映画だったかと思っていたのですが、この映画、倒叙ものだったのです。終盤に入るまでは、クォン・サンウ演じるケイと呼ばれる男の視点から描いています。それが、終盤に入るまでは、そのペースで行きますので、映画全体を覆う真実だと、観る者に植え付けられます。ただ、その中に3ヶ所だったかな、あれっと思う、要するに、我々が信じ込まされていることとは違う台詞が挟まれていますが、流れは、そうではありませんから、直に忘れてしまい、映画が誘導する方向へと導かれていきます。ですが、その3ヶ所の台詞が、あとの種明かしのところで、証明材料に使われていきますから、とても巧妙な仕掛けを挿入していると言っていいでしょう。そして、終盤に入り、今度は、イ・ボヨン(「ゲームの女王」「卑劣な街」など)が演じる女の目線で、ポイントポイントを捕まえながら、同じ出来事を描いていき、この男女二人の真実、そして、まだ描かれていなかった二人の行く末が明らかにされていきます。そこで、初めて題名の「さらに」の意味を了解できるのです。クォン・サンウが、こないな映画で、見事に役割を果たしきっていて、とても素晴らしいです。また、相手役のイ・ボヨンの溌剌とした姿、演技が印象に残ります。恋愛を描きながら、一方で、性を意識させないという演技が求められる難しい役どころを、見事に演じきっています。二人ともに。脇を固める歯科医役のイ・ボムス(「花嫁はギャングスター ソウルウエディング」など)、その元婚約者のチョン・エヨンも、なかなかはまっています。その女性カメラマンが、最後あたりで、花の鉢を三つ並べるところが、なかなかいいですね。奔放な女性の中に、何が起こっているようで、印象に残りま したね。倒叙ものがお好きな方には、お薦めしたい一品です。




2010年 3月 7日(日)午前 7時 29分

  大阪市遊歩(41)写真集

 今日は、朝から雨。暖かであることは暖かなのですが、昨日に比べると、暖かさはおとなしいでした。来週は、寒の戻りとか。このままというわけにはいかないんですね。今日は、雨の中、傘をさして、午前中にウォーキングを行いました。お昼からのことを考えて、大阪市内中心部を南北に縦断。天王寺から平野を目指そうとの方針で歩き出しました。この方面は、久しぶりの設定でしたが、その詳細なコースは、次のようになりました。京阪「北浜」駅・大阪俵物会所跡碑〜イタリア料理店「ドン・キショッテ」〜インド料理店「SAGAR」〜韓国料理店「吉祥庵」〜韓国料理店「Tei」〜大阪府南警察署〜島之内教会〜ウィング・フィールド〜東堀橋〜韓国料理店「グロリア」〜シアトリカル應天院〜天王寺公園・大阪市立美術館〜JR環状線「天王寺」駅〜天王寺高校〜JR阪和線「美章園」〜近鉄南大阪線「北田辺」。雨が、天王寺公園にさしかかったときには、一旦、止んだかと見えたのですが、20分ももたなかったですね。そして、予想よりは、ちょっと行けなかったかなというところでした。若干、迂回したかなとも思えるコースで、「北浜」駅から「天王寺」駅くが、1時間20分でした。ここで、この時間だと、なかなか微妙な感じになり、「東部市場」駅か、「寺田町」駅かというチョイスもあったのですが、時間的には、一番間違いのない「北田辺」駅を終点としましたが、こちらでは近すぎたため、最後は、2時間になるまで、駅周辺を歩いていました。「天王寺」駅は通過することは多いのですが、自分的には、周辺を歩いたのは久しぶりじゃないかな。いや、近鉄百貨店方向が久しぶりなのかな。その百貨店自体が工事中だし、また、その向かいの飲食店街が、再開発の対象になったのでしょうか、地面が見えていました。天王寺公園も有料になったのですね。ですから、一心寺の西側から「天王寺」駅に向かおうとすると、鉄柵に囲われた通路を歩くことになりました。えらい変貌ぶりでした。
 「北田辺」駅から、近鉄南大阪線で、二つ目の駅が「天王寺」。「阿部野橋」駅の構造なんて知らないものだから、地下でうろうろ。昼は、一心寺南会所であった「一心寺門前浪曲寄席」に行ってまいりました。2日続けての浪曲となりました。開演25分ほど前に到着しましたので、一番前の席が空いていたのを幸いに、一度座ってみることにしました。今日の番組は、春野ココ(沢村さくら)「一休さん」、京山宗若(岡本貞子)「源太恵時雨」、京山小円嬢(岡本貞子)「権太栗毛」、天竜三郎(藤信初子、安井丈雄)「谷風情相撲」というものでした。春野ココさんは、太宰の「御伽草子」や、今日のようなネタを出されているみたいです。今月のあと2日は違うのですが。ご存知頓智問答で、寺の和尚、足利義満をもぎゃふんと言わせるというもの。調べてみたら、一休さんのモデルとなった一休宗純は、室町時代の人であり、大覚寺の僧でした。そんなの発見です。ココさんの軽い物言いが、こんなネタに合ってますね。「源太恵時雨」は、幼なじみが再会して、再会までの話をしているなかで、女の身の上を知り、同情の言葉を述べ立ち去るのですが、女の性悪の亭主が、男が金を持っているということを知り、斬りつけたところを、女が鉄砲で救うのですが、斬りつけられた傷は大きく命を落とすのですが、その前に、女に対する思いの丈を述べるというものです。これって、元ネタがあるのでしょうね、昔の人は、これだけ聴いて、元ネタの前後関係などを思い浮かべながら涙したのでしょう。これは、浪曲の特徴です。一番いいところを語る、あとは客のイマジネーションに委ねるという手法。そういったネタだと思いました。宗若さん、浪曲師さんの声って、こんなんだろうなというイメージ通りの声で、次回の遭遇が楽しみになりました。そして、本日のお目当て「権太栗毛」。浪曲の席に通い出してから、春野百合子が聴けないご時世ですので、とにかく楽しみは、小円嬢師に間に合ったこと。ホントに素晴らしい。情に訴え、それを、見事に表現されます。とにかく小円嬢師を聴ける幸せって、最高です。「権太栗毛」の権太は、熊谷次郎直実の馬買い役を担当するもの。その権太が、熊谷の大事な馬を、自分のミスで乗れなくしてしまったため、7日の猶予をもらい、新しい馬を求める旅に出かけているところから、話はスタート。最初、熊谷がらみの話とは出てないもので、馬飼いとのやりとりなんで、小さな話かと思っていたら、馬を求めるわけが話されて、びっくり。馬飼いも、権太の情熱にほだされ、馬を譲るのだが、その前に、馬泥棒と看られても仕方のない言動があったため、かなりぶん殴られている。そのため、熊谷の元に馳せ参じたときには、虫の息という筋立てで、涙を誘う仕掛けになっています。前半の、馬飼いとの軽妙なやりとり、後半の熊谷との重いやりとりと、前後半で、ネタの雰囲気はがらりと変わります。そこが、小円嬢師の腕の見せ所。堪能しました。そして、最後も良かったですね。この5月で95歳になるという天竜三郎。年齢のため、声が衰えていることを自覚されているのが、いいですね。こちらも、それを承知の上で聴く。毎回、ネタを変えて、3席演じられます。もう、脅威の94歳です。そして、おもしろい。小さなくすぐりをふんだんに入れるネタは、他の追随を許しません。「谷風情相撲」は、講談ネタですね。大横綱谷風が、親孝行者の相撲取りに、八百長をして引退への道に花を添え、金を添えてやるという人情話。いやぁ〜、笑った、笑った、天竜三郎の軽妙で洒脱な物言いが、余計に笑いを誘っていました。こちらも、堪能です。
 そして、夜は、京都のスペインのバール風居酒屋で、息子と、久しぶりに呑みました。ドイツ以来かな。お喋り好きの息子と、ぐだぐだと、いい時間を持てました。かなり、酩酊、いや、呑みすぎました。




2010年 3月 5日(金)午後 10時 24分

 昨夜は、家に直行。丁度、疲れが溜まってきたところで、いい時期でした。そして、今夜は、動楽亭で、おもしろい会がありました。「第2回なんことけいこ」という会で、講釈師の旭堂南湖と浪曲師の春野恵子の二人会です。今回が2回目で、前回は、何かとバッティングをしたため、おもしろそうな会とそそられてはいたのですが、行けなくて残念な思いをしたものでした。要するに、この会は、講談と浪曲という、よく似た素材を扱う二つの分野で、テーマを一つに定め、それぞれのネタを出し合うというものです。前回は、テーマが「高田馬場」で、中山安兵衛を扱ったようです。今回は、「大坂城落城」でした。南湖の方は、大坂冬の陣までの簡単な経緯を触れたあと、家康が、平野に張っていた陣から、仕掛けられた地雷から難を逃れ、落ちていく様を描いていきました。浪曲を挟んで読まれたこの読み物では、ついに最後には、家康は、熊野から、秀頼の子どもを連れ帰る後藤又兵衛の槍にかかって亡くなります。影武者を立てた徳川家が、その後、江戸に幕府を開くとつながっていく一方、秀頼一行は、大物から薩摩に落ちていくとなり終わります。大阪でしか聴けない豊臣と徳川の 物語です。春野恵子は、二部に分けられた南湖の講談に挟まれた形で、「落城の淀君」を出しました。この浪曲では、序盤に一言「真田幸村公が落命されました」と入るだけで、大阪の陣の主人公は、あっけなく消えてしまいます。この浪曲は、ですから、それを受けて、淀君の動揺、そして、最期を描きます。千姫に対する憎しみと同時に、自分の若いときの姿を、千姫に見て助命をする心の動き、また、秀頼の最期を聞き、その最期の様子を、家臣に語らせ、逃れられない自らの運命を確かめていく、その心情が語られます。浪曲の特色が、よく出ています。戦記物を、春野恵子で聴くのは、初めてじゃないかな。淀君というパーソナリティを得ることにより、語るのがやりやすくなったのでしょう。相変わらず、高音が、ちょっときついけど、間近で聴く迫力はすごいものがあります。時間の流れで記すと、南湖「大坂落城(前)」、恵子「落城の淀君」(一風亭初月)、(中入り)、南湖&恵子「トーク」、南湖「大坂落城(後)」、という流れでした。




2010年 3月 3日(水)午後 11時 27分

 今夜は、シアトリカル應天院であった「ピースピット」という劇団の芝居を見に行ってきました。應天院は、文楽劇場に近いので、文楽4月公演のチケットを買いに行ったは、一般発売は明日からだと言われ、びっくり。電話予約開始日と一般発売開始日を間違えてしまったのです。しっかりと、HPを見ないといけません。まあ、應天院と文楽劇場は、歩いても5分とはかかりませんから、腹を立てる必要はないですが。「ピースピット」は、この劇団の役者さんが、関西で知られた劇団の公演に、よく客演をしているものですから、以前から気になっていたのです。こちらの公演にも、他の劇団の知られた役者さんが客演してますから、外すわけにはいかないなの気持ちで行ってまいりました。芝居は、二本立てで行われました。前半が、「HYT」による「Children」です。大人になれない子どもたちの世界。子どもたちはタバコを吸いまくっています。そこは、大人が、何かの実験用に作ったエリア。そこに迷い込んだ大人になれる子どもが連れ戻されるまで。仲間の子どもが、逆に連れ戻しに行く決意を言うところで終わりました。そういった筋立てを受けての本編かと思うと、特段、つながりがあるわけではなく、若手の役者さんに、本編と似たようなテーマで、舞台を踏む機会を与えたっていう感じのもので、本編まで加えると、3時間近くもかかったことから考えて、場合によれば、カットしても差し支えなかったなの印象を、全てが終わったあとには持ちました。本編の題名は、「Mother」というもので、母となる女性の不安、マタニティ・ブルーを乗り越えて、一人の子どもが産まれまでを描いた感動作でした。どういった子どもが産まれ、育つかという不安、それに何よりも、その女性には、かつて子どもをおろしたという自責の念があることから生まれる不安、それと向き合う、向き合わないなんてことの描き方が、この芝居をおもしろくした大きな要素。即ち、現実の人間が、子どもを産もうかという女性のイマジネーションの中に入っていくという筋立てにして、一種のアドベンチャー物語に仕立てたのです。途中、話がごちゃついて、解りにくいのと、ちょっと饒舌になりすぎたむきもあったことは間違いないのですが、ついに最後になり、過去の自分と向き合い、過去の自分に向かい、「あのとき産みたかったね」と慰め、そして、新たに、過去の自分に向かい、産む決意を述べるところは、ここまでくれば、最後は、こうでなくっちゃと予想していた通りとなったとは言え、深い感動を呼び起こしました。終わったあと、あちらこちらで、「良かったね」の声が聞こえ、また目頭を拭う人を見るにつけ、黄紺だけではなく、観ていた人たちの心を捕らえたことを示していました。とってもお勧めしたい一品ですよ。




