2010年 4月 6日(火)午前 0時 40分
今夜は、久しぶりのというほどではないのですが、韓国から帰ってきてからは、初の芝居でした。場所は、ABCホール。劇団公演というのではなく、伊藤えん魔プロデュース公演と銘打たれ、縁の美津乃あわや国木田かっぱという役者らに加えて、赤星まさのり、宮部謙次という、他の劇団の看板俳優を加えての公演。「モテハン・オンライン」という題名の芝居で、見終わったあとの満足感は、頗る付きのいいものでした。バーチャル空間の中に、現実の人間、ゲームのプレーヤーが入り込み、自分が作り出したキャラとともに、敵に立ち向かうという物語ですが、この芝居のユニークなところは、現実にいる人間を、プレーヤーのいいようになるようなキャラに変えてくれ、仲間とともに、経験値を上げていったり、ジョブ変換をしたりで戦いを進めていくというのが一つ。更に、戦いを進めていく中で、頼りないプレーヤーが、経験値が上がっていく中で、人間としての成長を遂げ、他者との関係が向上していく点、そして、敵というものを、ゲームソフトに仕込まれた敵ではなく、コンピューター・ウィルスとするという発想がおもしろく、キャラ同士の戦いではなくなったこと、となると、誰が、どうして、どえらい敵を倒すのかとなると、勇者の役割を果たしていた男が、実は、ウィルスバスターだったというわけです。一回しか使えない、このシテュエーションを思いついたのが、この芝居を成功に導きました。また、台本を書いた伊藤えん魔は、コンピューターに精通しているのでしょうね。その辺の知識が、ストーリー展開に奥深さをもたらしています。引っ張って引っ張ってしていく材料を持ち合わせているというのはすごいです。エンターテイメントとして、最高の部類に入れていいほどの楽しさいっぱいの芝居でした。
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