レフコシャから、ドルムシュで小1時間東に行くと、そこは、地中海に面したガージマウサである。ギリ
シャ名、ファマグスタ。「ガージ」は、「ガジアンテップ」の「ガジ」と同じなんだろう。トルコ語で、「戦士」
を意味する言葉。この連想は、いかにもキプロスにはありそうなネーミングなんで、恐らく当たってるだろう。
そのガージマウサのドルムシュ乗り場の目の前に、言い換えれば新市街へ降りる道の横に、時間が止まったよ
うな旧市街がある。この町と海を隔てて先は、レバノンかイスラエルかという、恐らく歴史上は、格好の戦略
基地だったんだろう。その絶好の位置に、旧市街は、昔さながらの威容で残っている。その旧市街の、中心に
聳える西ヨーロッパさながらの教会跡。元聖ニコラウス大聖堂、現ララ・ムスタファ・パシャ・ジャーミー。
間違いなくヴェネチア時代を連想させる、その富と支配を連想させるに十分な教会跡である。キプロスのおも
しろさはここにある。
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