2010年 3月 3日(水)午前 6時 2分

  大阪府寝屋川市(17)〜四条畷市(3)〜大東市(7)写真集

  昨日も、一昨日同様、時間休をとりウォーキングに出かけました。歩き始めは、いいお天気でしたが、どんどんと曇ってきて、5時を過ぎると、街には灯りがともり出していました。ただ、気温は高く、歩き始めて20分程で、軽く汗をかき出していました。昨日の狙いは、夜遊びの場所を考えて、学研都市線のいずれかの駅に到達しよう、中でも四条畷界隈を巡ろう、あわよくば、以前行きかけていながら、時間切れとなり断念した野崎観音に行ければなぁと考えていました。昨日は、そのため、四条畷市内は、旧東高野街道を南北に縦一本で歩き通し、できるだけ野崎に近づこうとの努力をしてみました。そしたら成功です。ジャスト2時間で、次のコースを歩くことができたのでした。京阪「寝屋川市」駅〜日之出商店街〜食事処「晴れ晴れ」〜楠根交差点〜小路北交差点〜高橋〜砂地区(四条畷北高校、砂公民館、浄法寺)〜畷生会病院〜西中野交差点〜大阪府四条畷保健所〜四条畷高校・楠公焼本舗「平和堂」〜楠木正行墓所〜JR学研都市線「津之辺道」踏切〜太田川橋〜老舗料理旅館「福寿山魚捨」〜慈眼寺(野崎観音)・南條神社〜JR学研都市線「野崎」駅。相変わらずのことながら第2京阪国道で、道に迷いかけました。かなり土地勘のあるところなのですが、ダメでした。旧東高野街道を見つけたら、あとは一本道。楠公焼の古いお店が残っていらかと思うと、畷生会病院の発展ぶりに目を見張ったりと、変化があるのは当たり前っていう観点で言うと、昔ながらの風情を、わりかし目に留めることができたコースかなと思います。これで、四条畷駅界隈は、東側と西側双方を、南北に一応歩いたことになります。
 「野崎」駅からは、JR学研都市線一本で、「大阪天満宮」駅に到着。普通電車で、約20分でした。となると、夜は繁昌亭です。今夜は、「上方笑女隊おひなまつり〜豪華絢爛?大奥絵巻〜」があったのです。年一回のお祭り。黄紺は、初めて行ってみました。毎年。この時期に開かれ、評判が高いということで覗きに行きたくなったのです。番組は、雅「鉄砲勇助」、ぽんぽ娘「上燗屋」、内海英華「女道楽」都「うだうだ」、あやめ「ハートヒーリング引越社」、(中入り)、鹿芝居「豪華絢爛!?大奥絵巻」〜(河内一派)河内殿:都、お龍:あやめ、藤井寺:三扇、松原:ぽんぽ娘、腰元:雅、腰元:真、(京都一派)綾小路殿:内海英華、お美濃:春野恵子、伏見:笑子、腰元:さろめ、腰元:紫、(将軍家)将軍様:米団治、お小姓蘭丸:染雀、白拍子:カムローズというものでした。前半の落語、英華が出てきて、「これから、まともなのが出てきます」は、大受け。雅は、名前のようにはいかず、鹿芝居の中の罰ゲームでのゴリラの真似が似合う噺家さん。この雅も、次のぽんぽ娘も、まともな落語を聴くのは、初めて。初々しかったです。ぽんぽ娘も。雅は、手の動きが、いいです。有機的な体の動きが、様になっています。この人、何かやってたのかなと思ういい動きです。こちらの方が良すぎて、むしろ肝心の噺の方が後から追いかけてるってところです。もっちゃりとした喋り方を心得ているということを感じさせない噺にまで昇華していって欲しいものです。ぽんぽ娘も、冒頭は緊張気味。マクラで反応があると解ると、徐々に落ち着いていった模様。まともな落語を、初めて聴きました。こんなネタをするなんてと、飛躍のしすぎじゃないかと思ったのですが、マイペースでおもしろかったですよ。下品ネタ得意のぽんぽ娘ですから、おっさんと古風な店の主人というシテュエーションでやってもいんじゃないかなぁ。親父ギャグや下ネタを敢えて入れると、ぽんぽ娘らしくなるしね。ちょっと見直しました。内海英華が、この二人の後に出てくると、本人に言われなくても、いわゆる華があります。最前列に座っていたので、表情、着物が、とってもよく見えます。まず第一感、すげぇー高そうな着物です。始まると、この人、すごい色っぽい表情を見せます。言葉とは裏腹に、ギャグを言うたびに、恥ずかしそうな表情を浮かべます。それが、今まで気付かなかったところ。とっても気に入りました。これから、。内海英華が出る繁昌亭は、最前列に限ると決めました。都、あやめという笑女隊大御所二人は、言うことなし。都は、ネタに入らず高座を降りました。いや「うだうだ」自体が、ネタかもしれませんが。あやめのネタは、2度目、あまりかけないネタじゃないかなぁ。後半の鹿芝居、趣向は、あやめのネタを、そのままするのではなく、河内殿と京都一派という派閥、そして、そこに現れる若い女二人までは、あやめ作品そのままですが、将軍様が出てくると宴会へ。ここで、大喜利に入りました。なるほど、出演者全員に、前に出る機会を与える優しい演出。米団治の将軍様が、ホント、絵になる。この人、こんなのをやらせると、ホント、様になる。登場のところから、感嘆の声が、あちこちで洩れていました。らしいのです。そして、将軍様が、お美濃か、お龍か、いずれかを選ぶときになると、将軍様は、小姓の蘭丸を選ぶというお約束のゲイネタで、チャンチャン。あやめ作、染雀出演となると、そうなります。最後は、総踊りを披露。となると、カムローズは欠かせません。鬘も、彼らの仕業です。お囃子の助けもしたようです。世の中には、達人がいるものです。なお、この日の笛は、あさ吉、鳴り物は、二乗でした。あさ吉をもってくるところなんか、こだわりが見えてきて、嬉しいですね。確かに、それに相応しい活躍に、大満足でした。




2010年 3月 2日(火)午前 4時 32分

  大阪府門真市(14)〜守口市(17)〜大阪市鶴見区、城東区写真集

 昨日は、午後から、仕事に余裕ができたので、有給休暇を消費しようと、ウォーキングをすることにしました。ところが、歩き始めて30分ほどで雨が降り始め、止めようかとも思ったのですが、運良くコンビニに出会い、傘を購入。傘をさしながらのウォーキングとなりました。昨日も、夜は落語会を予定していましたので、その会場へと行きやすい地点を終点とすることを目標に、コース設定をしました。詳細なコースは、次のようになりました。京阪「古川橋」駅〜門真警察署〜焼野地区〜迎賓館前交差点〜鶴見緑地(風車の丘、鶴見新山日本庭園、咲くやこの花館)〜鶴見小学校〜南今福公園〜南今福橋〜極楽橋〜地下鉄今里筋線「鴫野」駅。一度、「鴫野」駅を終点にしたかったとい うのが、昨日の狙い。と言いますのは、環状線のすぐ外という位置であるため、近くを通ってばかりだったものですから。ですから、逆算をしてみたのです。どこを起点にすればいいだろうって。実際は、少し欲張ったかたと思いつつ、鶴見緑地内で、道に迷ったため、必要以上に時間がかかったのかもと思っています。「今福鶴見」駅の少し東に、あと15分で2時間という時間にいながら、地下鉄の駅で言うと、二つも先の「鴫野」を目指したっていうことをしてしまったのです。雨の鶴見緑地は、さすがに人影は、ほぼ消えていました。ですから、人の流れというものを掴めず、道に迷ったのではないかと思っています。ただ、この間、何度か中を歩いていますので、修正は自力ですることができました。所要時間、2時間17分でした。
 「鴫野」駅から、今里筋線と千日前線に乗り、日本橋へ移動。夜は、ワッハの4階でしたので。開演時間までは、体を休めるという意味も込めて、昨日も、日本橋の駅上のネットカフェで、1時間ちょいの時間調整。昨夜は、そちらで「第8回桂三金の古典の個展」があったのです。番組は、生寿「刻うどん」、三金「大安売り」、春蝶「掛け取り」、三金「隣りの桜」、(中入り)、三金「幸助餅」というものでした。生寿の「刻うどん」は、時間がかかりそうな感じがしました。うどんの食べ方や、ガキのようなはしゃぎ方には賛成できません。このガキのようなキャラというのが、生寿の場合、結構、顔を出すのが気になるなぁ。春蝶は、マクラで、相変わらず親父ネタ。おもしろいのだが、変わり映えのしないのも、事実。阪神ファンだった話をふってからネタへ。阪神尽くしを入れていたのです。但し、撃退法は、それだけ。時間のことを考えてのネタの縮小なのか、阪神尽くしをやるためにだけ、「掛取り」をしているのか、その辺は定かではありません。三金の三つのネタ、どれをとっても楽しめたというのが、この会が良質だったってことを意味しています。「大安売り」は、最初聴いたとき、しつこくもなし、程よい笑わせ方で、気に入った口演。昨日も、それを踏襲。ほとんど、現代的な物言いを、くすぐりのような感じで入れなくなったのが、いい方向に向かっている原因と看ています。決まり技で、はたき込みが2度出てきたのは、ちょっとしたミスでした。「隣の桜」も、水準をきっちりキープ。ただ、最後のクライマックスが、あっさりしすぎ。梯子を上がっていく型を仕種で見せる演じ方をする人も見ていますが、クライマックスなんで、いいところは時間をかけなくっちゃ、せっかくのおもしろみが消えてしまいます。これから、何が起こるんだろうというわくわく感を醸成してくれてもいんじゃないって突っ込みたくなっちゃいました。「幸助餅」は、意外性抜群のネタ選び。とにかく、三金が、雷という大関を演じるところが、いいのです。体を最大限に使ってる感じで、怒ってみせるところ、そして、最後、実はと、吉田屋の女将が突然出てきて、種明かしをしてくれたあとの雷も、ともにいいのです。ここに、いいアクセントができ、他の登場人物に、さほど手間をかけないでも引き込まれていきます。筋立てを知っていながらも、ぐっと来るものがありました。「幸助餅」で、三金は、幅の広さを見せてくれました。このネタは、確実に、三金ベストの口演です。




2010年 3月 2日(火)午前 4時 32分

  大阪府門真市(14)〜守口市(17)〜大阪市鶴見区、城東区写真集

 昨日は、午後から、仕事に余裕ができたので、有給休暇を消費しようと、ウォーキングをすることにしました。ところが、歩き始めて30分ほどで雨が降り始め、止めようかとも思ったのですが、運良くコンビニに出会い、傘を購入。傘をさしながらのウォーキングとなりました。昨日も、夜は落語会を予定していましたので、その会場へと行きやすい地点を終点とすることを目標に、コース設定をしました。詳細なコースは、次のようになりました。京阪「古川橋」駅〜門真警察署〜焼野地区〜迎賓館前交差点〜鶴見緑地(風車の丘、鶴見新山日本庭園、咲くやこの花館)〜鶴見小学校〜南今福公園〜南今福橋〜極楽橋〜地下鉄今里筋線「鴫野」駅。一度、「鴫野」駅を終点にしたかったとい うのが、昨日の狙い。と言いますのは、環状線のすぐ外という位置であるため、近くを通ってばかりだったものですから。ですから、逆算をしてみたのです。どこを起点にすればいいだろうって。実際は、少し欲張ったかたと思いつつ、鶴見緑地内で、道に迷ったため、必要以上に時間がかかったのかもと思っています。「今福鶴見」駅の少し東に、あと15分で2時間という時間にいながら、地下鉄の駅で言うと、二つも先の「鴫野」を目指したっていうことをしてしまったのです。雨の鶴見緑地は、さすがに人影は、ほぼ消えていました。ですから、人の流れというものを掴めず、道に迷ったのではないかと思っています。ただ、この間、何度か中を歩いていますので、修正は自力ですることができました。所要時間、2時間17分でした。
 「鴫野」駅から、今里筋線と千日前線に乗り、日本橋へ移動。夜は、ワッハの4階でしたので。開演時間までは、体を休めるという意味も込めて、昨日も、日本橋の駅上のネットカフェで、1時間ちょいの時間調整。昨夜は、そちらで「第8回桂三金の古典の個展」があったのです。番組は、生寿「刻うどん」、三金「大安売り」、春蝶「掛け取り」、三金「隣りの桜」、(中入り)、三金「幸助餅」というものでした。生寿の「刻うどん」は、時間がかかりそうな感じがしました。うどんの食べ方や、ガキのようなはしゃぎ方には賛成できません。このガキのようなキャラというのが、生寿の場合、結構、顔を出すのが気になるなぁ。春蝶は、マクラで、相変わらず親父ネタ。おもしろいのだが、変わり映えのしないのも、事実。阪神ファンだった話をふってからネタへ。阪神尽くしを入れていたのです。但し、撃退法は、それだけ。時間のことを考えてのネタの縮小なのか、阪神尽くしをやるためにだけ、「掛取り」をしているのか、その辺は定かではありません。三金の三つのネタ、どれをとっても楽しめたというのが、この会が良質だったってことを意味しています。「大安売り」は、最初聴いたとき、しつこくもなし、程よい笑わせ方で、気に入った口演。昨日も、それを踏襲。ほとんど、現代的な物言いを、くすぐりのような感じで入れなくなったのが、いい方向に向かっている原因と看ています。決まり技で、はたき込みが2度出てきたのは、ちょっとしたミスでした。「隣の桜」も、水準をきっちりキープ。ただ、最後のクライマックスが、あっさりしすぎ。梯子を上がっていく型を仕種で見せる演じ方をする人も見ていますが、クライマックスなんで、いいところは時間をかけなくっちゃ、せっかくのおもしろみが消えてしまいます。これから、何が起こるんだろうというわくわく感を醸成してくれてもいんじゃないって突っ込みたくなっちゃいました。「幸助餅」は、意外性抜群のネタ選び。とにかく、三金が、雷という大関を演じるところが、いいのです。体を最大限に使ってる感じで、怒ってみせるところ、そして、最後、実はと、吉田屋の女将が突然出てきて、種明かしをしてくれたあとの雷も、ともにいいのです。ここに、いいアクセントができ、他の登場人物に、さほど手間をかけないでも引き込まれていきます。筋立てを知っていながらも、ぐっと来るものがありました。「幸助餅」で、三金は、幅の広さを見せてくれました。このネタは、確実に、三金ベストの口演です。




