当日、スタジアムは、大変な賑わい。やはり予想通り、当日、スタジアムの前で売ってるチケット売り場で、充分、チケットは買えました。これは、試合に人気がないというんじゃなくって、もう、前売りという感覚がない人たちが大勢と考えた方が正しい。ただ、チケットを持っていても、簡単に中には入れない。これが、1番大変。入場口で、1枚1枚バーコード・チェックをするから、入場口に長蛇の列。そこへ、その列に紛れ込もうという輩、偽装子ども連れを狙う少年が待ち構えている。要するに、チケットを買わないで、ただで入ってしまうという連中が入り口付近にたむろをしているから、もう、大変。大体、こういうときは、「入れる方が諦める」という経験則を、このとき黄紺は得ることとなる。バーコード・チェックを諦めるのだ。大変な人出を、まどろこしいことをして客を入れるのを諦めるのだ。回転式ドアで1人ずつしか入れなかったのを、間口を広げて、チケットを見せるだけで入れてしまおうとしたのだ。それを察知した客は、どーっと若干広がった入口を見て、後から押し寄せてくる。すると、何人かの男が叫んだ。「お客人が、先だ」、、、「ん? お客人って、黄紺のこと?」。そうなんです、みんなが押し寄せてきているのに、黄紺の姿を目にしていた人たちが、遠来の私を、まず、中へ入れてやろうというわけなのである。殺到していた人たちも、これには納得する。これが、トルコだ。緊張した空気が和む、その中を感謝の言葉を、周りにいる誰彼ともなくたれながら入らせてもらった。エラズーでの観戦と言えば、まず、これを思い出す。地方スタジアムでの観戦の楽しさでもある。 リゼも、それに勝るとも劣らない貴重な経験がある。チャイクル・リゼは、10数年ぶりに、1部復帰を果たしたのだが、2年間で降格。でも、また1年で1部復帰をしたそういう「復帰記念」と、勝手に名付けて、リゼの観戦を決めたのだった。これは、ちょっとこじつけ的なもので、実は、トルコの東部ばかりを歩いていた黄紺が、サッカーの開幕戦に合わせて野に降りてきた、その1番近い場所、そんなチョイスの仕方で、リゼを選んだというわけであった。その前日泊まったアルハヴィで出会った人から、リゼのスタジアムの場所を聞いていたので、リゼ到着後すぐに、スタジアムの確認がてら、チケット情報を得にという思惑で、やはり真っ先にスタジアムに赴く。中心部からアルハヴィやホパ方向に徒歩10分、海岸に平行に歩けばスタジアムだ。前日準備に人の出入りがある。関係者と思しき人に、チケットの販売場所を聞くと、その人は知らないらしく、スタジアムの中を指さし(グランドへ直接は入れる入口前で聞いたものだから)、あすこにいる人たちに聞けと言う。「えっ? 中に入っていいの?」「いいよ」、、、明日、試合だというのに、グランドに入っていいのかなぁと思いつつ、いいと言ってくれるのならと、ずかずかと入っていく。そして、また、同じことを、数人の固まりの端っこにいた人に言うと、その人、固まりの中で、どう見ても、1番のお偉さんと見える人に引き合わし、私の用件を伝えてくれる。そしたら、そのお偉さんが、私の方を向き、「じゃ、私が、あなたにチケットを、ご用意いたしましょう」「えーっ、、、いいんですか?」「お客人に、プレゼントいたします」「えーっ、、、ありがとうございますぅ」「5時に、チケット売り場で、私の名前を言って下さい。チケットを用意しておきますから」、そのチケット売り場が分からない私を連れて、そのお偉さんは、場所を教え、しかも、ピッチ内部まで入ることを許し、写真を撮るようにも勧めて下さいました。その方は、いただいたカードから、リゼ市青少年スポーツ局長さんだったということが、お別れしてから知りました。 指定された時間、指定された場所に行くと、確かに言われたとおり、チケットは用意されており、しかも、場所が貴賓席。いやぁー、びっくりしました。私の周りの席に座る多くの方は、試合開始直前に現れる方が多く、いつも黄紺が見ているスタンドとは、明らかな違いを感じてしまったのであります。前半が終わってインターヴァルとなりました。そしたら、青少年スポーツ局長さんが、わざわざ私を訪ねてきて下さいました。手には、チャイクル・リゼのバッジを持って。「気に入っていただけましたか?」、この言葉を聞いて、もう緊張しっぱなしの黄紺、厚かましくも、いろいろと選手のことを教えていただきました。