2010年 8月 20日(金)午後 11時 39分
久しぶりの休息。旅行中は、休暇ではあっても、忙しく動き回っていますので、休息というものではありません。今日も、時間を取って、HP更新作業をしようという狙いだから、休息になったか分からない。ウォーキングはしないで、黙々と調子の悪いパソコンと格闘しておりました。そして、午後からは、久しぶりの繁昌亭。とにかく帰ってきたぞということで、昼席に行ってまいりました。文太の中トリ、仁智のトリ、文華が出て、色物に、久しぶりのお目通り、菊池まどかの出演と、なかなかのいいメンバーでした。番組は、まめだ「子ほめ」、卯三郎「ガマの油」、文華「寄合酒」、智之介「マジック」、仁勇「しびんの花活」、文太「鷺取り」、(中入り)、菊池まどか(虹友美)「浪曲:阿波の踊り子」、小つる「ろくろ首」、吉次「一眼国」、仁智「ハードラック」というものとなりました。まめだの「子ほめ」は初物。年季というものは、恐ろしいもので、かなり口舌爽やかになってきました。短縮をせずに進めたために、ちょっと急ぎ気味になってしまったのは、致し方ないところ。卯三郎も、自信をもって話せるところなどは、大進歩。今度は、じっくりとした噺を聴ける機会を探さねばと思ってしまいました。ただ、酔っ払いは、まだまだ精進の余地は残っています。文華になると、一挙にグレードアップ。一番の聴きものだったかもしれません。時間の関係か、鰹節を取るところをカット、替わりに、最近聴かないすりこぎを探す場面が入りました。仁勇は、時々珍しい噺を聴かせます。「しびんの花活」は、最近では、生喬でしか聴いてないという記憶です。文太のネタが「鷺取り」、完全に肩すかし。雀と鷺の間に、ペンギン取りを入れるお遊びがありました。「阿波の踊り子」は、春野百合子にもらったものとか。最後までせずに、大詰めで切り上げる方法を採用。会場はどよめきに包まれました。小つるが出てきても、その空気が残ってます。小つるは、それを逆用して、マクラのネタに使うという、なかなかのテクニック。「ろくろ首」って、思いもよらないネタが飛び出しました。こよりの場面のカット版でした。夏にふさわしいネタが、もう一つ続きました。露の一門お得意の「一眼国」。このネタって、謎めいた噺として口演すれば、吸引力のあるネタ。先日聴いた団姫は、その手法で大成功。今日の吉次は、逆に失敗の巻き。六部に話を聞こうとする男が叫びすぎます。そして、仁智は、最高傑作と思っている「ハードラック」でした。中入り明けを、夏のネタで固めてるのかと思い、ならば、仁智は「百物語」だなと、勝手な想像をしてましたが、全く勝手な想像でしかありませんでした。今日は、客席から声を発する客が複数おり、とっても不愉快でした。いいラインナップで進んだ定席らしさを感じた一方、しばきたくなるような客が大手をふってるのは許し難いことです。
繁昌亭が終わると、時間調整のために、いつもの南森町のネットカフェへ。そして、5時45分をメドに、そこを出て桜橋を目指して歩き出しました。ウォーキングをしなかったので、少しでも歩きたくなり、地下鉄での移動を止めたのでした。夜は、新装のサンケイホール・ブリーゼに初めて行ってまいりました。ヨーロッパ企画という劇団の「サーフィンUSB」という芝居を観に行ってきました。ヨーロッパ企画は、2度目なのですが、とっても日常風景を描きつつ、そこに仕掛けを用意するという芝居と看ていますが、それが、取り立ててさほどインパクトがあるわけではなく、もちろん自分的にですが、どうも、この劇団の集客力の背景を理解できていません。今日の芝居は、サーファーたちが集まる海岸なのですが、この海岸が変。街が水没し、その街中から海の波を求めてサーファーが集まるという設定になっています。その大道具が、なかなか見せます。左右に役者がはけるというのは、ごく普通の芝居ですが、この芝居は、役者が上下にはけるという場面を作るとともに、それを実現する舞台装置になています。それだけを見れて、それで十分と言っていいと思うのですが、やはり芝居の進行が問題となります。サーファーという自然に親しむ人々が、それを、Webサイトで実況できるとなると、一挙に関心は、自然からWebサイトへのアクセス、ダウンロード数となるという、二項対立的な要素が、簡単に逆転していく可笑しさを表している、なんかそれだけの芝居で、このような大舞台で、多くの客を集めるような芝居とは、残念ながら思えませんでした。
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