2010年 3月 1日(月)午前 0時 51分

  大阪市遊歩(40)写真集

 今日も、昨日同様、午後から予定を二つ入れましたので、午前中にウォーキングというパターンですが、今日の午後の部は、1時に始まりますので、朝8時40分に家を出て、ウォーキングに備えました。明け方、かなり強い雨が降りましたので、予定していたコースでは雨ざらしになってしまいますので、新たなコースを考えていると、お出かけ時間になると、どっぴかーんと太陽が出てくれ、またまたコース変更。でも、これは嬉しい悩み。昨日にも勝る明るいお天気となりました。今日の狙いは、再び、十三方向に、淀川を渡り、御幣島を目指そうというものでした。詳しいコースは、次のようになりました。京阪「北浜」駅〜難波橋〜京阪「なにわ橋」駅〜東梅田教会〜北野病院〜地下鉄「中崎町」駅〜浄方寺〜PlunetPlus1〜インド&ネパール料理店「SAGUN」〜本庄公園〜JR樋口架道橋〜大阪府立中津支援学校〜淀川堤防〜十三大橋〜十三渡し跡碑〜北野公園〜JR東海道線「塚本」駅〜鼻川神社御旅所〜住吉神社〜JR東西線「御幣島」駅。当初は、新十三大橋を渡るつもりだったのですが、先日、渡ったところだったもので、急遽、変えてみました。淀川の北側から大阪の中心部を見ると、ホント、大都会の雰囲気です。それが、川越えに、明るい太陽のもとで見ると、しばし見とれてしまいます。ウォーキングで、大阪市内様々な場所を歩いていて、大阪は、やっぱり水の都です。川が、何らの形で絡んでくる光景は、ホント、楽しめますね。十三、塚本、御幣島の距離感が、今日で掴めました。まだまだ楽しめそうなコース設定ができそうです。
 「御幣島」から、東西線一本で、大阪天満宮駅へ。先週に続いて、繁昌亭の昼席です。今日は、繁昌亭大賞の奨励賞受賞記念ウィークということで、文華が、中トリをとるということで、覗いてみたというわけです。東京から、紫文と竜楽の来演というのも嬉しいところでした。番組は、生寿「手水廻し」、喬楽「牛ほめ」、花丸「厩火事」、紫文「俗曲」、文也「京の茶漬け」、文華「天神山」、(中入り)、坊枝「ガマの油」、竜楽「そば清」、幸助福助「漫才」、春駒「神々のご臨終」となりました。生寿を、繁昌亭の昼席で、初めて観ました。3年たったのですね。マクラを、ちょこっとしゃべって、フルヴージョン近くネタをやって、10分で下りました。すごい。喬楽、花丸で、ダウン気味。ウォーキングのあとは、最近、どこかできてます。「厩火事」「天神山」が、今日の客にはフィットしないみたいでした。逆に、「手水廻し」のような、長頭なんかのところ、茶漬けをすすって食べたりするのに反応がありました。素人さんが多いみたいね。柳家紫文の繰り返しのおもしろさには反応なところがおもしろい。ダジャレは、OKっていうことです。お目当ての文華は、桜を思わせようとの羽織りで登場。ネタに入ってすぐに脱ぐのは、もったいないくらい。ネタは、今年初めての遭遇、「天神山」。受賞記念ウィークの最後を飾るにふさわしいネタをチョイスしましたが、出来は、こないなものなんでしょうか。へんちきの源助のへんちき度っていうのを、単に行動だけで流れたようだし、胴乱の安兵衛を、単なるアホと呼んでいたりと、なんか同意できないのです。春の陽気に誘われたおとぎ話でもないしと、なんか、全体の構想が見えてこないのです。同じ文華の逸品「八五郎坊主」のような、骨格のしっかりとした仕上がりを知っているだけに、自然と比べてしまいます。坊枝の「ガマの油」は、鉄板ネタ。今日の客にはフィットするネタ選びに拍手です。さん喬の「そば清」が、まだ耳に残ってる中で、竜楽のそれを聴くと、演出法は同じながら、言葉の硬さが気になってしまいました。「どうも」のフレーズが、このネタを制してしまうほどの力があり、男の慇懃無礼さを凝縮しています。それが硬いと、それだけで、言葉が流れていってしまいます。春駒は、トリでも三枝作品でした。三枝作品の中でも、軽めの方なので、トリでは変えてくるのだろうと思っていたのでした。このネタは、ミレニアム用に作られた作品ですから、これを、ミレニアムが遠くになってしまった今、これをかける場合、何らの工夫をしなければいけません。春駒は、一番古い神と、自身で規定した「竈の神」の死に立ち会わせようと、キリストが電話をしてくるという設定にしました。そして、実際死んでしまいますが、阿部さんは間に合いません。そして、死んだ神さんの再生話はありません。神の死なんてことを素材にするのだったら、何らかの工夫が欲しいものです。死んだままだったら、これは何の噺だったのでしょうね。どうも納得がいきかねるのです。
 繁昌亭のあとの時間調整は、いつもの南森町のネットカフェで、50分程。夜の部に備えました。夜は、恵美須町駅上にあるin→dependent theatre 1stであった「美津乃あわ一人芝居『ぬくい女』」に行ってまいりました。現在、関西小劇場界一の女優と言えば、この人でしょう。一人芝居は、2回目です。前回に続き、わかぎゑふの作品です。ただ、わかぎゑふ作品というのが、前回、必ずしも楽しめたわけでもなくというのですが、女優の魅力で行ってみました。でも、その懸念が当たりだったのです。今回の内容は、一人の詐欺師に係わる4人の女性を、美津乃あわが演じ分けて、その一人の男を浮かび上がらせるなんて趣向でもあれば、また、台本がおもしろかったとでも言えそうなんですが、別に、そういった趣向があるわけでもありません。単に、4人の女を演じ分けるというだけの芝居です。わかぎゑふも、自身が演じることを想定してるのでしょうか、一人芝居をするその一人の女優を楽しむということに焦点化された作品です。これって、荒っぽいよなと思ってしまいます。なんか、美津乃あわを売り込むスポットCMを4本見せられただけっていう感じです。4人の女性というのは、詐欺師の男にペットとして飼われていた豚、宝塚のパロディ芝居を演じている泥組芝居座長、この女は、詐欺師と付き合っていたことを告白をする、3人目は、詐欺師を秘書として雇っていた女代議士、この女は、詐欺師と男女の関係があったのではと、マスコミに疑われている、最後の女は、詐欺師の自伝を執筆するゴーストライター。これらが、4景に分けて演じられ、その間を、前方のスクリーンに映される映像で繋いでいくというもの。一番らしいシーンは、やっぱ二人目の女でした。




2010年 2月 28日(日)午前 5時 54分

  大阪市遊歩(39)写真集

 昨日も、午後から落語会のはしごを予定していたので、ただ午後の会の開演時間が3時ということで、ウォーキングは12時頃に始めることになりました。昨日の狙いは、京阪「野江」駅近くを歩いたことがなかったので、「京橋」駅を起点に、新京橋商店街&京橋中央商店街を抜け「野江」方向に向かい、あとは「鴻池新田」駅辺りで学研都市線を越え、地下鉄「高井田」駅までは、絶対に行けるとし、あとはお時間に合わせて、「高井田」なんかで考えてみようというものでした。細かなコースを記すと、次のようになりました。京阪「京橋」駅〜新京橋商店街&京橋中央商店街〜劇団未来ワークスタジオ〜今福北橋〜今福北歩道橋〜放出大橋〜阿遅速雄神社〜JR放出街道踏切〜古大和橋〜円通寺〜森河内本郷墓地〜長瀬川緑地〜西堤神社〜東大阪大学〜近鉄奈良線「河内小阪」駅。今福辺りは、再三、ウォーキングで通っていますが、今まで、南北に通っていた道を、今度は、東西に横切ったりすると、街の様子が違ったように見えます。街の構造自体が、こうだったのかとの再認識を持ったりしておもしろいですね。放出大橋に入る道も手慣れてきました。円通寺の東辺りまでは、以前通っていますが、そこから高井田方向は初めて。近鉄奈良線も、効率よく歩くと、こないなところまで行けるようになりました。昨日は、かなり薄着だったはずですが、それでも、ほっかほかで、ウォーキングには嬉しいお天気でした。所要2時間7分でした。
 「河内小阪」駅からは、近鉄電車一本で日本橋へ。まず、一つ目の落語会は、トリイホールであった「トリイDE志ん輔」でした。志ん朝縁のトリイホールでは、この志ん輔ら古今亭の一門が、会を開いています。黄紺も、他の落語会を睨みながら、時々、おじゃまをしていま す。昨日の番組は、朝太「饅頭怖い」、志ん輔「お若伊之助」、(中入り)、志ん輔「片棒」というもので、お目当ては、当然、「お若伊之助」。けったいな噺です。箱入り娘が好きになった男から隔離をしようとしたところ、恋い焦がれる気持ちが強く、それを悟った古狸が、男の姿を借りて、夜毎、娘の居所へ通ってきたため、別れさせたはずと思っている親は、人を使って調べ、ついに狸を撃ち殺してしまうという噺。人の姿を借りて現れた狸だの狐だのが、最後になって殺されるというのは、あまりいい感じがしませんね、聴いていて。志の輔という噺家さん、昨日のネタだと、あとの「片棒」の方が、お似合いだと思いました。ひょうきんな表情を、ときとして見せる愛嬌とか、それに合ったかのような軽快な口調が、そう思わせたのだと思います。特に、「お若伊之助」は、久しぶりの口演だったのでしょうか、詰まったんじゃないかと思えるところがあったりと、必ずしも万全の出来だったとは思えませんでした。「片棒」と「饅頭怖い」は、ともに上方でも、ネタに入っているもの。だいぶと演出が違います。「片棒」は、雀松の口演などを思い出し比較をすると、上方の演出のそれは、吉本新喜劇のノリだと思いました。ここがツボだと看て取ると、もうたたみかけるわたたみかけるわです。ですから、志ん輔の描く3人目の倅が、あっさりと下げに向かっていくだけというのが、もったいなくて。「饅頭怖い」は、更に、上方との乖離がくっきりしています。寝小便のおやっさんが出てこないし、饅頭を怖がる男は威勢のいい男だから、饅頭を怖がるとおかしいという構造。光ぁんみたいな弱々しそうな男ではないので、端からネタばれ気味。また、饅頭を持っていくときも、これでもか度のパワー不足。やっぱり、上方の「饅頭怖い」は、ここでも吉本のノリになっています。この書き方、逆ですね。吉本のノリが、上方落語のノリを引き継いでいるという書き方が正解ですね。
 トリイホールでの会が終わると、そのすぐ近くのネットカフェで、30分弱の時間調整。そして、夜は、谷六の薬業年金会館であった「笑いのタニマチvol.88〜仁智の新作落語道場〜」に行きました。この会が、土曜日にあるのは初めてじゃないかなと思っていたら、仁智自身も、そうだろうと言ってました。そのためか、いつも多いサラリーマン風情の人たちの数が少なかったですね。番組は、染太「クラシックて、え演歌?」、仁智「野球狂の詩・狭間トクの場合」、三若「上から目線」、仁智「多事争論」というものでした。染太の作品は、噺としては単純なのだが、おもしろいアイデアを披露してくれました。クラシック音楽など知らないという男に、演歌の中には、クラシック音楽のメロディーに似たものがあると説くというだけのネタなのですが、実際に似ている部分を聴かせるところがマニアック。選曲がいいし、しかも、クラシック音楽は、生のヴァイオリンでの演奏となりました。「野球狂の詩」は、仁智得意の婆さんネタ。婆さんが熱烈な阪神ファンで、その息子の仕事が読売新聞の販売店という設定。婆さんは、三味線で応援歌を弾いたりで遊びまくってくれます。ご当地ネタとして、普段から、もっと手掛けて欲しいネタです。「上から目線」の存在は把握していたのですが、ここで出逢えましたが、結論的に言えば、出逢いたくなかったネタです。いじめられていた男が、警察官になり、上から目線で物を言って満足になっていたところ、交通事故の現場で出逢った二人が、その内の一人が小学校の時の担任で、小学校時代の不始末を知っている、もう一人が、中学校時代、その男をいじめていた男。この二人は、事故の処理を有利にさせようと、警察官に上から目線でいじめ出すという逆転のおもしろさを狙ったネタ。だけど、不快なのです。いじめて、いじめられて、また、いじめて、いじめられて、この暴力の連鎖を笑えないのです。三若を好きになれないのは、こないなところを笑いに換えようというところがあるからでしょうね。「多事争論」は、繁昌亭台本募集で入選した作品。目玉焼きに、何をかけるかをテーマに、夫婦のケンカ、それに、家族、近所の人がかんでくるというもの。夫婦のケンカには、関西と関東の違いが盛り込まれているというもので、最後には、客席を、裁判員制度の裁判官に見立てて、拍手で判決を決めていくという、なかなか凝った作品。仁智の口演に合うもので、こういったところで、どんどんと、今後もかけていって欲しいもので、第2回までの受賞作品では、最も今後も演じられていくべき作品かと思っています。