丁度、ガラタサライからガジアンテップ・スポルを経由してヴィクトリアが、チャイクル・リゼに加入したときでしたので、その話から始まって、ウーマールは、2重国籍を持っていることとか、その奥さんがフランス人だということとかまで、いろいろとお聞きしました。お忙しいのでしょう、後半始まって間もなく、席を辞して行かれました。黄紺が、このときとばかりに、いろいろと質問したため、お仕事の邪魔をしてしまったのではと、今となっては、申し訳なく思っております。 カイセリは、そういった2つの経験と比べると、変化に乏しいが、ここでの観戦も、実は、カイセリ・スポル、本当はエルジエス・スポル1部昇格記念初ホームの試合だったのです。カイセリは、中部アナトリアの中核都市であり、だからなんでしょう、数年前、ゲンチレル・ビルリーイが、フェネルバフチェを敗り優勝したトルコ・カップ決勝戦が行われたところだから、スタジアムは、かなり大きなはずだから、ま、当日入りでもいいかとも思ったんだけど、行程とかを考えると、イスタンブルから夜行バスでカイセリ入りするのが、最も効率的かとの判断から、結局、この度も前日入りをしました。カイセリのカレを中心として、そこから徒歩5分、そこがスタジアムだ。黄紺が投宿したホテルの従業員さんが、近くまで行く用事があるということで、スタジアムの位置が判るところまで、付いてきて下さった。ちょっとした距離なので、これもトルコならではである。感謝しきりの黄紺だ。スタジアムでの仕事、もちろんチケットは、どうなのかということ。関係者かどうかは分からないが、スタジアムの周りにいる人に適当に尋ねる。すると、「今日の1時からだよ」「どこで?」、するとその親父は、表通りに面したプレハブ状の小さな建物を指す。何も考えないで、その親父が断定的に言うものだから(これが正確だった)、了解って感じで、スタジアムを離れる。そして、1時に、再度、スタジアムに。ところが、件のプレハブ状建物は閉まっているし、関係者がいる様子が、全くない。仕方がないので、スタジアムの方へ行くと、チケット売り場らしい窓口(実際は、スタジアムの事務所だったかも?)らしき見えたので行ってみて、そこに人がいたので聞いてみると、知らないと言う。困ってしまって、だからと言って、替わりとなるところもないので、元来た道を表通りに向かって僅かに歩き出すと、反対側から、即ち表通りのプレハブ状の建物方向から2人の若い男連れが、「チケットが、、、、」と言いながら歩いてきたので、思わず呼び止める。「チケットは、どこで買えるの?」、すると2人は、プレハブ状の建物を指す。「あれぇ、たらい回しみたいなもんや」と思いつつも、もう1度、そのプレハブ状建物へ行ってみると、案の定閉まっている。ただ、違うのは、そのプレハブ状建物の前に、丸イスに腰掛けた1人の親父がいることだった。仕方がないので、「試合のチケット、どこで買えるの?」と聞くと、「ここで」と一言。で、初めて、その親父の格好を納得。丸イスに腰掛け、股の間にロール状の切符を挟んでいました。要するに、その親父が、チケット販売員であり、それを路上で売っているのであり、且つ、黄紺が、そこを最初に通ったときにはいないで、ちょっとスタジアム方向に行ってる間に売り出したというわけでした。マラトンで1000万TL。正に、1部昇格記念の格安チケットでした。 でも、ここも、エラズーと同じで混み合い、しかも、ぶいぶい言わすようなお兄さんが横入りを随分としていました。でも、最後は、バーコード・チェックはギヴアップ。お約束みたいです、地方のスタジアム。でも、やはりここは大きなスタジアムで、収容人員からだけ言えば、アンカラのスタジアムくらいの規模はあると思われるものでした。 |
サッカー観戦についての質問を受けることもあるので、観戦ガイドのようなものを書いておこう。地方でのサッカー観戦については、この「なんでもトルコ」の、「トルコのサッカー・その3」&「同・その4」を、お読み下さい。但し、その町によって、それぞれの特徴があるので、類比的に網羅できると考えられると、間違いが生じるかもしれませんから、黄紺が、地方でサッカーを観ようとしているときの順序を経て、いろいろと試行錯誤していただければと思います。ですから、ここで書き留めておくのは、イスタンブル、トラブゾン、アンカラでの観戦ガイドと思っていただければと思います。
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