2010年 2月 26日(金)午後 11時 5分

 2日続きの長時間落語会で、すっかり寝不足になっていながら、今日も、予定通り、夜遊びに出かけてまいりました。今夜は、中之島のABCホールでのヨーロッパ企画という劇団の公演に行ってまいりました。京都の劇団で、かなりの知名度を持ってるっていうことで、黄紺も、名前を知りながら、まだ見てなかった劇団なのです。今回も、京都での公演もあったのですが、他のお楽しみとの関係で、大阪での公演に行くことになりました。今日の公演は、「曲がれ!スプーン」という題の芝居で、何か主張を展開するといった芝居ではなく、役者のうまさが身上で、うまく脚本のおもしろさを、最大限に引き出す能力を持った集団だと思いました。筋立ては、いたって簡単。カフェ・ド・念力に集うエスパーたちが、一同に会して、お互いの交流目的で集まった秘密の会合に、一人のエスパーでない男が紛れ込んだことより、この男に、どうして集まりのことをしゃべらせないでおこうとしているところに、毒蜘蛛が紛れ込んできたという騒動になってというくらいの筋立てを、役者のうまさで引っ張っていくというところで楽しませる芝居でした。役者が、それぞれ糸で繋がれており、こちらが引けば、他が引っ張られるという具合に、日常的会話が、とっても有機的に繋がっていくというもので、日常の会話では、ここまで伸縮自在にははかどらないだろうと思われる会話劇を展開することで、逆に、自然な感じを高めていってるように見えました。おもしろい、けど、何かが残るわけではないので、次回公演に行くかと自問した場合、即、行くとまで答えないだろという芝居だなというところが、正直なところです。




2010年 2月 26日(金)午前 5時 23分

 昨日は、仕事で思わぬ展開。急に仕事が降って湧いてきたのです。おかげで、消耗仕切って、気が付くと勤務時間が終わりかけている。肝心要の大事な仕事は、明日回しです。余計な仕事を作られてしまったの感覚です。夜遊びは、トリイホールの一つ下の階にある徳徳亭。今夜は、こちらで「2パターン」があったのでした。かなり世代が下がってきました。この二人が前座を務めた会には、しばしば行ったことはありますが、主宰する会は初めて。どないな感じかを見に行きました。番組は、団姫「子ほめ」、瓶成「ふぐ鍋」、吉之丞「遊山舟」、瓶成・吉之丞・団姫「トーク」、(中入り)、瓶成「愛宕山」というものでした。団姫の「子ほめ」は、初遭遇。当然、春団治系の進み方。現在では省くことの多い部分も、丁寧になぞってくれます。古い物言いが、うまく流してくれたのですが、ちょっと同じパターンの繰り返しになってしまってる感じ。変化を出すことと、腰を必要以上に折ったり曲げたりする癖を少なくすることが肝要かな。へいこらする男という、変なキャラがついてしまいます。そないな卑屈にならなくってもと突っ込みたくなっては、ちょっと悲しい。でも、語り口の確かさは、この人の持ち味です。異様に暖かな今宵といえども、まだ2月ということだからでしょうか、今日もまた、「ふぐ鍋」に出会いました。じっくり聴くと、瓶成の語り口は、自然体の会話として、すんなりと耳に入る爽やかなもの。だけど、何かしなきゃという心根が透けて見えてしまいます。奇声を上げたり、オーバーアクションとか、「?」しか浮かびません。そのため、旦さんと大橋さんの関係が、ぐしゃぐしゃになってしまってました。ちょっといただけません。昨日の聴きものは、吉之丞。いい「遊山舟」を聴いた満足感が残りました。二人のやかましい会話が秀逸です。いつも書きますが、「遊山舟」は、浪速橋の賑わいを、どのように意識させるかにあります。吉之丞の手法は、めちゃくちゃやかましい二人を見せるということです。なんや、このうるさい二人はと、道行く人たちをして振り返らせるうるささが、吉之丞の口演から伺いしれました。もう一つおもしろいと思わせられたのは、家に帰ってからが短いということ。再現シーンだけを残して削ぎ落としきったという感じ。先のうるささが、まだ耳元に残ってる間に、下げまで行ってしまったっていうところです。これまた、秀逸な演出です。今まで、吉之丞が手がけるちょっとしたネタは、背伸びを感じたりしていましたが、「遊山舟」は違います。大器の片鱗を、十二分に見せてくれました。瓶成の「愛宕山」は、師匠の鶴瓶からもらったもの。黄紺は、まだ鶴瓶本人の「愛宕山」を聴いていませんが、どのようなコンセプトを持ち込んでいるかが、この瓶成の高座で判りました。大阪と京都を、二項対立的ファクターとして、やたら強調する手法っていうのが、鶴瓶流だったのですね。黄紺は、この違いを、前に出し過ぎる演出を、あまり評価していません。ちょっと意気がってみたり、大仰なことを発案してみたりという、この噺の世界の中で、こないなことをしそうなのは、やっぱり大阪人やという程度に留めておかないと、この話のお伽話的雰囲気を損なってしまうのではと思ってしまうのです。春の長閑さ、ぽかぽか陽気、そないなものが、人の心を狂わせ、惑わせ、皆でお伽の世界に迷い込んだっていうコンセプトの話じゃないのかな。ですから、序盤の野がけの描写を、どう扱うのかで、このネタへの姿勢は見えてくると思っています。瓶成は、人と人との関係性を、どのように解釈したいのかな。幇間と若旦那との会話が、ここでも気になってしまいました。なお、トークは、主に、東京公演時での裏話が中心でした。




2010年 2月 25日(木)午前 6時 1分

 昨日は、午後から上六へ出張。入口で、ばったりと、元同僚と会ったものですから、仕事が終わったあと、ちょっとウォーキングと、鶴橋まで歩き、久しぶりのアリラン食堂で、軽く呑みながら近況報告などだべっておりました。一応、6時15分をメドに、アリラン食堂をあとにして、私は、鶴橋から新今宮に向かいました。動楽亭であった「サムシング寄席」に行くためです。今夜は、こちらで、遊方とたまというできちゃったの新作二人組の会があったのです。番組は、たま「ドーベルマン刑事」、遊方「ペンギン・ア・ゴーゴー」、なおゆき「スタンダップ・コミック」、遊方・なおゆき・たま「トーク」、(中入り)、たま「景清」、遊方「埃をかぶったヒーロー」というものでした。「ドーベルマン刑事」は、久しぶり。筋立てで、いきなり、警察の内部に内通者がいるというところから、急展開をさせます。逆の展開で、犯人逮捕劇のようにしたり、犯人を追い詰める場面を作ったら、たっぷり感が加わるのにと思ってしまいました。「ペンギン・ア・ゴーゴー」も、久しぶり。ラヴリーな女の子が、次から次へと、素っ頓狂なことをしたり、やったりという繰り返しネタ。その度に、遊方なのか、話相手の人間、、いや両方が入れる突っ込みが、バカバカし過ぎて、笑い過ぎてしまいました。なおゆきは、繁昌亭で見るよりは、距離をとって聴けたかな。慣用的な言葉、言い方に対する突っ込みで笑いをとるパターンが多いことに、気が付きました。そのなおゆきを間にはさんでのトーク。完全に、3時間ペースになっています。なおゆきが、舞台のキャラと違って、愛想良く、人に合わせようと努める、腰の低いいい人という噂は、本当でした。穏やかで、子煩悩そうな普通のおじさんの顔を見せてくれましたが、一方で、父親の話は、完全に引いてしまいました。なおゆきの子どもに見せる顔を見た遊方は、結婚して子どもを持つ怖さを訴えていました。中入り明けで、ほぼ9時ちょうど。そこからが、また大きなネタ。できちゃった組の唯一の欠点は、時間無視で盛り上がってしまうこと。昨日も、危ない危ないと思っていたら、案の定、そうなりました。だけど、内容は、熱くて濃い。たまの「景清」は、今度のワッハの独演会で出すネタ。これまで聴いたことがありませんから、ネタ下ろしかもしれません。ただかなりの改変が行われたので、注目の高座となりました。まず、定次郎は仏師です。そのわけは、最後に出てきます。そして、目が見えないが、意地っぱりなところを表す犬を踏む場面はなく、甚兵衛さんの家に上がるとき、杖を下駄に通したあと、90度体を左に向けて座ってしまいます。これは、この日一番のアイデア。無駄と思ったのは、甚兵衛さんの持っている親方の手紙。母親だけではなく、親方を登場させたのですが、後で生かせてないので、ムダと看ました。柳谷観音に行くという話は割愛します。100日目、一人で清水さんに行く定次郎。目が見えないままなので、文句を言う定次郎。怒りに現る甚兵衛。もう一度、観音に手を合わすと現れる観音。「1日で仏像を彫れ」という観音。ここで、仏師だということが生きます。ですが、1日で目が見えなくなる定次郎。できあがった仏が清水の観音。「裏を向けると、観音のアホと書いたあった」というのが下げ。もう一度、目を見えなくする意味が、よく解りませんでした。また、「観音のアホ」と、なんで書いたんやろ? ちょっと解らないところが出てきた改変でした。「埃をかぶった、、」は、初物。かつて、アメリカ村で独演会をしたときのネタだそうです。かつての有名歌手が、自分のところの会社にやってくると、普通の濃い大阪のおっさんで、、、ここまでしか解らないのです。そう、半分ダウン程度だと思っていましたら、中味が、さっぱり思い出せないのです。終わったら、10時。ヘビーな内容てんこ盛りで、お疲れです。




2010年 2月 23日(火)午後 9時 59分

 昨日は、久しぶりに家に直行。相変わらず、宵の口にダウン、夜中にお目覚めパターン。南海さんの会に行く前の夜は、判を押したように、寝不足か、このパターン。今回も、見事に型どおりとなりました。その南海さんの会というのは、「第151回旭堂南海の何回続く会?」。今回は、特別公演です。ウィーン公演を記念しての会となりました。番組は、上方書生節協会(南海・群時)「維納公演報告書生節大会」、南海「維納の辻音楽師」というものでした。前半の約1時間が、書生節のライブ。今まで聴いたものだけではなく、東雲節やシーハイルのように、全く初めてのものも演奏され、奥の深さに感心しきり。また、替え歌が信条だということで、今回のウィーン公演を取り込んだり、大阪ネタを取り込んだりと進化しているのがいいですね。今度は、4月にライブを予定しているようで、書生節の中から外国ネタを集めてみるそうです。かなり行ってみようかなの気持ちになっています。後半の30分は、講談ネタから探し出した、ウィーンを素材にしているというものの口演となりました。元ネタがあるのか、創作ものなのかは、判ってないそうです。今回の公演を世話したウィーン大学の先生も、知らない内容との回答だったそうですが、ただ、話の中に登場してくる名ヴァイオリン奏者は、実在の人で、1820〜1840年頃のフランスを代表するヴァイオリン奏者だったそうで、話の成立に謎が深まるばかりです。話の舞台には、ウィーンに城壁が残り、その外側に貧民街がへばりつくようにあったとありますが、それも、事実に合致していますから、やはり原典となるものがあるような気がしてしまいます。




2010年 2月 22日(月)午前 5時 2分

  大阪府守口市(16)〜大阪市旭区、東淀川区写真集

 昨日の日曜日は、午後からお遊び計画を、二本立てで入れていたので、必然的にウォーキングは午前中に入れました。日が長くなってきた関係で、一昨日は、夕方にかけてウォーキングを入れたため、体には、まだその疲労が染み着いているなか、朝8時40分頃に家を出て、ウォーキングに取りかかりました。今日のコース設定は、もちろん午後のお出かけを考慮してのものですが、城北大橋を渡ること、そして、淀川北岸を、一昨日とは異なったエリアを歩くこととし、阪急線か地下鉄御堂筋線の駅にたどり着ければということで、計画を立ててみました。詳細なコースは、次のようになりました。京阪「滝井」駅〜今市商店街〜寶龍寺〜城北公園〜城北大橋〜淀川右岸堤防〜東淀中学校〜菅原2交差点〜菅原天満宮〜菅原1交差点〜東淀川スポーツセンター・クレオ大阪北〜阪急「学童踏切道」〜柴島神社〜阪急「柴島」駅。昨日は、一昨日よりも気温が高く、絶好のウォーキング日和。そのため、最初は計画していなかった淀川堤防上を歩くことにしました。堤防上では、何かの大会があったのでしょうか、ゼッケンを付けた人たちが、ジョギングなどというスピードじゃない速さで走っていました。そうかと思うと年配のウォーキングをする人と、昨日は、さすがにいっぱいでした。今回で、城北大橋の北側の距離感が掴めた感じがしました。阪急線は、堺筋方向にも、梅田にも出れるという利便性を活用して、ウォーキングの終点として、もっと活用できると思えるようになりました。
 「柴島」から、電車一本で3つ目が南森町。昨日の午後は繁昌亭の昼席に行きました。今、昼席では、繁昌亭大賞の受賞記念ウィークが連続的に行われています。この1週間は、大賞受賞の銀瓶がトリを務めているのです。その番組は、染太「動物園」、壱之輔「平林」、仁福「喧嘩長屋」、竹井輝彦「漫談」、春若「京の茶漬け」、三喬「首提灯」、(中入り)、春野恵子「お菊と播磨(一風亭初月)」、仁昇「閑所板」、福車「釜盗人」、銀瓶「天災」となりました。ウォーキング疲れが心地よく、うとうととしながら、中入り前は聴いていました。ところが、一番意識がしっかりしていたのは、「動物園」と「京の茶漬け」。なんでやねんと言いたくなるところ。染太は、この位置では、これしかやらないみたいと、自分では決めてしまってます。春若も、「天狗裁き」かどっちか。なのに、なのに、です。三喬の「首提灯」は、自分的には初物。前半の「上燗屋」での酔い方が、気に入らなかったなぁ。「寄合酒」で、吃音の男を、この一門では登場させますが、酔う手法が、それ。聴いていて、それが思い出され、あまりいい感じはしませんでした。仁福がネタにぴったりという感じ。とぼけた味わいが、そんなアホなというネタにしっくり感があったのでしょうね、かなり受けていました。後半の春野恵子も、定番ネタに当たっちゃいました。でも、浪曲が終わったあとのどよめきは、いつ聴いても痛快です。こないな凄い芸を、おまはんらは知らなかったのかいと言いたくなっちゃいます。しかし、春野恵子は、ネタを変えますから、幅広いネタに接したい黄紺からすると、不運としか言いようがありません。春若や染太の場合と違います。仁昇も、ネタが狭いです。「閑所板」は連続でした。「釜盗人」は演じ手の少ないネタ。福車が持ちネタにしており、繁昌亭でも、時々出しているというのはわかっていたのですが、ようやく出会えました。落語世界の盗人ですから、ご多 分に漏れず、とぼけた輩。そこへさして、盗人に入られる豆腐屋夫婦も、なんとなく落語世界の人たち。なぜ、もっと他の噺家さんは手がけないのでしょうかね。とっても落語的で、おもしろいんだけどな。貴重な噺を聴かせてもらいました。そして、銀瓶。マクラで、ざこばにからかわれた話で、もう頭から大爆笑。そして、そのざこばからもらった、最もざこばキャラ満開の「天災」をしたものだから、銀瓶のちょっとした動き、声の表情に、めっちゃ反応する客席。「天災」で、これをできるんやから、銀瓶、大賞受賞にふさわしい絶好調の口演でした。何度か、銀瓶の「天災」を聴いてはいるのですが、特に、巧みな声の表情付けで、大進歩。それが、客のイマジネーションにピタッとはまってるのでしょうね。もう、笑いが止まらない状態。ばらしの部分で、時間を気にしたのでしょうね、ちょっとはしょり気味に運んだのだけが残念でなりません。
 繁昌亭が終わり、時間調整のために、南森町のいつものネットカフェに入り、一応、念のためにと、そのあと見に行くつもりをしていた韓国映画の上演時間を確認したところ、ついこないだ6時台の上映があるとしていたのに、削られているのを発見して愕然。事後策を、慌てて検討したのですが、結論は家に帰るとしました。腹立たしいったらありゃしません。




2010年 2月 21日(日)午前 6時 31分

  大阪府吹田市(2)〜摂津市(1)〜大阪市東淀川区写真集

 明るくて、ちょっとは暖かくなった1日でしたが、昨日は、まず朝から民族学博物館に向かいました。大好きな民博で、昨日の午後1時半から、一般人相手に民博の教授陣が講演をする「みんぱくゼミナール」が開かれたのです。最近、どのようなプログラムがあるかをチェックしていなかったのですが、現在、民博で、「西アジア再発見」という催しが行われているため、HPをめぐっていて、昨日の催しを知ったというわけです。他の計画を立てていたのですが、簡単に変更してしまいました。そこで、あと夜の予定は不動のものですので、民博の催しが終わったあとに、恒例のウォーキングを入れることとし、午前中は、早めに民博へ行き、展示を見たり、映像資料を見ることにしました。昨日のゼミナールは、「あたらしいアフリカ展示のメッセージ」ということで、リニューアルされたアフリカ展示について、それに携わったアフリカ関係の教授陣6人が、その趣旨について語るというものでした。このゼミナールに先立ち、展示を見ていたため、納得の内容となりました。新アフリカ展示のメッセージとして、@アフリカの歴史を知ってもらいたいA都市と現在を知ってもらいたいBアフリカ文化の華やかさを知ってもらいたいC人々の「顔」をとおしてアフリカを身近に感じてもらいたい、この4点をコンセプトにリニューアルを行ったと報告がなされました。そうなんです、「アフリカの歴史」コーナーがあるのです。アフリカの地図が掲げられ「ソンガイ王国」なんての出てたりとして、その前に、サハラ越えの交易を表す岩塩の板が展示されてるのです。過去であると同時に現在でもある岩塩の板、映像や画像では見たことのあるものが展示されていました。これは、写真に撮りました。更に、民博の展示にはなかった、映像で証言展示がされてます。「私の仕事」の説明です。これも見入ってしまいました。そして、数年前から、アフリカ関係の展示で異彩を放っていた「今のアフリカ」関係の展示の充実が嬉しいです。床屋の見本表は、いつ見ても微笑んでしまいます。今回は、写真館の背景画や露店をそのまま収集してきたものが出ています。この展示は、インドやハワイ関係で出ていたもの。アフリカも、やってくれてます。そんなで、都市民俗学が流行だと言われて、随分と日が経ちましたが、民博の展示も、ようやく追いつきつつあります。その辺をやろうということに加えて、通時的テーマを扱う文化人類学の視点に、時による変化をテーマとする歴史的観点が入ってきたことは大歓迎です。ただ、伝統的社会を扱うことは切りがたいようで、それを、「祈り」というテーマ設定をして展示されていました。一方、西アジアのリニューアルの寂しいことったら。アラブ、イランはありますが、もう一本の柱、トルコは、どこへ行ったのでしょうか? それに、アフリカのリニューアルのような視点に、全く欠けます。それに、狭すぎます。
 民博ゼミナールが終わると、直ちにウォーキングに取りかかりました。冷たい風も吹いていましたが、歩いて30分もしない内に、体はほてほて。昨日は、やっぱ少しは気温が上がったみたいですね。昨日のウォーキングの方針としては、万博記念公園から山田・岸部方向に歩いて行き、阪急電車のいずれかの駅に向かうというもの。正雀か相川、ひょっとしたら吹田なんてところを想定していました。実際は、迂回して正雀に向かうのが正解だったでしょうね。ちょっと頑張って相川まで行ったため、所要時間は、2時間15分となりました。2時間で切り上げることをモットーにしながら、切り上げられないコース設定は、ご法度です。詳細なコースは、次のようになりました。国立民族学博物館〜モノレール「万博記念公園前」駅〜山田高校〜伊射奈岐神社〜山田下公園〜南林寺〜市場池公園〜岸部中5丁目交差点〜称徳寺〜JR吹田操車場〜吹田市立目俵市民体育館〜新京阪橋〜阪急京都線「相川」駅。かなり不慣れなところのため、何度も立ち止まりながら、手持ちの地図で道を確認しながらのウォーキングとなりました。結果的に、歩いた道筋に、古い家屋の多かったのが、とっても意外。山田とか岸部とかっていうところの、昔からある細い道筋ばかりを、結果的には歩いてたようで。それはそれで、偶然とは言え、とってもラッキーなことでした。
 「相川」から淡路乗り換えで、南森町へ移動。調整時間なしで、繁昌亭の夜席に向かいました。今夜は、「笑福亭福笑一門会Vol.4〜たった二人の一門会〜」があったものですから、絶対に外せません。久しぶりの大入りで、人が溢れる繁昌亭を見た感じです。番組は、たま「青菜」、福笑「代書屋」、(中入り)、たま「愛宕山」、福笑「どろ満峡」というものでした。「青菜」を始める前に、前にも聴いたマクラのカテゴリーで、どっかーんと笑いをとるたま。「青菜」の冒頭は、こごろうやや紅雀同様、情景描写をたっぷりとり、環境をきっちり整える。だが、「植木屋さん」と呼びかけたあとは、ストーリーのエッセンスだけを、二人に語らせるだけと、徹底した合理的な整理を試み、あくまでも、二人の会話は、家に帰ってからのネタふりに徹する。替わりに、家でのバラシの部分を大仰にくさく演じるというのも一貫していました。ただ、聴いていて、そういった構成であることが見えてくると、逆に整理があざとく見えてきて、旦さんと植木屋さんののんびりとした会話を楽しみたくなってくるから不思議です。「青菜」は、元々は、福笑から教えてもらったものだそうです。昨日、福笑が出した「代書屋」は、福笑から内弟子修業のとき、最後につけてもらったネタだそうです。その福笑は、マクラで、時事ネタで、中でもオリンピック関係、相撲なんかで、放言を繰り返し、大受け。「これから、どないにしてネタに入れば」と言って笑いをとるのですが、そこは用意周到、相撲から輪島を引っ張り出し、字の読めない輪島から、きっちりネタに入りました。ネタに入った途端、ここでウォーキング疲れが出て、半寝の状態。声は聞こえてはいるのだけど、それが意味をなしてない状態。うっすらと残る記憶をたどると、まず春団治系の展開。でも、最初は小ばかにしていて、同じようにはならないはずだった代書屋が、最後には切れてしまい、わけのわからない行動をとるという構成と看ました。「愛宕山」を、たまで聴くのは、かなり久しぶり。冒頭に春の描写を入れ、蝶々を取る場面から入りました。だが、すぐに愛宕山の下に登場します。この辺をショートカットをするのは、たま流。もう一つの省略部は、かわらけ投げをするのは、茶店のところまで上がってきてから、弁当を食べる前にやってしまうので、あまりに慌ただしい。この慌ただしさは、舞妓や幇間を引き連れている旦那衆にはふさわしくないのです。春の野がけをしているのですから、慌ただしく噺を前に進めるのは、どこかに歪みが出てくるのは致し方ないと思います。「瀞満峡」も久しぶりです。福笑が言うには、夏は怪談噺を、夜席にかけているので、「瀞満峡」のような夏の噺 は、繁昌亭ではほとんどかけてないと言ってました。タイムワープをする噺なものですから、途中で、噺がぐちゃぐちゃになります。インディアンが出てきたり、ターザンがと、なんでもありのカオスを作って、タイムワープで落とすという、考えてみれば卑怯な噺ですが、1回限りの手法であるとともに、福笑だから、許しちゃうのです。




2010年 2月 20日(土)午前 7時 41分

 昨日の朝の出勤の電車の中で、大失態を演じてしまいました。普段、かぶっているフェネルバフチェのロゴ入り帽子を落としてしまったのです。降りがけに、帽子を出し、膝の上に置き、かばんをいじっている間に、帽子のことが、頭から抜けてしまい、そのまま電車を降りてしまったのです。職場に着いた途端、落としたことに気が付き、慌てて電車の忘れ物センターに電話を入れると、終点の駅に保管されていることが判明。慌てて、その駅に電話を入れ、最寄り駅に送ってもらい、無事、黄紺の手に戻ってきました。忘れ物センターに問い合わせたときの決定打は、当然、フェネルバフチェのロゴ。「c」が変わってますというのが、ダメ押しとなりました。
 そないな1日、夜は、先週に続き、シンフォニー・ホールのコンサートへ。実は、昨日のコンサートが本命で、先週のコンサートを見つけた次第。昨日は、関西フィルハーモニーの定期演奏会なのですが、昨日の演奏曲目が、なんとなんと、マーラーの「復活」。この曲が、生で聴けるなどということなんて考えたことすらなかった大曲。まず、オーケストラの規模がでかいから、エキストラを集めねばならない上に、女声のソリスト2人、そして、何よりも大合唱団が要るのてす。東京でなら、まだ期待は持てるでしょうが、そうじゃないですからねぇ。よくぞ目に止まったものだなと、自分のちょっとした運の強さのようなものを感じてしまいました。昨日の指揮は、常任の飯守泰次郎、ソリストが、垣花洋子(s)と福原寿美枝(ms)、合唱が大阪アカデミー合唱団と二期会合唱団でした。弦の低音部の激しいリズムで印象的な冒頭部分を持つ1楽章、2楽章は、マーラーがよく使う、3拍子のレントラー風くつろぎの旋律。そして、一転して、小刻みなリズムが 小気味良い3楽章と、ここまでは、聴き慣れ、親しんだ音楽を確認しながら推移。でもなんだか確認をしていることを楽しんでるという雰囲気。レントラーに求めるまどろみとか、そないなこちらからのめり込まされるようなところへは向いていかなかったのですが、4楽章から変わりましたねぇ。メゾのソロが、まず良かった、何よりも。そう言えば、3番のシンフォニーも、こちらは、3楽章にですが、よく似たメロディー・ラインを持つメゾのソロが入ります。コラール風のメロディーが出てくるのが、ここからです。マーラーのシンフォニーは、人生の喜怒哀楽、様々な彷徨を表現することがありますが、3楽章までが彷徨の部分で、このコラール風旋律が出てくるところからは、まさに、復活や救い、神の愛までもが表されているように感じられるのだが、昨日の演奏は、この後半部分が、秀でていたのです。コーラスが入り、また、それが、復活を表した詞章を基に作られた楽章という。そこに、明白なるコンセプトが提示されており、且つ、コラール風の旋律が用意されているところから、統一体としての音楽を紡ぎ易いのだろうと思いました。合唱団の人数の多さからくるのでしょう、アインザッツが乱れたり、ホルンの音が乱れたり、木管の音が、それはマーラーの音じゃないぞとか、突っ込みたくなるところもありましたが、正直、久しぶりにコンサートで、鳥肌が立ちました。方向が明確になり、そして、それに向けての統一感を与える音楽は、説得力がありふるえさせてしまうのです。よくぞ、この音楽会を見つけた、自分の運の強さに感謝です。




2010年 2月 19日(金)午前 0時 5分

 今夜は、講談会です。毎月、ワッハの4階で行われている「第377回上方講談を聞く会」に行ってまいりました。今月は、もう一つの月例会の「天満講談席」は、繁昌亭の前売り券を買っていた関係で行けなかったもので、これは外すわけにはいかなかったのです。今日の番組は、南舟「太閤記〜秀吉の足軽時代〜」、南湖「出世の纏」、南北「源平盛衰記〜那須余一〜」、南海「池田屋騒動」というもので、とっても充実したものでした。ネタもいい、演者もいい、とってもグレードの高いものでした。南舟のネタは、つとに知られた秀吉の逸話。信長の草履を懐で温めるエピソードの出てくるのが前半に入る話です。黄紺自身も知ってる話なのに、講談で聴くのは初めてという代物でした。後半は、柴田勝家に嫌われる秀吉の足軽時代のエピソードでした。南舟が、ますます充実の一途です。間合いの取り方、声の調子の変化など、新しいネタを聴くたびにレベルが上がっていく感じがします。南湖の口演も良かったなぁ。抜けるような声、今まで南湖の口演では聴いたことのない調子。気合いが声に乗り移り、聴く者に、十二分に伝わるというものでした。市井の生活を体験するのが好きな殿さんが、銭湯で見つけた若い男に、纏持ちをさせる。威勢がいいので、殿さんに可愛がられるが、逆に、他の人間から妬みをかい、結果的に殿さんに恥をかかせたということで、お手打ちになろうかというときに、また逆転が起こり、めでたく終わっていきます。纏持ちとか、行動 力のある殿さんが出てくる、かなり元気の出る話を、南湖が過不足なく描くその声が、今日のように出ると、こりゃ決まります。なんか、一つ抜けた南湖を観た気がしました。南北が「那須余一」とはというのが、最初の自分的反応でした。軍記物で、最初に教えられるのが、このネタのはずですから、ベテランが、こないなネタをするなよの気分だったのですが、そこは南北。マクラで、散々、源平合戦をネタに、駄洒落を振ってくれるは、源平の合戦小史を語ってくれるは、やはりベテランは違うぁなぁの感慨仕切でした。ただ、南北さんの名調子に、後半、若干ダウン気味。本日、唯一しくじったところです。「池田屋騒動」は、さすが南海さん。丁寧に池田屋に至るまでの新撰組の動きを描いてくれます。そうなんです、新撰組からの描くという組み立てだったのです。南海さんは、血なまぐさい話を続ける中で、ふっと空の風景とかを入れるんですね。それを、意図的か、程よい間隔でもって入れるもので、空間的な広がりが出てきます。語りの巧みさだけではない、南海講談の巧みなところです。




2010年 2月 19日(金)午前 0時 5分

 今夜は、講談会です。毎月、ワッハの4階で行われている「第377回上方講談を聞く会」に行ってまいりました。今月は、もう一つの月例会の「天満講談席」は、繁昌亭の前売り券を買っていた関係で行けなかったもので、これは外すわけにはいかなかったのです。今日の番組は、南舟「太閤記〜秀吉の足軽時代〜」、南湖「出世の纏」、南北「源平盛衰記〜那須余一〜」、南海「池田屋騒動」というもので、とっても充実したものでした。ネタもいい、演者もいい、とってもグレードの高いものでした。南舟のネタは、つとに知られた秀吉の逸話。信長の草履を懐で温めるエピソードの出てくるのが前半に入る話です。黄紺自身も知ってる話なのに、講談で聴くのは初めてという代物でした。後半は、柴田勝家に嫌われる秀吉の足軽時代のエピソードでした。南舟が、ますます充実の一途です。間合いの取り方、声の調子の変化など、新しいネタを聴くたびにレベルが上がっていく感じがします。南湖の口演も良かったなぁ。抜けるような声、今まで南湖の口演では聴いたことのない調子。気合いが声に乗り移り、聴く者に、十二分に伝わるというものでした。市井の生活を体験するのが好きな殿さんが、銭湯で見つけた若い男に、纏持ちをさせる。威勢がいいので、殿さんに可愛がられるが、逆に、他の人間から妬みをかい、結果的に殿さんに恥をかかせたということで、お手打ちになろうかというときに、また逆転が起こり、めでたく終わっていきます。纏持ちとか、行動 力のある殿さんが出てくる、かなり元気の出る話を、南湖が過不足なく描くその声が、今日のように出ると、こりゃ決まります。なんか、一つ抜けた南湖を観た気がしました。南北が「那須余一」とはというのが、最初の自分的反応でした。軍記物で、最初に教えられるのが、このネタのはずですから、ベテランが、こないなネタをするなよの気分だったのですが、そこは南北。マクラで、散々、源平合戦をネタに、駄洒落を振ってくれるは、源平の合戦小史を語ってくれるは、やはりベテランは違うぁなぁの感慨仕切でした。ただ、南北さんの名調子に、後半、若干ダウン気味。本日、唯一しくじったところです。「池田屋騒動」は、さすが南海さん。丁寧に池田屋に至るまでの新撰組の動きを描いてくれます。そうなんです、新撰組からの描くという組み立てだったのです。南海さんは、血なまぐさい話を続ける中で、ふっと空の風景とかを入れるんですね。それを、意図的か、程よい間隔でもって入れるもので、空間的な広がりが出てきます。語りの巧みさだけではない、南海講談の巧みなところです。




2010年 2月 17日(水)午後 10時 33分

 今夜も、昨日に続き、繁昌亭です。完全に、繁昌亭ウィークに入りました。今夜も、昨日と同じコンセプトの落語会「繁昌亭夜席〜血液型・A型落語家特集〜」がありました。今日の狙いは、文太と三喬、それに、前座で出る三幸です。その番組は、三幸「牛ほめ」、壱之輔「竹の水仙」、仁昇「閑所板」、三喬「へっつい幽霊」、(中入り)、団四郎「百面相」、文太「猫定」というものでした。今日は、冒頭にダウンです。瞼の重さ、疲労の蓄積で、開演前からやばいなと思っていたら、案の定ダメでした。嫌な予感が当たりました。「牛ほめ」は、言い方を教えてもらってる途中から、「竹の水仙」は、裏の竹林に行ったあたりからのダウンですから、ともに始まって早々のものでした。仁昇は、久しぶり。あまり持ちネタを披露してくれないのですが、この人で「閑所板」は初めてのはずです。たっぷりと、言葉の違いのマクラをふらってから、「ここから落語です」と断ってからネタに入りました。汚いネタに、客席は大喜びでした。三喬のネタが、今日の関心の的。ひょっとしたら「へっつい幽霊」を出すのではの期待を持っていたら、どんぴしゃ。4月の「三喬一門会」で、これを出すことになっていますので、今日聴ければ、4月は取りやめ、今日聴けなければ、4月の会には行こうと思ってたくらいだったのです。三喬の口演を聴き終わって、やはりと思ったのは、熊はんと作ぼんを並べてみると、作ぼんが弱くなってしまいますが、それは贅沢な要求かもしれません。熊はんの強さとか、長閑さ、遊び人風情が出れば、十二分におもしろく仕上がるのですから。熊はんの強さにおののく幽霊も、三喬はうまいですね。ですから、熊はん、幽霊が揃い、作ぼんが出てこなくなる終盤は、三喬らしい軽いくすぐりも決まり、極上の出来上がりとなっていきました。文太のネタは、何なのか、なかなか分からない。猫が博打の結果を教える、これは、どこかで聴いたことがあると言っても、筋立ての先が思い浮かばない。ようやく半ば前で、「猫定」と呼ばれる男と紹介が入り判明。「猫定」を、文太が、時々かけているのは知っていたのですが、筋立てをきっちり押さえて、最後まで聴いたのは初めてとなります。ただ、噺としては、まとまりのあるものとは言えません。博打と猫で、噺が進行するのかと思っていると、急に、定次郎が結婚したあとの噺になり、しかも、定次郎が、間男をされている方となってしまいます。ここまでのイメージじゃないやろと、突っ込みを入れたくなります。そして、猫は、どうしたのか、出てこない。かと思うと、定次郎が呆気なく殺されてしまうという具合に、人物とかが、描かれたかと思うと、表面から消えたりしてしまいます。どうも、作品としてはいいものとは言えないですね。




2010年 2月 16日(火)午後 10時 32分

 またまた寒くなってきました。今夜も、繁昌亭での落語会「繁昌亭夜席〜血液型・AB型落語家特集〜」に行ってまいりました。繁昌亭は、行き出すと続きます。このあとも、ちょっと続いてしまいます。この血液型落語会は、あまり客が入らないとの噂が流れていましたが、今日の会は、1階席が、ほとんど埋まっていました。招待を受けた人たちもいたのでしょうか。なお、この血液型の会の発案者は、都だそうです。で、番組ですが、ちょうば「ぜんざい公社」、よね吉「ちりとてちん」、文華「寄合酒」、松枝「三枚起請」、(中入り)、智之介「マジック」、松喬「按摩炬燵」というものでした。もったいないと思えるほどの得意ネタが、それぞれの持ち場に応じ出されました。ちょうばの「ぜんざい公社」の職員は、パソコンを使ったり、時事ネタが、くすぐりで入ったりと、当代一と言えるもの。よね吉も、この位置なら、「ふぐ鍋」か、これでしょう。言葉の表情が豊かで、自在に喜ぃさんを遊ばせます。あまりに好き放題に動かすテクニックを披露するものですから、ちょっと、その過剰さが、噺の中の竹みたいな感じすらしてしまいました。文華の「寄合酒」は懐かしいです。前座の位置で出ていた頃、よく出していました。もう、完全に手の中にあるネタですから、口が勝手に動いているのではと思うほど、流れる流れる。でも、単にぶっ飛ばしてるわけじゃない。笑いのツボや人物の変化や、全部込みにして、流れるのです。松枝の「三枚起請」も、同様の趣。とにかく、松枝の描く喜ィ公が、黄紺は、とっても気に入っているのです。聴きようによっては、ちょっと危ない感じのする男に描かれますが、でも、東京の与太郎では決してない人物に描いていきます。以前聴いたときに比べて、ガッツポーズめいたものが入ったりと、ちょっと気に食わない部分が、新しく入ってたりしたのは、気になったのですが、女郎買いの軽〜い噺というスタンスが貫かれていて、松枝ベストと思っているネタなのです。松喬が、「今日は、お酒の噺をします」と言ったとき、頭に浮かんだのは、「一人酒盛」。でも、始まった途端に「按摩の徳さん」が出てきて、これはガッツポーズ。今、このネタを高座にかけるのは、松喬以外に、あと鶴志がやるのかなぁというネタ。珍品には、決してしてはいけないお酒の噺。しかも、冬の噺。ただ、按摩さんを、炬燵にするという筋立ては、人権感覚からして避けたくなるみたいで、演じ手が続かないみたいです。黄紺自身、前に、これを聴いた場所まで覚えているくらい貴重なネタです。あれは、16.7年前、枚方の光善寺駅近くの公民館で聴いたというものです。もちろん、そのときも松喬の口演でした。そのときに比べて、今日、松喬の描いた徳さんは、かなりスマートになっていたかな。番頭さんの応対も、えらく徳さんを持ち上げてるなの印象です。こういった形でないと演じにくい空気のようなものを、松喬自身が感じているのではないかなと思って聴いておりました。好演です。




2010年 2月 16日(火)午前 0時 31分

 週初めから、多忙な一日、年度末になってくると、その時期特有の仕事も入り、過密なスケジュールをこなしているなか、今夜は、トリイホールの一つ下の階にある徳徳亭での「とくとく寄席」に行ってまいりました。なじみの薄い場所のためか、客の入りは、かなり寂しい ものに。最近、たまの会に行くことが増えています。ちょっと選ぶようになってきていたたまの会ですが、企画が面白そうなのは外せません。今日は、三味線の吉川絹代さんを迎え、お囃子談義などが企画されていましたので、同じ時刻に始まる「らくご道」を諦めて、こちらの会を選んでみました。番組は、たま・吉川絹代「お囃子紹介」、たま「船弁慶」、(中入り)、たま・吉川絹代「ハメモノ紹介」、たま「火焔太鼓」というものでした。まず、「お囃子紹介」では、定番の一番太鼓から始まり、落語会の流れに沿って、演奏しながらの紹介。米朝一門と非米朝一門では、一番太鼓は違うそうです。今まで、全然気づいていませんでした。吉川さんは、寄席三味線として、落語会に詰めるようになったのは、たまと、キャリア的には、そんなに変わらないそうです。一度、染丸門下として始められてから、子育てのために、この世界を離れられていたとか。そないな話も紹介されました。「船弁慶」は、たまでは聴き慣れたネタ。初めて聴くくすぐりを幾つか発見。相変わらず進化しています。中でも、船の中で、焼き豆腐を食べない喜ぃ公には、大笑いでした。下げは、弁慶の泣きどころを打って痛がるお松を見て、今日の割り前はなしと言う喜ぃさんの言葉でした。お囃子の文句の中に、辛うじて「壇ノ浦」が出てきて、このネタの大元が判る程度まで刈りこみが進んでました。「ハメモノ紹介」が、なかなか濃い内容で、たまの落語にかけるこだわりや哲学までも伺わせる内容となりました。鳴り物には、リアルな音と効果音があるということを、まず口演が終わったばかりの「船弁慶」を例に、解説を加えてくれました。それ以外では、「皿屋敷」の幽霊の出てくるところ、「辻占茶屋」「立ち切り」「質屋芝居」「隣の桜」が演奏されました。このラインナップだけ見ても、濃い内容が解ろうというものです。吉川さんは、「隣の桜」が、難しい、いや、たまの注文が難しいと言われていました。「隣の桜」では、5種類の強弱を要求されたそうです。しっかりと時間を、お囃子に時間をとった関係で、当初、予定していたという「池田の猪買い」は長いのでということで、「火焔太鼓」となりました。以前聴いたときは、スリム化しすぎてんじゃないのと思ったものでしたが、今回は違和感を感じませんでした。本筋だけ残し、くすぐりが次から次へと決まっていったからなんでしょうか。丁稚と登場させない構成も、ですから気にならなくなっていました。
 ところで、吉川さんの人となりを紹介されてる中で、たまの口から、「先日お亡くなりになった山澤由江さんらと呑んでいるとき」という言葉が出てきて、びっくり、何かの聞き間違えかと思い、帰ってきてから調べたら、やっぱりその通りでした。仁勇夫人にして、寄席三味線上方のビッグ3の一人に数えられている方の、あまりに早い死に愕然です。




2010年 2月 14日(日)午後 11時 55分

  大阪府茨木市(2)写真集

 今日は、午後から落語会のはしごをするつもりでしたので、午前中にウォーキングをすることにしました。わりかし休みの日の定番化しつつあります。ただ、午後の落語会が吹田で予定されていましたので、珍しく茨木市内ですることにしました。以前、民博からの帰りにウォーキングをしたとき、心残りなところがあったのを思い出したのです。それは、総持寺。で、そこから山手の方に回り込み、あわよくば「千里丘」までと考えたのですが、これは無謀。うまくJR「茨木」駅にターゲットをしぼり頭を切り替えたのが成功。2時間をほんの僅か越えた時間で終えることができました。詳細なコースは、次の通りです。阪急京都線「総持寺」駅〜総持寺〜光明寺〜JR東海道線「奥の院」踏切〜礒良神社〜西河原公園〜三島橋〜春日橋〜茨木市生涯学習センター・同中央図書館〜済生会茨木病院〜春日神社(中穂積公園・穂積城)〜慶生寺〜春日神社(下穂積)〜ホテル日航茨木〜JR東海道線「茨木」駅。今回は、安威川と茨木川の合流地点はかするようにコースをとり、前回行く時間のなかった西河原公園に行ってみました。163号線の北側にも広がっており、そこそこの広さを持ったところでした。中に「健康歩道」とネーミングされた遊歩道があるのですが、このネーミング、もうちょっとなんとかならなかったのでしょうか。本日の秀逸は、中穂積の方の春日神社。地図を見ると、小高い丘の上にあるので、一つの閃きがあったのですが、それが大当たりだったのです。小さな山城というか砦の方がいいかもしれませんが、その跡地に建てられたものでした。次回は、この続きですね。でも、JRに乗ると、茨木と千里丘の間は、かなり長いです。それを考慮して計画を立てねばなりません。
 JR「茨木」駅から普通電車で3つ目「吹田」駅に移動。本日の一つ目の落語会は、「第120回吹田サンクス寄席」です。この落語会の情報をなかなか掴めず、今回も、出演が予定されていた出丸のHPで、たまたま見かけて行くことになりました。雀三郎応援HPで、以前はチェックを入れていたのですが、今回は載ってなかったですね。従って2年ぶりくらいになるかもしれません。番組は、雀太「代書」、都んぼ「へっつい盗人」、出丸「佐々木裁き」、雀三郎「淀五郎」というもので、まさかの「淀五郎」に、大感激でした。ですが、今日もウォーキング疲れで、ひどいダウン。開演まで、そないな兆候が出てなかったもので、衝撃は大きいのです。この落語会は人気が高く、人がいっぱいに詰まるので、温度上昇、二酸化炭素濃度上昇ということで、行く度に、程度の差こそあれ、ダウンの記憶が。前の3つは、ホントにあやふや。雀太の「代書」が、枝雀の口演をベースにこなれていたようで、よく受けてた印象。再会を、切に願いたいですね。出丸は、カミカミだったんじゃないかな。いつも通りっぽいですね。都んぼは、この程度のコメントも書けない状態。「淀五郎」は、なんかリラックスして聴けたなぁっていう印象です。それだけ、雀三郎のくすぐりが増やされたんじゃないでしょうか。その分、芸道の厳しさ感というものが薄くなった感じ。ま、それは致し方ないことです。なわけで、「淀五郎」は、さすがしっかりと聴くことができました。
 「吹田」からは、電車一本で、南森町へ移動。夜は繁昌亭でしたので、昨日に続き、おなじみの南森町のネットカフェで、時間調整。約1時間半を調整に当てました。今夜の繁昌亭は、「第20回育っちゃったらくご!」があったのです。冒頭に、20回目を記念しての口上、それに続く番組は、あやめ「営業一課の高田くん」、三金「延陽伯」、三風「ハンカチ」、南湖「お秀の結婚」、(中入り)、たま「新景累ヶ淵」、「愛しのレイラ〜彼女のロック〜」というものでした。「営業一課の高田くん」は、24歳で、あやめ自身が結婚する1年前に創ったもの。もう、あやめの鉄板ネタとして知られたもの。存外良かったのが、三金の「延陽伯」。時間と足を考え、適当に刈り込みながら、風呂屋の場面まで入れてました。刈り込みが上手だったのでしょうね。とってもスムーズに流しました。それに、三金の古典の際に、まま出てくる現代語的響きの言葉遣いが消え、軽い口調と併せて好感を持っちゃいました。「ハンカチ」は、創作台本として受賞したもの。表彰式の際の口演に次ぐ2度目の遭遇。ちょっと強引な筋運びと、かっこよさを目ざさんかなの顔が見えたりして、自分的には評価の低かった作品。2回目になると、運び方が見えてくる分、無理筋を許容してしまうのか、前回ほどの抵抗感は出てきませんでした。三風の口演が、だいぶと貢献してるように感じました。南湖は、マクラで、大学浪人のときの思い出話。本当なのか創作なのか、定かではないのですが、突然いいところで切り上げ、ネタへ。力持ちの女真柄のお秀の物語。こちらは、定番のネタ。今日の問題作は、たま。円朝作品は、刺身のつま状態。「真景累ヶ淵」からは、三角関係というところだけ食いついただけでは、あまりに物足りない。先日の近松のときに感じたと同じような不満を感じてしまいました。これは、昨夏、南湖と組んでの公演からの再演と看ましたが、残念ながら、文句たらたらです。遊方のこのネタは、存在だけは知っていたのですが、遭遇は初めてです。10周年を記念しての独演会を飾った作品だったんですね。途中に、遊方の弾き語りが入ります。但し、フォーク。それが、このネタのミソですね。本日のトリネタに相応しいと看ました。やっぱ、遊方のくすぐりの感覚は、抜けてる感じがしました、このネタを聴いて、つくづく。




2010年 2月 14日(日)午前 6時 8分

  大阪市遊歩(38)写真集

 今日は、午前中は通常勤務。目一杯働いて、終わるとすぐに職場を離れ、ウォーキングにシフト。ただ、午前中に、目一杯仕事をすると、この午後のウォーキングが、なかなか大変なものがあります。でも、気分的にはやりたいからやっちゃうのです。昨日は、森小路から鶴見緑地に入り、そこから、住道か鴻池新田方向を目指そうかというだいたいの予想を立てながら歩き出しました。昨日は、日差しがあり、そんなに寒くはなく、そういった意味では、ウォーキングをするのに、いい条件が揃ったと言えると思います。詳細なコースを記しておくと、次のようになります。京阪「森小路」駅〜新森公園〜鶴見緑地公園〜宗圓寺〜葭田橋〜浄念寺〜中国東北部料理店「串香園」〜安田東交差点〜諸福交差点〜鴻池橋〜城東工科高校〜近鉄バス稲田営業所〜JR学研都市線「徳庵」駅。「森小路」からだと、鶴見緑地へは20分で到着できます。京阪沿線の駅では、一番近いんじゃないかな。天気がいいものですから、ウォーキングをする人、ジョギングをする人が、結構出ていました。昨日は、池の北側を回り、初めて乗馬を楽しめる場所があるのを知ったりしました。そして、東口から出て、住道方向に向かったのですが、時間のこと、また移動にかかる時間の短縮を考え、諸福まで行き、少し時間を使い、「徳庵」駅に東方向から入るコースを採りました。全く未知の地です。「徳庵」の西側が、わりかし古風な造りですので、こちらもそうかなと思っていたのですが、そういったエリアは、西側に比べると狭いですね。少し離れると、最近開けたっていう感じがしました。そういったところだったんだというと ころです。昨日は、あとのことを考え、学研都市線にこだわりましたが、今度は、これまた自分的には未知の地高井田まで足を伸ばしたいものと狙っています。
 「徳庵」駅から一本で、「大阪天満宮前」駅へ。南森町のいつものネットカフェで、ちょうど1時間の時間調整。昨夜は、上新庄での落語会「第305回上新庄えきまえ寄席〜三幸にしてください〜」に行くつもりをしていましたので、ウォーキング、時間調整のためのネットカフェ、上新庄の三つを結ぶために、このような大移動となる方法を採りました。上新庄でのこの会は、大変なキャリアのある落語会です。最近は、無沙汰をしていて、前に、こちらに行ったのは、1年前か2年前に、昨日の主役三幸が出たときでした。で、昨日の番組は、咲之輔「寄合酒」、三幸「合格祈願」、文鹿「猿後家」、三幸「ふぐ鍋」、(中入り)、文鹿・三幸・咲之輔「トーク&相撲甚句」というものでした。咲之輔は、まだまだ高座に慣れてない感じ。ネタに入ると、教えられたことを懸命になぞるので、かえってかまないで滑らかになっていきますが、マクラなどは噛みっぱなし。三幸の「合格祈願」は、三枝作品? らしいことを、あとのトークのときだったかに言ってました。というのも、神道用語についての解説が入ったりするものですから、三幸作品ぽくないなと感じていたもので、それで納得です。「ふぐ鍋」もそうだけど、かなり一本調子。以前だと、それが、変わった味を感じさせた三幸ですが、テンションが高いっぱなしの傾向ありで、そう感じたのでしょうか。文鹿の落語を聴くのは、ホントに久しぶり。ワッハの小演芸場で、「鹿政談」を聴いて以来だと思います。そのときも久しぶりで、無骨さがとれて流れるようになったなの印象を持ったものでした。昨日も、その延長線上にありました。また、流れに流れないとダメなネタですから、当然と言えば当然なのですが。でも、そこへの重点が目につくということは、一人一人の持つ個性なるものが、希薄だったっていうことかな。べんちゃらをする男の大仰さとか、その辺はデフォルメすることを許されるところだし、そうしなきゃ可笑しさも出てこないんじゃないかな。もうちょっと、花というか、派手さが欲しいですね、キャラに。「ふぐ鍋」は、この二人の人間関係っていうの、何なんだと思わせられた三幸の口演でした。木曜日に聴いた都んぼの場合と、よく似た印象でした。こういったシチュエーションは、三幸落語には向かないんじゃないかな。最後のおまけは、家紋をネタに喋り、また、三幸は、ビートルズをかけて、家紋を描いた紙の早めくりをするという、この日の客には解りづらいことをしていました。文鹿の相撲甚句は、師匠文福譲りの「立つ」づくしでした。




2010年 2月 12日(金)午後 11時 14分

 今夜は、久しぶりにシンフォニーホールでの音楽会に行ってきました。実は、他のコンサートのチケットを買ったときに、他にも、何かいいコンサートがないか調べていて見つけたのでした。しばらく音楽会にご無沙汰をしていますと、情報が途絶えてしまいましす。ブルックナーやマーラーの大曲が演奏されれば聴きに行こうという気のある黄紺なのですががついつい情報探しを怠ってしまいます。幸い、今日のブルックナーの6番のシンフォニーは押さえることができました。今日の音楽会は、大阪センチュリー交響楽団の定期演奏会の日でした。指揮は、常任の小泉和裕です。プログラムは、まず、堀米ゆず子をソロに迎えたメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、休憩を挟んでブルックナーというものでした。なかなか重たい感じがします。メンデルスゾーンは、堀米のヴァイオリンが、レガートの付いている上昇旋律のリズムが、何やしら急いで駆け上がる感じ(2拍目の装飾音ぽい音が早い)で、なんか不安定。よく知られた曲なもんで、次に出てくるところが判るものだから、その前になると不安になる、するとやっちゃうという感じで、1楽章の半ばまで、なんか気になって、、、。ところが、カデンツァを過ぎる辺りから、徐々に気分が乗ってきたのか、歌い出すメロディー、音の掴みもシャープさを増し、聴いている者の気分を高揚させてくれました。終わってからは、気持ちよく拍手をすることができました。ブルックナーは、いきなりホルンがやっちゃいました。6番の冒頭は、不安でしょうね、でも、音を外されると、聴く者は、残像として耳に残っちゃいます。それに、1楽章は難しい。ふっと気を変えるかのようなメロディー・チェンジが多数、弦の高音部、低音部、管楽器が、それぞれ別のメロディーを奏でる場面、多数という感じ。それを、ずっとインテンポで指揮をする小泉にも疑問。有機的な音楽に、なかなかなりえてなかったんじゃないかな。ただ金管の重奏は、かなりいけていたのが、あとへの希望が残りました。6番の緩抒楽章は、とってもいいメロディーラインなんだけど、2番の1楽章のようには、それだけで行ってくれない恨みを、今日も。だけど、今日の殊勲者弦の響きにそそられていると、案の定金管がうごめき出します。ところが、1楽章のようなまとまりの悪さが消えている。これはと期待していると、単純な「A-B-A」の構造のスケルツオは、バッチリ。復調を遂げた4楽章は圧巻でした。楽器の配置が良かったのかな。左サイドのヴァイオリンの背後には、何も置かず、トランペットは、一番後ろだけど、左端にティンパニーを置き、ちょっとでもヴァイオリンから離してある。ホルンは、トランペットの前の木管と並べ、その右端。その右斜め後ろに、トロンボーンとチューバを置くという布陣で、全体的に右にシフトした状態。ヴァイオリンの音にかぶらないような努力が、功を奏したというところでしょう。という久しぶりの音楽会、帰り道も、6番のメロディーが、ついつい口をついて出る気分の良さでした。




2010年 2月 11日(木)午後 9時 55分

  大阪市遊歩(37)写真集

 昨日の暖かさから一転、気温が急降下の一日、午後からの落語三昧に備え、午前中にウォーキングを計画しました。午後2時には、尼崎市内となるピッコロ・シアターに行くことになっていましたので、久しぶりに淀川を越えることをメーンに、尼崎方向に行くことも考えましたが、十三方面の街中ウォーキングもしていませんでしたので、そちらを選ぶことにしました。となると、終点は、「塚本」か「御幣島」のいずれかを、お時間に合わせて選ぶことになりました。で、詳細なコースは、次のようになりました。京阪「渡辺橋」駅〜田蓑橋〜梅田2西交差点〜JR神戸線梅田西通架道橋〜西梅田一番踏切〜新十三大橋〜第七芸術劇場〜阪急府道南踏切・阪急「十三」駅〜阪急府道南踏切〜インド料理店「RASHA」・トルコ料理店「SINASOS」〜阪急高槻街道踏切〜JR三国街道踏切〜十三市民病院〜阪急宝塚線「神崎川」駅〜三津屋商店街〜三津屋南2交差点〜沖縄そば店〜塚本神社〜新北野公園〜JR東海道線「塚本」駅。雨が降りそうで、確かに降ったのですが、それは、歩き出したときと、最後の塚本界隈でだけでしたが、ずーっと鬱陶しい空模様。前回、中之島を歩いたときも、そうでした。ついてないですね。「渡辺橋」駅から「十三」駅入口までが、ちょうど1時間くらいでした。この道のりが、存外使い勝手があるとの認識を持てたことが収穫となりました。今度は、新十三大橋を渡ったあと、塚本、御幣島を抜け、神崎川を越え、更に尼崎の方に行くと、いつもの2時間で、どのあたりまで行けるか、チャレンジしてみたいと思っています。
 「塚本」から、僅か二駅の移動、なかなか厄介な話。「塚口」へ行く電車は、15分に一本。ウォーキングのあとは、ピッコロ・シアターであった「桂米団治独演会」に行ってまいりました。ホール落語に行くのは、ホントに久しぶり。米団治の出したネタに惹かれて、チケットを買ってしまいました。番組は、米市「子ほめ」、米団治「天狗裁き」、都んぼ「おごろもち盗人」、米団治「景清」、(中入り)、米団治「小倉船」というもので、なるほど米団治の出したネタにはそそられてしまいます。ところが、今日は、そないなことはないと思えるような体調だったのですが、まともに聴けたのが、「子ほめ」と「小倉船」という低汰落。「天狗裁き」で、人が変わって現れるたびに、分かりやすく描き分けてくれ、更に、元の夢を見たとされた男のキャラに安定感があり、初遭遇の米団治の「天狗裁き」、なかなかいいやんと思っていたのに、ダメだったですね。繰り返しネタというのは、こういったとき、いの一番で被害に遭ってしまいます。「おごろもち盗人」も、算盤勘定のところまでですから、早々にダウンです。盗人の声を聴いたのは、最後、自身が盗みに遭うところだけでしたから、かなり強烈です。惜しいのは、「景清」。米団治は、直系ですからでしょうね、丁寧に丁寧になぞっていきます。ここでも、ダウンを喫してますから、あまりえらそうなことは書けませんが、定次郎の声がいいです。太い声を割り当て、向こう意気の強さ、まっすぐな人柄を出そうとしています。甚兵衛さんに強く当たっても、逆に、そのまっすぐさが出たものと了解できます。こちらも、なかなかいい雰囲気。目が 開いたことを知らせるのに、「きれいな月や」と、定次郎に言わせます。甚兵衛さんは、定次郎の傍らに倒れています。ここ、いいですね。米団治スペシャル的な演出、とっても気に入りました。観音さんが出てきたとき、定次郎に「きれいな観音さんや」と言わせていますが、あすこで目が見えていることにしたかったのかなという疑問は残りましたが。もちろん、カットされるところは、直系としては、やはりカットでした。「小倉船」は、昔、「月とスッポン」で見て以来です。あのときの印象が、なかなか良く、それ以後見ることができた「小倉船」のいずれをとっても、あのときの米団治の高座を越えているとは思えないものですから、今日は、その印象が間違ってないかを確かめに行ったようなものです。そして、間違ってなかったことを確認できたと思っています。やはり、踊りを、小さい頃からしていたからでしょうね、芝居掛かりになってきたときの動きが、全然違います。体の部位から部位へと、完璧に有機的な動きをしています。そういった素地の上に、河豚綿長安の滑稽な仕草も、輝いていきます。猩々の下げが解らないと見て、幕が閉まるのを制し、説明を加えてから終わりました。
 「塚口」駅から「尼崎」「大阪天満宮前」乗り換えで、谷町九丁目へ移動。大移動です。時間調整なしで、晩ご飯の時間だけを確保して、会場の高津神社に入ると、開演30分前を切っておりました。今日は、こちらで、昼夜の二部公演で、「寝駄を根太にする会!2〜夜の部〜」が行われたのでした。昼の部の出演者とネタは、生喬が、自分の会で言ってましたので、ま、いいかと安心した次第。このそそられる会を知る前に、先の米団治独演会のチケットを手に入れていたものですから。この会の趣旨は、最近、高座にかけてないネタの虫干しをしようというもの。主宰者は由瓶です。番組は、全員で挨拶、歌之助「東の旅〜発端・煮売屋〜」、花丸「七度狐」、(中入り)、都んぼ「ふぐ鍋」、由瓶「銭闘物語」というものでした。歌之助は、初めて教わったネタだけど、師匠の先代が、このネタを忘れてしまっていたので、米左に、稽古をつけてもらったそう。旅立ちはカットして、道者の通過だけを入れて、煮売屋に入りました。テンポは、全体的にゆるりめ。この辺が、10年以上のキャリアか。「七度狐」が、この会最高の聴きものだったかな。ネタを聴いたとき、確かに一番聴いてみたいと思ったのは、確かに、これでした。花丸と「七度狐」というのが、いつのまにか合わなくなってきているのですね。「七度狐」という噺は、それだけ完成度も高いし、筋立てがしっかりしているので、花丸らしい改変のしにくい噺なのです。歌之助のあとを受けて、煮売屋から逃げ出す直前から始まりました。伊勢音頭が、なんとなくあやしかったのが気になったくらいで、13年ぶりと言うわりには、スムーズに、オーソドックスに流れていきました。都んぼは、このネタを、吉朝からもらったそうです。また、吉朝は、染丸からもらったそうです。ただ、このネタは、都んぼには合いません。いつものように気張りすぎで、ネタを進めるのですが、このネタって、気張ったら、やはりおしまいのネタです。お金のある有閑なお人たちの、ちょっとしたお戯れ的な噺に、気張ったのでは、このネタの空気が壊れてしまいます。都んぼは、あまりに融通の効かない演じ方をしてしまったとしか言いようがないですね。由瓶は、掟破り的なネタの選択。やはり、こういう企画で、自作ものは、なんとなく外されたと感じちゃいますね。しかも、サウナを知らない者には、おもしろさなんてのが伝わりにくいですものね。ちょっと自己満足的なことをやっちゃうので、由瓶の会は、自分的には避ける傾向にあります。




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